表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/14

部員紹介

翌日、小早川さんに言って見学させてもらうことにした。

現在部員3名で部活と言うよりサークルが正しいらしい。

「おいアル、マウスとかって持ってきたか?」

「今回はプレーする気ないから持ってきてない」

「そうかい」

リュウはプレーする気もあるようでマウスとキーボードその他諸々をカバンに入れているようだった。

「そのアルって何なの?」

前で案内している小早川さんから質問される。

「こいつの名前鈴木有作だろ?名前の有と苗字の鈴をもじってアルベルってのがこいつのゲーム内の名前なんだよ」

「おい恥ずかしいからやめろって」

なんか現実でネットの世界の名前を説明されるとちょっと恥ずかしい。何故だかは知らんけど。

リュウのニヤついた顔を見る限り確信犯だろう。こういう時に現実の呼ばれ方とネットの呼ばれ方が一致している奴は強い。


「着いたよ」

案内された先はパソコン室だった。まだ同好会なため部室はないらしい。

「こんにちは部長」

「おー連れてきてくれたのハルカーー!!!ぎゅー」

「いたい…いたいです…」

部長と呼ばれた人物は小早川さんに抱き着く。

制服を見る限り3年生の先輩らしい。

「来てくれてありがとー」

そう歓迎してくれる先輩は平均的な身長の小早川さんと比べると背が高く気さくな雰囲気を感じられた。

「取りあえず今いる人紹介するね!」

小早川さんの拘束を解きつつ、紹介を始める。

「まず私がこの部の部長をしている日木直美ニキナオミ3年生です。よろしく」

彼女が頭を下げたのに合わせこちらもよろしくお願いしますと言い頭を下げる。

「んで君たちがご存じの通り、同級生の小早川遥2年生でしょ」

こちらと目が合った小早川さんは無言で軽く頭を下げる。

「そして最後に」

そう言ってナオミ先輩はパソコン室の奥に進む。

パソコン室の奥ではヘッドセットを付けて動画を見ている少女がいた。

ヘッドセットにより外の音が聞こえず俺たちの来訪に気付いていないようだ。

ナオミ先輩はその少女の肩をバンと強めに叩く

「わあああぁぁぁぁあ!」

「んでこれが井上結イノウエユイ一年生ね」

「ちょっとナオミ先輩脅かさないでくださいよ!」

「今日は人が見学に来るって伝えなかったかにゃー?」

「それと脅かしてくるのは別じゃないですか!」

井上さんはこちらに気付くと軽く会釈して、すぐに目を逸らす。

社交的なナオミ先輩、小早川さんと違い井上さんは内気な印象を受ける。

「それで今回見学に来てくれた二人は」

ナオミ先輩の催促を受け小早川さんが一歩前に出て俺たちの紹介を始める。

「こっちの体格がいい方が藤井竜也フジイリュウヤ君、前は野球部にいたみたい」

「うっすよろしくお願いします」

「それでこちらが鈴木有作スズキユウサク君、アルベルってゲーム内の名前があるみたい」

「ちょっと恥ずかしいからやめて」

ネットの名前をリアルに出されると恥ずかしいという感覚が無いのならいいが、彼女のしたり顔を見る限り、わざとだ。

話したことない時は冷たい印象を持っていたが意外と茶目っ気がある人らしい。

「アルベル君ねよろしく」

「アルベルは恥ずかしいんでせめてアルでお願いします…」

「まぁそうだよね」

軽く笑いながらナオミ先輩は今日の活動を始める。

「じゃあ今日もATGの基本的なルールについて教えていくね。見学の人たちは退屈な内容かもしれないけど口挟みたかったらどんどん挟んで大丈夫だよ!」

「プレーはしないんですか」

「そもそもパソコン室にはATGのゲーム入れられないから今はプレー出来ないんだよね」

結局リュウがマウスやらキーボードを持ってきたのは意味がなかったようだ。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ