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カッパの襲撃

34話 カッパの襲撃


 なんで、カッパが静ちゃんを。


「静、あんた昔にカッパにうらまれるようなコトしたんじゃないか」


「そんなコトしたおぼえはないわよ醜女。だいいち関東、東北ならともかく。縁もゆかりも無いわ、四国のカッパなんかに。それに、九州へも行ったことないし。四万十川って何処かも知らないわ。なんでカッパに狙われなきゃいけないの。情報集めてきてよ姐さん」


「そうだな。じゃちょっと行ってくるわ」


 と、一反姐さんは飛びたった。


「四万十川って、どの辺かしら……」


 静ちゃんはスマホで調べだした。


「まだ、先ね。でも、あたしたちが行く方向にあるわ。向こうから来るなら、ドコかで出くわすかもね。クルマ来ないねぇ……」

「時間も時間だしね……あれ、見て静ちゃん。お遍路さんが前を歩いてる」

「変ね、こんな夜更けに……あかりも持ってない」


 そうだね。わたしたちみたいな妖怪目なら明かりはいらないだろうから。


「静、わかるか? 後方に気配を感じる」


「うん、ソレもひとりやふたりじゃない七、八……」


 前方のお遍路さんが、靴ひもでもむすんでるのか、うずくまってる。


 わたしたちは近づき。


「どうかされました?」


 お遍路さんは、持っていた杖が、抜き刃で斬りつけてきた。


「さすがだな。オレの居合斬りをかわすとは」


「なんだ、オマエはそんな仕込みを使うとは……漫画か?」


「漫画? 意味わかんねぇ……。命はとらねぇ」


 と、言いながらお遍路さんがわたしたちに斬り込んで来た。


 カーン


 裏アヤが道に落ちていたバールのようなもので、お遍路さんの刀を受け止めた。


 そのときに静ちゃんの髪が槍のように伸び、お遍路さんの竹笠を飛ばした。


「やっぱり」


 お遍路さんの顔は月明かりで見えた。


「カッパだ。静ちゃん」


「ほれほれほれほれ!」


 裏アヤがわたしの顔と入れ代わりバールのようなものを刀のように振り回しお遍路カッパを攻めた。


 カンカンカンカン


「なんだオマエは、やるじゃないか」

「あんた、弱いね。手加減してるんだけど」


「くっ、皆出あえ!」


「カァカカカー」


 わたしたちをつけていた。連中だ、闇の中から現れた。

 やはりカッパのようだ。


「クカァアー」


 二匹のカッパが、静ちゃんの髪にからまれ逆さまに。 


「ホラ、頭の水は全部出しちゃうよ」


「クカァアー」


「やめろ、水がこぼれるぅ!」


 水を出されたカッパは、投げられてまた別のカッパが捕まり。


「ホラ、あんたも。くらえ昇龍拳!」


 裏アヤはお遍路カッパのアゴをバールのようなもので叩き上げた。


 アヤ、ソレ昇龍拳じゃないよ。


 空中に舞い上がったお遍路カッパは頭から落ち皿の水が出た。


「うきゅう……手強い。皆、いったんひくぞ!」


「カッパの弱点はわかりやすいね。アヤ、十くらい居たかな。みんな逆さ吊りにしてやった。さすがのカッパの怪力も発揮出来なかったね」


「私らをあなどったね連中ケケケケケケ。んーしかし都合よくこんな物が落ちていたなぁ。まあなくても勝てたけどね」


 ホントにカッパが襲撃してきた。


 夜が明けて、コンビニを見つけたわたしたちは駐車場でクルマに乗せてもらえた。


 四万十市まで乗せてもらう。


 静ちゃんが四万十川にこちらから乗り込んで、はなしをつけると。


 理不尽に襲撃されるも困る。


「ホントは、困りはしない。いい運動になる。なあ静」


「暴力反対よ。ね、静ちゃん」


「アヤ、2対1だ。静も楽しんでる」


「コラ醜女、いい加減なコト言うな。わたしも暴力反対だ。だから、はなしに行く」


 四万十市


「大きな川だな。ドコに居るんだろう」


「あ、いたいた」


 昼間っから一反姐さんが。

 誰か乗せてる。


「川姫じゃないか」


「あんたらまだ四国に居たのね」

「まわり道をしてね。四国八十八ヶ所巡りでもしようかなと……ウソだけど。なんで、川姫が一反姐さんと」


「それは私から……九州に戻り、カッパに会い色々聞いたんだが、四国のことはわからんと。四国なら、全川を仕切ってる川姫に聞けと言われて川姫のトコに。したら」


「先に言うがあたしは四国の川を仕切ってないから。カッパとなんだかあったらしいね。あんたら」


「いや、なにもない。ないのにカッパの方から……だからカッパに、はなしをつけに行く。で、四万十川に来たんだ。川姫、カッパはドコに?」


「その辺にいるんじゃないの。まあ真っ昼間だから顔は出さないだろうけど……」


 そう言って川姫は川を覗いて、顔を川の中に。


「ちょっと待て。伝言を頼んだ。四万十の頭が来る」

「頭? カッパの」


「ああ。ホラ来た」


               つづく

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