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第56話 これが終ったら……

 ――十七時三十分。

 俺たちは現地に到着し待機している。


 作戦に参加するのは、八チーム、四十人だ。

 チームごとにコールサインが決まっている。アルファ、ブラボー、チャーリー、デルタ、エコー、フォックストロットの六チームが米軍特殊部隊シールズだ。

 ジュリエットチームが、俺、キャンディスさん、ダークエルフのミアさん、ドワーフのガルフ、犬獣人のモーリー。

 ロメオチームが、CIAの部隊だ。


 工場に突入するのは、四チーム。キャンディスさんが率いる俺たちジュリエットチーム。シールズのアルファチームとブラボーチーム。CIAのロメオチーム。

 残り四チーム、チャーリーチームからフォックストロットチームは、工場の周囲を固める。エルフが外へ逃げたら始末し、工場内に応援が必要な場合は工場に突入する。


 現在、八チームが分散し工場を囲むように車で待機中だ。

「霧がなければドローンが使えたんだけどね」

 キャンディスさんが、SUVの運転席で残念そうな声を出す。

「どろん?」

 犬獣人のモーリーが、コテンと首を傾げる。俺はモーリーに身振り手振りを交えてドローンが何かを教えた。

「スゴい機械だね! でも、霧があると飛べないのか! 残念!」

「米軍は装備がそろっているけど、今回はね……」

 俺は苦笑する。

 今回の作戦にあたり装備が米軍から支給された。霧の中でも敵の存在がわかるサーモグラフィー付きのゴーグル。防弾ベスト。高性能な無線一式。ボディカメラ。

 このボディカメラで撮影した映像と音声は、リアルタイムで横田基地に設営した作戦司令部とアメリカ本国に送信されるそうだ。アメリカ本国とはつまり……米国大統領だ。米国大統領がリアルタイムで俺たちの作戦行動を見ている。

 俺は固くなる自分をなだめるために、手を握ったり開いたりを繰り返した。俺の様子を見てキャンディスさんが、俺の腕にそっと手を添えた。

「ユウマ。大丈夫? 顔が青白くなってるわ」

「えっ?」

 俺はバックミラーをクイッと自分の方へ向けて、自分の顔を見る。緊張のあまり俺の顔から血の気が失せていた。フウッと息をはき、いつもの甘々のコーヒーを口にする。

 キャンディスさんが、俺の手を握った。

「これが終ったら、どこか二人で旅行へ行きましょう」

「旅行か……ハワイがいいな……。青い海。暖かい空気……」

「いいわね! ビーチでノンビリしましょう! 気合いを入れてビキニを着るわよ!」

 キャンディスさんのビキニ姿を想像して、ちょっとニヤけてしまった。おかげで緊張が解けた。


 耳につけた無線のイヤホンから作戦本部の指示が入った。

『1800。各チーム行動を開始せよ』

『アルファ了解』

『ブラボー了解』

 いよいよだ。

 次々と各チームから返事が送られる。しばらくして、キャンディスさんが返事をする。

『ジュリエット了解』


「行きましょう」

 キャンディスさんの言葉に全員うなずく。

 俺たちはSUVから降りて霧の中をターゲットの工場へ向かった。

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