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第四話   準備

フエベス国立学園の入試前日。


ゴウキは武器屋にいた。


「安くて使いやすい双剣を探しているのですが・・・」ゴウキは店主に尋ねる。

「兄ちゃん双剣使いなのか!んーそうだな。これなんてどうだ?銅貨30枚でいいぜ」と店主がいうと、

「本当ですか?これにします!ありがとうございます!」ゴウキは嬉しそうに言う。

「まいど!ところで兄ちゃん、その双剣はいったい何に使うんだ?」

「実は、明日の学園の入試で使う予定なんです」

「兄ちゃんは学園の受験生だったか。がんばれよ!この町を守ってくれる人間が増えるのは本望だ!」

「はい、がんばります!」


そういってゴウキは店を後にした。


学園の入試には、武器の持ち込みが認められている。入試は筆記試験と実技試験があり、さらに実技試験は体術・剣術と魔術の2つに分かれている。このすべてで合格点をとらないと学園には入ることができない。


ゴウキは剣術の試験で双剣を使う予定だ。


最後の調整もかねて、ゴウキはギルドで依頼を受けることにした。


「今のランクはFだから・・・。お、これいいじゃん!」とゴウキは近隣のゴブリン退治を受注した。


ギルドのランクはFからSまであり、現在Sランクは3人である。


王都との西にある通称「西の森」にゴウキはいた。

「討伐必須数は3体か。適当に倒して早く帰るか―」


そういってしばらく森を歩いていると、大きめのゴブリンが5体出てきた。

(5体は面倒だけど、ついでだし狩っとくか)と心で思いながらゴウキは戦闘を始めた。


「ファイアーボール!エイト!」

そういうと、4匹のゴブリンに2つずつファイアーボール(威力が高すぎてもはやフレアボール)が飛び、あっという間に残り一体となった。


剣の練習もしたいと思っていたゴウキは双剣を手に取り、残りのゴブリンに向かう。


まっすぐ向かってきたゴウキに対し、ゴブリンは持っていた棍棒をふるった。それは間違いなく命中した、ように見えたが実際は虚空を切っただけであり、ゴブリンがひるんでいるすきにゴウキは背後から綺麗に首を落とした。


「ふう、なまってなくて安心、安心」


ゴウキが使った技は「残像歩」で、緩急をうまく使い分けて幻影を見せるという技である。

実際にこの技ができるのは王国でも数えるほどだ。


ゴウキはギルドに戻って、討伐を確認するためのゴブリンの耳を5つ出した。

「ゴブリンの討伐完了しました!」

「はい、お疲れ様です!今回の報酬を用意するので少し待っていてください。」


待つこと五分、受付の獣人お姉さんが慌てた様子でやってきた。


「ゴウキ君!ギルマスが呼んでるからこっちに来てくれる?」

「え、ライゼさんが?どうして?」

「いいから来てください!」

「わ、わかりました」

そういうとゴウキは渋々お姉さんの後をついていった。


「ようゴウキ!久しぶりだな。」部屋に入ると元気な声でライゼが迎えてくれた。

「お久しぶりです。それでいったい何の御用ですか?」

「あー、お前が持ってきたゴブリンのことなんだが。」

ゴウキには何を言いたいのかさっぱりわからなかった。

「お前が狩ったのは、ハイゴブリンなんだよ。」

「え!?あんなに弱いのがハイゴブリンなんですか!?」

「弱いってお前、ハイゴブリン五体の討伐はC~Bランクの依頼だぞ?」

「そうだったんですか」ゴウキは自分が何かやばいことをしたと、薄々気づいていた。

「まあいい。お前はエリートだ。これくらいなんてことないか!あっはっは。」


高らかな笑い声を背に、報酬の銀貨60枚をもらってゴウキはギルドを後にした。


その夜、ゴウキは試験について考えていた。

(実技は問題ないが、筆記は大丈夫だろうか。)

他にも入学後のことや寮での生活のことを考えているうちにゴウキは眠りについた。


フエベス国立学園入試当日。

学園の正門にたくさんの受験生が入っていく。応援の保護者の数も多い。

そんな中、ゴウキは深呼吸をして気持ちを整えていた。


(いよいよだ。がんばるぞ!)


そう強い気持ちを胸に、ゴウキは試験会場に入った。

次回からいよいよ入試です!

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