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独り言  作者: 狐
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3

「三次会行くよね〜?」

え???

えっとぉー、今…23時57分。

今なら終電に充分間に合う。

それに、朝方にかけて台風来るってニュース知ってる???それなのに三次会?何考えてんだろ…それに乗ろうとする私も私だけど。

「三次会かぁ〜、いいですねぇ!どこ行くんです?? 」

「こいつん家」

指名されたのは集まってる中でも一番年下の子。でもその子めちゃめちゃ忙しくて大変な仕事してるの皆知ってるのに…何故ならこの子を励ますための集まりでもあるから。

「え〜、いいんですかぁ?……寝まなくて大丈夫?」

前半は三次会だぁって盛り上がってる人に、後半は押しかけられそうになってる子にそっと聞いてみる。

「大丈夫だって!ほら、こいつん家でWiiしようって話してんの!」

「うん、大丈夫ですよ。どうせ皆来るし、どうですか?」

おぉ、心配したんだけど逆にお誘いされてしまった…どうするよ。

とりあえず男性陣がコントローラーがどうのとか話してドンキに向かってる間に、女性陣にアタック。

「どうします?」

「私は行くよー!Wiiやりたーーーい!」

「私は…家近いんで、とりあえず行って適当なとこで帰るかなぁ」

…なるほど。ここでもテンション違うなぁ。

あ、ヤバイ!悩んでる間に終電の時間も迫ってきてるし雨も降ってきた!

「終電あるなら帰った方がいいよ?明日の朝帰れなくなったらホント大変だからさ」

気づかってくれる。でもなぁ、心はWiiに傾いてる。うーーーーーん…もういいや、悩むの面倒!行っちゃえ!

「せっかくここまで居たんだから行きます!」

ここでハシャがなきゃどこでハシャぐんだ!私だってストレス発散目的で来てるんだし、皆行くし、最後まで楽しも!

本気でコントローラーを買ってきた男性陣と合流して、総勢7人でタクシーに分乗して20分程移動する。

「少し片付けたいから15分位待ってくれる?」

「あいよ〜。」

「いいよ〜、コンビニで何か買ってく〜!」「何欲しい?」

「んー、味噌汁飲みたいな。」

「具は?」

「んー、なめこ。」

「おっけー、じゃあまた後でね〜!」

コンビニでそれぞれ好きな物を物色。

男性陣はカップラーメンとかおにぎり買ってるなぁ。女性陣は…

「味噌汁、この人数で食べるんなら作った方早いよねぇ〜」

「でも、お椀とかあるかな?」

リクエストの味噌汁について協議するけど、一人暮らしの部屋に7人分の食器があるとは思えない。

「あぁそうだね〜、じゃあカップでいっかぁ〜!」

てことでカップのなめこ汁を籠へ。

私は…豚汁と暖かいお茶にする。

買い物を終えて、Wii会会場へ。

「開〜け〜て〜!!」

ちょ、ここ普通のマンション!他の住人から苦情来る!

内心焦るけど、酔っぱらいの集団は気にする気配も見せず大声で話しながらドカドカと開いた扉を抜けていく…

「あー、うるさくてごめんね?」

こっそり謝ってみるけど

「大丈夫っしょ」

後で怒られそうな子が飄々としてる。この子も酔ってるのか…じゃあ私も気にしない!長いものに巻かれるタイプの私は流されることに決めた。

いざ、Wii大会!

先程ドンキで買ってきたコントローラーを接続しようと試みるんだけど…ネット接続してないから無理だということが判明、ちーーーん。

おーーーーーーーーーい、買う前に接続できるかどうか位確認するだろ普通!とツッコミそうになったけど…酔っぱらいにツッコんでもな…と放置することにした。

で、元々あったコントローラーで皆で順番で遊ぶ。

私も遊ばせてもらうけど…え、このボタン押せばいいの?これは何の機能?画面に沢山キャラクターいるけど、どれ見ればいいの?!え、何コイツ、何か投げてくるんだけど!ぎゃー、やめてよぉ〜!!

訳が分からないまま終了。普段全然ゲームなんかしないからなぁ…地味に凹む。

周りからは見なかったことにされてる感が更に…辛い。下手くそーとか言えるレベルじゃないっていうのは分かるんだけど…せめて可哀想なものを見る目、止めてほしい。

まぁ私のことは置いておいて、皆で盛り上がって。

「はい、撮るよー!!」

楽しそうな画像が飲み会メッセンジャーに届く。かなり遅い時間なのに帰宅組からも

「あー楽しそー!」

「いいなぁ、羨ましい〜」

「朝まで頑張って!」

等コメントがつく。皆、せっかく帰ったのに寝ないの?

買ってきたアルコールもあらかた飲み尽くして。

「あー、俺カップラーメン食いてぇ」

「あ、俺も!」

「いいなぁ〜、俺もカップラーメン食いたいな」

いやいや、君のリクエストは味噌汁だったから。

てことで鍋でお湯を沸かして、お玉でそれぞれのカップに注いでいく。

「「「「ありがとー!」」」」

ゲームをしつつ小腹も満たし、一人、また一人と落ちていく。…女性陣はソファ使わせてもらおうって話してたのに、何故かわざわざ男性陣の間に移動して眠ってしまった。男性の方が体温高いし温かそうだよね…んんんんんんー、ま、いっか。自己責任だしこのメンバーで何も起きるはずないしね。そういう安心感があるから彼女も移動したんだろうし。ほっとこ。

ゲームに飽きたのか、出てきてのはトランプ。オーソドックスなこれなら私でも参加できる!てことで、起きている四人で大富豪。

「あー、パス」

「ここで革命???!」

「マジかよー!」

「ないわー」

「あっがり、大富豪♪」

何故かWiiよりも盛り上がった気がする…私がWiiの楽しさにのれなかっただけかもしれないけど。

3回やって、大貧民と貧民は罰ゲームでコンビニに買出しへ。私はもれなく罰ゲーム組み。でも貧民だもん、大貧民には勝ったんだから!

「俺カップラーメン食いたい!」

「俺甘いもん〜」

はいはい。部屋を出ると、雨が降っていた。

「わぁー、降ってるねぇ」

「うん、まぁこれ位なら帰れそうだよね」

「そうだね、良かった〜」

最寄りのコンビニへ。あ、中華まんやってる!寒いしこれにしよ。と思ったんだけど…

「5時15分からです。」

店員さんの無情な返答。ただいま4時56分。後20分。待てないーーーーーーーー!

がっかりしながら部屋へ戻る。

「「ただいまぁ」」

「おぅ」

「おかえりなさーい」

「カップラーメン〜♪」

寝てたはずの女性陣も起き出していて、何やらスマホを見せてはもだもだ言っている。

「なんですか?」

「これ、この前送られてきたんだけどぉ」

「ん?…わぁ〜。ご愁傷様ですぅ」

「もう、どうしたらいいのこれー!」

「そういうのはほっとくしかないよ。万人受けするもんじゃないし、それを求めるのは無理がある。」

「そうだけどさー!」

「あれ、それカップラーメン2個目?」

「うん!」

「ちっちゃいの2個食うんならデカいの1個でいいじゃん!」

「そうなんだけど〜、でも私ちっちゃいのだからイケるんだなぁ」

「台風大丈夫そうで良かったね。」

「うん、帰れそうだよ〜」

「雨は降ってるけどねぇ」

「あ、そうなんだ?」

「うん、さっきコンビニ行ったら結構肌寒かったなぁ」

オール明けのいつもながらの気だるいテンションでカップラーメンを啜り、お茶を飲み。

「そろそろ帰りますか」

「「「はーい」」」

「お邪魔しました〜」

「ゆっくり休んでね〜」

「寝れるの?今日は休み?」

「うん、1時に用事あるけどそれまで寝る。」

「そっか、ゆっくり寝てねー!」

「うん。気をつけて帰ってね!」

「ありがとう〜」

雨は降っているけれど、風はほとんど吹いていない。台風が来るって話だったけど、進路逸れたかな?それとももう抜けたかな?

「あ、台風千葉の方に抜けたみたい。」

「そうなんだ、じゃあそろそろ雨も止むかな。」

「帰って寝た頃にはね〜」

「あー、残念ー!」

台風来るから帰った方がいいよ、って定番の文句。でも、今まで何があったことも無い。だから、台風が近づいている中の飲み会、その上オールなんてことも強行しちゃう訳だ。

あーぁ、帰って寝て起きたら台風一過で晴れてるのかなぁ。起きたら洗濯しよっかなぁ。

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