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ダム湖


オカルト研究サークル、通称オカ研にオカ研に所属している友人の荷物と一緒に置かせて貰ってる荷物を取りに行く。


「こんにちは、置かせて貰ってた荷物取りに来ました」


「ヤア、久しぶりだね。


そう言えば今度、君が教えてくれた菊池ダムの噂の真相を確かめに、サークルメンバー全員で菊池ダムに行くことにしたよ」


「あの噂ですか? 


でも俺もダムがある町の近くに行った時に聞いた噂ですから、本当かどうか知りませんよ」


「本当かどうかは調べてみなければ分からないだろ? 


たからオカ研でダム湖の底でダム湖で亡くなった人たちの霊が、ダム湖を覗き込む人たちを本当に手招いているのかを調べに行くのさ」


「何時行かれるんですか?」


「来週の土日に行く予定だ」


「気をつけて行って来てくださいね」




土曜日の夕方、大学近くの私鉄の駅前のロータリーにワゴン車を停めて運転席で周りを見渡しながら、サークルメンバーが集まるのを待っているオカ研の先輩に俺は愛車の大型バイクに跨がったまま声をかけた。


「こんばんは」


「あれ? どうしたの、ってか、それ君のバイクかい?」


「はい、俺の愛車です。


実は菊池ダムがある町の近くに行く用事ができたんで、迷惑じゃ無ければ道案内を兼ねて皆さんと一緒に行こうかな? って思いまして」


「それは助かる、一応ナビは付いてるけど道が分かる奴に先導してもらった方が楽だからね」



後ろにオカ研のサークルメンバー9人全員を乗せたワゴン車を従えて俺は愛車を駆る。


ワゴン車ではエアコンを目一杯効かせてるんだろうけど、定員一杯人を乗せてる状態じゃ効きが悪いだろうな。


特に最下級生でたった1人の1年の友人なんかは、エアコンの涼しい風が殆ど当たらないところに座ってるから地獄だろ。


やっぱり夏はバイクだよ。


風を切って走る爽快感は何事にも代えがたい。


大学近くの私鉄の駅を19時に出発して約4時間、やっと菊池ダムに到着した。


でもオカ研のメンバーは目的地に真夜中近くに到着した事で、雰囲気があると喜んでいる。


オカ研のメンバーはダムの上から十数メートル下の湖面を覗き込む。


「此処からだと湖面の様子が分かり辛いな」


「結構強力な懐中電灯で湖面を照らしても、ダム湖の底を見るのは難しい。


もっと湖面に近寄れないかな?」


「もっと湖面の近くに行ける道ならありますよ」


「本当かい?」


「ええ、釣りに来た人たちが使ってる細道ですけど、湖面の近くまで車で侵入できます」


「教えてくれよ」


「はい、じゃ付いてきてください」


湖面に続く細道を指差しながら後ろを付いて来たワゴン車を誘導する。


「此処から入って行けます。


それじゃ俺は此処で失礼します」


「ありがとう、助かったよ優希君」


「じゃ失礼します」


俺は愛車を暫く走らせてから停車、エンジンを切って耳を澄ます。


直ぐにダム湖の方から車がダム湖に落ちるバシャーン! という音が響き、続いて多数の人の「助けてー!」「水の中に引きずり込まれるー!」「何だ? コイツら?」「助けてくれー!」という悲鳴が聞こえて来た。


暫くするとそれらの人の悲鳴は聞こえて来なくなる。


代わりに老人の声がダム湖の方から聞こえて来た。


『今回は9人か、良くやった、今日も合って行くんだろ。


此処に呼んであるから来なさい』


俺はその声に従いダム湖の方へ愛車を走らせるのだった。



 



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