第一話 エリート階級の誕生
フエベス王国アーラ領アーラ村、ここに歴史的にみても天才といえる少年がいた。
彼の名はゴウキ・カインズ。齢12にして階級はエリートである。
階級とは、人間国に住む者に共通して与えられる強さの指標であり、上の位から順に
エリート・アッパー・コモン・スレイブの4つに分類される。庶民であれば大抵はコモンであり、
貴族でもアッパーに分類される者は数少ない。
にもかかわらず、ゴウキは平民の出でありながらすでにエリートの地位を獲得している。
この早さでエリートになったのは人間国史上2人目のことだ。
そして今、エリート昇格を果たしてゴウキは家に帰ったところである。
「父上、母上、エリートへの昇級試験に合格いたしました。」
「おお、ゴウキ!お前ならできると信じていたぞ!」とゴウキの父親であるケニーが答える。
「よかったですね。これでこの王国では最強じゃないかしら。うふふ。」と嬉しそうに母メリッサも答えた。
両親は普通の平民であるのに対して、ゴウキは見た目からして普通ではない。
まず、赤と緑のオッドアイ。そして青と黄のオッドヘア。人前に出るときは魔法で目立たなくしているが、家にいるときは自然体なのである。
「・・・やはり、その目と髪は選ばれしものの証なのか?」
「どうなんでしょうね。わたくしの周りにもゴウちゃんのような目と髪を持つ者はいませんでしたので。」ゴウキの前で夫婦のたわいもない会話が行われる。
俺はこの目と髪が嫌いだ。小さい頃は(今も小さいが)これらのせいでよくいじめられていたからだ。
「・・・父上、母上。明朝にフエベス国立学園に出立したいのですが。」
「そうか。・・・わかった。お前ももう立派な男だ。好きなように生きなさい。」
「あなたがそう言うなら、私も止めはしませんわ。ふふ。」
「父上!母上!ありがとうございます!」
―明朝―
いよいよ出立の時が来た。
ゴウキは、アーラ村から王都行きへの馬車に同行させてもらう予定だ。
「それでは父上、母上。行ってまいります。」
「行っておいで。いつでもこの村で待っているからね。」
こうして王都での新生活が幕を開けた。
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