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第六話   主席と三位

エリスはフエベス王国5大貴族であるハーデンス家の令嬢である。

彼女は幼いころから英才教育を受け、魔力量も国の平均値である5千を大きく上回っていた。

さらに彼女は戦闘センスがあり、近しい年ごろには手合わせできるちょうどいい相手など

存在しなかった。


そんな彼女は学園の試験で、自分より小柄な少年が自分よりも高度な魔法を放ったのを見た。


試験が終わって2日経つ今でも、彼女の頭の中にはあの少年のことしかない。


(彼は絶対に合格するだろうから、学園に入ったら絶対に話しかけてやる・・・)

と人見知りなエリスは心に決めたのだった。


一方、ゴウキは合格発表までの時間でクエストをこなしていた。

数多くのクエストをこなしていたゴウキは、Eランクに昇格していた。


そして今は「東の森」でオーク討伐の真っ最中である。


「てりゃぁ!」ゴウキは一振りでオークの首を切断した。

それを見ていたほかのオークたちは怯み、その隙にゴウキは残りのオークに剣を向ける。

オークたちはゴウキのスピードに対応できるわけもなく、全滅した。


「ふう、いい運動になったな」と満足そうにゴウキは呟く。


ギルドにオークの首を持って帰り、銀貨10枚をゲットした。


白鳥亭に戻って、ゴウキは考え事をしていた。

(明日はいよいよ合格発表だ。手を抜きすぎて落ちてないといいけど・・・)


―そして翌日―

合格者の名前が掲載される掲示板は午前9時から午後6時まで閲覧できる。

ゴウキは混雑を避けるためにギリギリの午後5時に向かうことにした。


町は学園の入試の話で持ちきりだった。


「おい聞いたかい?首席で合格したのは5大貴族の令嬢らしいぞ」

「ああ、学園を代表して入学式で式辞を述べるなんて、すげー緊張感だろうな」

と待ちゆく人が話しているのをゴウキは聞いた。


(式辞なんて面倒だし、主席の人はかわいそうだ)とゴウキはこっそり主席を慰めた。


エリスは10時に学園に結果を見に来た。

(まあ、当然受かってるでしょうけど?首席でね!)



                    入試結果

             主席   エリス・ハーデンス

             次席   リズ・フィンラル

             3位   ゴウキ・カインズ


その予想通り、エリスは首席で合格した。

にもかかわらず、エリスの心は晴れなかった。


その7時間後、ゴウキは学園に結果を見に来ていた。

(3位かー。もう少し下だとよかったんだけど。これだと少し目立っちゃうな)

と自分の成績にケチをつけてゴウキは学生寮の申し込みに向かった。


必要な手続きをすべて終え、ゴウキは白鳥亭での最後の夕食を食べていた。

「合格したんだって?おめでとう」とおかみさんがゴウキに称賛を送る。

「ありがとうございます!おかげで学園に通えます」

「ああ、学園でも頑張るんだよ?」

「はい!」

たわいのない会話を終えてゴウキは床に就いた。



エリスはベッドの中で改めて決意していた。

「よし、明日は絶対あの子に話しかけよう!」


しかし人見知りのエリスには1週間もかかるのだった。

次回から波乱の学園生活です!

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