理想の人生
理想の人生
小さいころから、かわいいと言われ
めっちゃかわいいって、みんなに言われ
言い寄ってくる男子は多数
でもマンガ描きが好きでオタクなあたし
男子よりマンガ描きに夢中
小中学校では、同じマンガ描くのが好きな女子と毎日マンガを描いていた
高校生になると、本格的にマンガを描きはじめる
そしてマンガクラブのメンバーとコミケ出展を目指すことに…
コミケに出ると、たまたま来ていた芸能プロダクションの社長にスカウトされて
すぐにアイドルとしてデビューすることになる
デビューと同時に人気爆発
今度は歌とダンスに夢中
でも人気絶頂の23歳で引退
理由は、実業家でカッコよくて誠実で真面目な彼と出会い、結婚するため
男の子と女の子の2人の子供を授かり
今度は子育てに夢中
毎日全力で子育てに没頭
下の娘が小学校に入学し、子育てが一段落するころ、少し時間に余裕ができたからブログを立ち上げ、子育てマンガを連載
爆発的にアクセス数が伸び、すぐに書籍化されることに
アニメ化し映画にもなって
そしてその後も創作マンガを発表
どの作品もヒットし、元アイドルというより、女流マンガ家として名をはせる
子供達が高校に上がるころ、私の原作マンガがアニメ映画になるので、監督をやってみないか?と誘いをうける
アニメ映画は大ヒットし、過去の興行成績を塗り替え、世界中で上映される
長男は旦那の会社を継ぎ、2代目の社長になる
娘はいつのまにか小説をネットにアップしていて、その作品が過去のアクセス数を塗り替えたことがきっかけになり、小説家になる
あたしは50を過ぎたころ、第1線から引退
セミリタイア生活をする
リゾート地で暮らし、たまに短編などを執筆
今日は久しぶりに家族がそろう
子供達は二人とも結婚し、あたしは孫たちにかこまれて
「おばあちゃん、またお絵描きして!」
流行りのキャラを描くのに苦戦しながら、孫たちの描く絵に感心しているあたし
「そんな人生がいいなって思うのよ」
学校帰りに制服のまま近くのカフェに寄り、コミケの応募用紙に記入しているアケミにそう言うと、間髪入れず言い返された
「アンタ、ばっかじゃないの?」
つづく