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白龍姫と黒龍王が...結婚??!!

 初めまして、みなさん。僕はリクトと申します。

僕が住んでいるのは、【白龍の里】と呼ばれるところで、その地名の通り、ここには数多くの白龍がひっそりと暮らしています。

え?僕も白龍なのかって?

うーん。大変申し上げにくいんですが、僕は白龍でも、ましてや龍でもないんですよ。僕は、れっきとした人間です。人間なんです。

僕以外の人間はただの一人もいません。まあ、この時代ではよくあるのですが、僕は孤児、というよりは捨てられた、と表現したほうがいいのでしょうか。自分でもよくはわからないんですが、どうやら僕は、白龍姫はくりゅうきであらせられる≪オリヴィエ・ブラーナ≫様に、拾われたのです。当時、僕はまだ赤子で、彼女によって発見されましたが、彼女の護衛の一人が僕を見て、すぐさま人間だと気づきました。

 人間がこの地に踏み入れてはならない、という掟があるにもかかわらず、赤子だった僕ですら白龍の領地に侵入していたのです。が、僕を見たオリヴィエ様は、「私がこの子を育てます。」と仰られたのです。

その言葉を聞いた護衛の人、いえ、龍が驚きました。

それもそのはず、龍は()()()()()()()()()()()()()()のですから。

 

 里に帰ってこのことを伝えると、それはもう反対だという声が続けざまに聞こえてくるのです。

ですが、当時のオリヴィエ様は一度自分で決めたことはやり通すという、頑固なのか石頭なのかはわかりませんが、とにかくオリヴィエ様は育てるの一点張り。どんなに罵声を浴びられようともぴくりとも反論しない姫様に、里の龍達は次第に反対するとは言わなくなりました。


 そのご恩を返すために、僕はこの【白龍の里】で、彼女の執事として、日々を過ごしています。

僕は今、16になりましたが、万にも等しい寿命を龍にとって、ぼくらはまだ赤子のようです。

この16年間、オリヴィエ様のために尽くしてきた僕の姿を見て、里の龍達は僕を家族として歓迎してくれました。のですが、オリヴィエ様からは早くあなたの伴侶となる人を見つけなさいと、うるさいのです。


 まあ、龍からしてみれば、僕人間の寿命なんて一瞬で朽ちるのですから、多少は躍起になるのも無理はありません。けれど、僕からしてみれば大きなお世話なのです。


 ある日、何気ない日々をのんびりと過ごす僕らの前に突如、黒く大きい影がこの里に降りて来ました。

その影の正体は『黒龍』と呼ばれる、彼ら白龍とは対をなす存在で、白龍は黒龍のことを野蛮だと言い、また黒龍も白龍のことを臆病者と罵るほど、非常に仲が悪いのです。


 「おい、白龍姫を呼んで来い。話がある。」

いきなり姫様を呼び出すとはなんて無礼なのでしょうこのトカゲは。...ゴホンッ、失礼、黒龍は。

とりあえず、姫様を呼び出すわけにはいかないので、僕が話を聞いてあげることにしましょうか。

(超がつくほどめんどくさいけど。)

「あのぅ、黒龍の貴方が、いったい姫様にどんなご用件でしょうか?」

とりあえず、会話をしよう。それで何も返答しなかったら里の龍全員でかかろうかな。あと僕も。

「ふん、...ん?貴様......人間だな?なぜ人間がここにいる!?」

(うわっ、いきなりめんどくさいのがきちゃったなぁ。)

「それは後で話すとして、姫様はこの白龍の里における重要なお方です。大変申し訳ありませんが、きちんと使いの者を寄越してから日を改めてくださいませ。」

(とりあえず何の用もないならさっさと帰れ!その体をもっと黒焦げにすんぞ。)

「...ん?あれ、おかしいなぁ。おい、どういうことだ!話が違うではないか。説明しろ、()()()()!」

そういうと、あの黒龍の背中から降りてきたのは黒髪に碧眼、見るからに僕と同じ人間のようだが、果たして、彼女はいったい?


 「いえいえ、私はただ貴方が颯爽と行けば白龍の姫様に会えるのでは?と申し上げましたが。」

「こんの女狐めが!この我を、()()()()()()()()()()()()()()と知っておきながら、我に嘘を誑かすとは!なんたる侮辱!!やはり食うべきであっt...」

「そんなことよりも、まずはこの状況より先へと進まねば、姫様には会えませんよ?」

話を遮られた上に、目的を見失わせないことで自分が食われずに済んでいる。この女、できる!


 どう思ったのもつかの間、その女性がこちらへ近づき、「うちのバカ龍王が皆様に多大な迷惑をおかけいたしまして、誠に申し訳ありません。」と、謝罪した。これには里のみんなも、戸惑っている。

「......ふん!先ほど述べたが、あえてもう一度、我が黒龍王アウル・シュヴェーリアである。............その、なんだ。お前たちには迷惑をかけたようだな。うちの召使いが貴様たちに迷惑をかけたのでな。こいつの主として、先に謝っておこう。」

((((迷惑をかけたのはお前のほうじゃい!!!!))))


 そうこうしているうちに、姫様がこちらに駆け寄ってきました。

「みなさん。いったい何ごとで...す」

な、なんだかやばいことになってきました。姫様から放たれるオーラが尋常じゃない!

と、と、と、とりあえず、姫様を落ち着かせなくては!!!

「おお!やっと来てくれたか。ずっとお前を待っていた。」

や、やばい!

こっちもこっちで黒いオーラが放たれてる!こ、このままでは......

「アウル様アァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」

な、なんだ?いきなり姫様が抱き...つい.........て。

「「「「はあああああああああああああああ!!!!????」」」」

「は、離せ!離さんか!この白龍のメスがぁぁ!!!」

「いいえ!いいえ!!もう会えないと思っておりました!やっと、やっと迎えに、私を花嫁として認めてくれたのですね!!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?

「「「「ええええええええええええええええええええええええええええ!!!???」」」」

その日、僕たちは夢でも見ているのかと思いました...ってあんたもかい!!!

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