死線を超えて
こういうゲームやりたい。という願望を形にしました。
よければお付き合いください。
連載投稿のやりかたがよくわかんなかったので失敗してたらゴメンナサイ。
「……クッソ」
視界が霞んでいく。
身体が思うように動かない。立ち上がろうとしても膝に力が入らないので最早どうしようもない。
痛みを感じないのが唯一の救いだろうか。
ガリガリと石の床を擦る音が近づいてくる。
あまり聞きたい音ではないが、耳に飛び込んでくる以上は仕方がない。
フラつく頭を押さえながら顔を見上げると、近づいてきた相手の姿がだんだんと見えるようになってきた。
それは木や石などを寄せ集めて作られたような人型の化け物だった。
よくよく見てみると木や石はボロボロながらも整えられているのがわかった。もともとは何かしらの建材だったのかもしれない。
そんな“瓦礫の人形”が革製の胸当てと兜を被り、兵士ような姿をとっていた。
高さは自分の背丈から考えて2メートルほどと思われる。その手にあたる部分には長く太い角材だったと思われるものが握られていた。
長さは片手で振り回せるほど。身体部分同様に多少の劣化があるようだが、殴られてダメージがあるのは先刻実証済みである。
明確なまでの攻撃の意思をもって“瓦礫の兵士”はゆっくりとこちらに近づいてくる。
逃げたい。しかし、逃げることはできずにいる。
ひとりでこんなところに来たのがそもそもの悪手だった。
どうとでもなるなどという軽い気持ちで挑むべきではなかった。
今更反省したところでこの状況がひっくり返るわけでもない。これはただの逃避にすぎない。
頭が理解していても身体が動かないので、結局は思考を巡らせることしかできることがないのだ。
……今できることは目を閉じて覚悟を決めることだけだった。
――ブォン。
手に持った木材が振り下ろされる音が聞こえる。
それと同時に頭部に衝撃が走り、オレの身体は今度こそ完全に崩れ落ちた。
僅かに息が漏れ、ただでさえボヤけた視界が暗くなっていく。
これが死ぬという感覚なのだろうかと下らない思考がよぎり、馬鹿馬鹿しくなって乾いた笑いがこみあげてくる。
そして、完全に沈黙した。
【パーティーメンバーが全滅しました。10秒後に指定された拠点に帰還します】