表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大罪人の異世界録~悪党が異世界に落ちたら~  作者: イリア・ブラッドマン
プロローグ
1/2

怒る神と落ちる自分

 金色に輝く街灯の中、夜道を只々帰る俺、三流大学卒業後、営業の仕事について何も変わったことのない生活を送っている、大学を卒業したが童貞は卒業していない、親はこの世を卒業した、要するに独身貴族というものである、この世の中に不平不満があるのであればサービス残業と消費税ぐらいであり、その他に不満は特になかった。


《カチ》


 携帯をつけると何やらニュースが流れている、内容は『酒旗夫婦殺人事件、ようやく胴体が見つかる、4年前に起こったあの惨殺事件の遺体の一部がようやく見つかった、警察は今後の捜査により一層力を入れていくだそうだ、専門家によると未だに事件に関する情報が胴体と生首だけしか判明していないのは極めて異常、だそうだ』


 酒旗夫婦殺人事件といえば、体をバラバラにして殺されたという殺人事件のことである、包丁で体をバラバラにされたらしく、未だに体の一部が見つかっていないらしい、まったく恐ろしいものだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 少々物騒なニュースを見たせいで少々気分が悪い、家に帰ると俺はさっさと寝ることにした、部屋の中はそんなに変わったことはなく、強いていうならば4年前ほどに壁紙を張り替えたのは記憶に新しい程度で、それ以外は特に珍しい物はない


「ああああ!!、やっばい、野菜が腐ってる!」


 寝ようと思うと部屋の中の野菜が腐っていた、実は冷蔵庫が満杯でダンボールに入れていたのだがそれが腐っていた、俺は野菜類を生ごみの袋に詰め込んだ、しかし腐乱臭がひどくとてもじゃないがこの家では寝られない。


「しゃあないな、、、家以外で寝るか」


 俺は家を出て周辺のホテルに泊まることにした、窓を開けっ放しにしたし、まあ明日には匂いも少しは消えているであろう。



 ホテルまでの道中は少し肌寒かった、やはり春ということもありまだ薄着で外に出るのは失敗だったらしい、家から10分ほど歩くとホテルが見えた


《キイイイイイイイイイイイイイイイイイ、、、ガシャン!!!》


 ホテルの前まで行くと俺は運転事故に巻き込まれた、体中がきしむ、息ができない、、、


「うわあああ、やべえっていまの!!」

「うわああ、悲惨だなあれ」


 周囲から薄っすらと声が聞こえてくる、よほど派手に轢かれたのであろうか、人だかりができてるようだ、、、俺の気はここで落ちてしまった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 白い世界、そこには真っ黒な羽の女性がくすくすと笑いながら立っている金色の髪の毛はするしと腰まで伸びて、白いドレスには金色の刺繍が施されている、まるで神様のようだ


「やあ、こんばんは、君?、死んだのは自覚があるかな?」


 突然話しかけられた、どうやら俺は死んだらしい、まあ車に惹かれた記憶があるし、そうなんだろうと受け入れるしか無かった


「はぁ、俺は天国いけますかね?」


 俺がそう言うと神様風の女性は笑っていた顔を急に引きつらせて、数歩後ろに下がった、その表情はまるで化物を見るかのようであり、彼女の顔には汗が出ている


「あんたが天国なんて行けるわけ無いでしょ!?、、、まあいい、あんたは異世界送りだ、地獄に送りたいところだけれども地獄は生憎満員だ、そしてお前が地獄に行けないのはこちらの不手際、こちらは謝罪としてお前に一つ能力を与えなければならない、、、不本意だがな」


 俺が一体何をしたというのであろうか、、、まあいい、最近流行りの異世界行き、まあ悪い気分はしない、どうせ行くなら地獄より異世界だ、未だ混乱しているが、目の前の女性に車に惹かれた事実はもはや混乱を抑えるほどの事実である。


「で、その能力なんですか?」

「それは異世界に落ちてからわかる、、コノッ」


 神様風の女性は唇を噛んで悔しそうにしている、そんなに俺を地獄に送りたかったのであろうか、、、


「じゃあ異世界に送ってください」

「わかった、、、転送!!」


 神様がそう言うと俺の足元が赤色に光り始めた、すると俺の体は重力に逆らって少し浮き、床から30cmほどまで浮いた


 そう言えば一つ、一つ心残りがあった、もしかしたら神様に言えばそれを処理してくれるのではないかと転送前に俺は神様にお願いをすることにした


「神様、一つ心残りが、、、聞いてくれませんか?」

「、、、なんだ」

「俺の家の冷蔵庫の中にある足と手と包丁、処理しおいてくれませんか」

「酒旗!!、、、あっちの世界で死ねば魂ごと消失する、早く死んでしまえ!!!!」

「ダメですか、、、まあ仕方がありませんね、、」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




====================================================================

 気が付くとそこは見知らぬ森のなかであった、、、


ーこうして神の不手際によって現代日本から異世界に殺人鬼が送り込まれた、そしてこれを起点に異世界では無数の屍を積みながら、たった1人の殺人鬼に翻弄されることになるのである。ー


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ