表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/100

金沢・天野コンビ鎌倉に

8話 金沢・天野コンビ鎌倉に


「ねぇ毎度、鎌倉って。よく書くネタあるねぇ」

「まあね。新しいネタ探しも大変だわ……」


「ネタと、言えば静と彩の北海道ヒッチハイクの旅、うけてて増刷すると聞いたよ。やっぱ美人は、とくね。あたしらが同じネタでやってもあーは売れないもんねぇ」

「そういえば、どうしてるかしら。連絡ぜんぜんしてないから。あの北海道本の静が、妖怪映画の二口女と同一人物じゃないかってネットで……」


「そーなんだろうけど。あいつ騒がれるのは苦手だよね。一時期パパラッチや芸能記者が、ヒッチハイカーを探しまくってたって」


「でもさー。また、やりたいな。あいつらと。今度は四国とか、九州とかに行ってもらわねぇ」


「さぁ行くかしら?」

「電話してみる……」


「あ、久しぶり! あたし」


「すぐ出たわね」


〘金沢さんの電話だけど、マカさんの姪っ子の志子華よね。元気? 金沢さんは?〙

「隣に居るよ、ひと月前に子供産んで復帰したとこ」

「静、ウソよ。結婚もしてないのに!」

「あ、イテッ。叩いた。パワハラだ」

「ウソつくからよ」


〘アハハ、二人とも元気そうだね。クルマ?〙

「ああ、鎌倉で仕事中」


〘鎌倉かぁ。あたしは東京に居るよ〙


「そうなんだ。会いたいな」

〘だね〙


「そうなの。金沢よ。久しぶり。いつまで東京に?」


〘今週いっぱい稼いでから出る〙


「出るって、遠野に帰るの?」

〘違うわ。西へ向かうの〙


「西へ! 大阪? 名古屋? それとも京都、奈良?!」

〘志子華ね。う〜んとりあえず……西へ〙


「ヒッチハイクしてるのか? 最終目的はドコなんだ?!」


「シズカ、よけいなことは……」


〘鹿児島〙


「九州なのか。あたしらとコラボしない?!」

〘また、旅費出してくれるの……〙


「ごめん。まだ、何も決めてないから、どうなるか……」

「やめなさいよシズカ。彼女たちにも都合があるだろうし」

「明日帰るから、夜に話そう。またな」


「北海道のときでこりてない?」

「そんな感じじゃなかったぞ。金欠旅みたいだったし」


「あっ、あぶない!」


   ドン!


「跳ねちゃたわ!」


 あたしらは、あわてて外に出た。クルマの前にお爺ちゃんが、転げていた。


「ほぉ……」


「お爺ちゃん、起きないで救急車呼ぶから!」


「大丈夫じゃ……少しきいたが。わしは丈夫でな」


 お爺ちゃんは、杖で立ち上がると歩き出した。って、おい!


「見て、シズカ」


 え、お爺ちゃんの尻に尻尾が。

 あれは。


「タヌキ……」


「人に化けたタヌキよね……シズカ。はじめて見た」


「って、あんなのまだいたんだ。さすが、鎌倉。映画で、鎌倉って異界と……。金沢さん、今回のテーマは『異界鎌倉』で、いこう」


「でも……あっちの編集長納得するかなぁ」


「まあ適当にグルメとお土産記事入れとけば大丈夫なんじゃ」



 池袋。


「静ちゃーん。買ってきたよ。でも、タコパー行くのに。こんなにたこ焼き買わなくても」


「アヤ今、金沢、天野コンビから電話きた」

「ええ、久しぶりじゃないかしら」


「鎌倉に居るそうよ」

「大仏さんでも見に行ったのかな?」

「仕事よ。旅行雑誌作ってんだから」

「そうね」


「で、さ。コラボしないかって」

「コラボ?」

「また、一緒に旅したいんじゃない。うまくいけば旅費はむこうもちだよ。明日の夜に話をする予定」


「でも、人間が一緒だとヘビヅカヤへは泊まれないよね。伊東か熱海のヘビヅカヤは、温泉だって聞いたわよ」


「そう聞いたね。蛇骨の娘だっけ? なら、その先で、おちあえばいいんじゃ」


               つづく

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ