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ポン太とラッパ水仙

ほのぼの町にも春が来て、うきうき公園では桃や桜、雪柳にレンギョウなど、たくさんの花が一気に咲き始めました。


去年の初夏に生まれたタヌキのポン太は、初めて見る光景に嬉しくて、公園を走り回っています。


そんな中、とても良い匂いのする白い花を見つけたポン太は、お母さんに聞きました。

「お母さん、あの良い匂いのする花は何て言うの」

「ああ、あれはラッパ水仙っていうのよ。ラッパの形をしているでしょ」

「ふ〜ん。あれがラッパかぁ」

ポン太はとても興味を持ちました。

というのも、まだラッパを吹いたことがなかったからです。

前に人間の子供がおもちゃのラッパを吹いているのを見たことがあり、その愉快な音色に、自分も吹いてみたいと思っていたのです。


ポン太はラッパ水仙にそっと近づき、花の後ろをくわえて思い切り息を吹き込みました。

「ふ〜っ!」

いきなり息を吹き込まれて、驚いたのはラッパ水仙です。

「子だぬきさん、やめてください! いきなり何をするんですか」

「あれ、ちっとも鳴らないや。難しいんだなぁ…」

「ポン太、やめなさい! ラッパ水仙さん、本当にごめんなさい。この子はあなたをラッパだと勘違いして、吹いてしまったようです」

怒るラッパ水仙に、お母さんはあやまりました。

ポン太だけは何が起きたのかわからず、きょとんとしています。


「ポン太、ラッパ水仙さんはラッパの形に似ているけれど、ラッパじゃなくて花なのよ。吹いても音は鳴らないわ」


「はははっ! 私をラッパだと思ったのね。残念ながら、私はただの花よ」

事情を理解したラッパ水仙は、楽しそうに笑いました。


「ラッパ水仙さん、僕が勘違いしたみたいで、驚かせてごめんなさい」

ポン太は素直に謝りました。


「もしラッパが欲しいのなら、あそこの砂場の隅に、人間の子供が置いていったおもちゃのラッパがあるわよ。秋からずっと半分埋まったままだから、きっと捨てていったんだと思うわ」

ラッパ水仙が教えてくれました。


「わあ、ありがとう!」

ポン太は急いで探しに行き、取っ手が壊れた真っ赤なプラスチックのおもちゃのラッパを拾ってきました。


「わーい! ラッパだ! ラッパだ! 僕、これが欲しかったんだ。吹いてみるよ!」

ポン太が思い切り息を吹き込むと、真っ赤なラッパは「プ〜!」と大きな音で鳴りました。


「わ〜い! わ〜い!」

ポン太は大喜びで、ラッパを吹きながら公園を走り回りました。

その様子をラッパ水仙とお母さんタヌキは、楽しそうに見ていました。


ラッパの音で目を覚ましたカエルのケロ太は、音に合わせて「ケロケロ、ケロケロ」と歌い出します。

うきうき公園は一気ににぎやかになり、春本番を迎えていました。

お読みくださり、ありがとうございます。咲き始めたラッパ水仙を童話にしてみました。でも実際は、寒さが戻って、とても寒い数日が続いています。

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