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6 夢見る乙女と俺の嫁


「乙女ロードってとこ、行きたい」


 とある夕食時、例によって例の如く、また嫁のわがままが始まった。


 しかも今回はどこで知ったのか、ヲタク女子の聖地に行きたいと騒ぎだした。


「いやだ。俺は絶対に行きたくない」


 おかずの肉じゃがをほおばりながら、俺は断固拒否する。


「明日休みでしょ。どうせあんたも暇なんだからエスコートしなさいよ」


 そりゃ予定はないが、何がどうあっても絶対に乙女ロードになど行きたくない。これは先日の映画館などとはわけが違う。行きたくない。何があろうと絶対に行きたくない。


 まず、乙女ロードとはなんなのかの説明をしよう。


 周知の通り、秋葉原がヲタクの聖地であるのはすでに常識レベルでもある。もともとは秋葉原もただの電気街だったのだが、ある時を境にヲタク向けの店舗が急増してからそういう進化を遂げた。それとはまた別にヲタクの女子を専門に集客を見込もうと、女性用コスプレグッズやBL系(ボーイズラブの略。綺麗な男の子同士の絡みがある)漫画などなど、いわゆる腐女子(ふじょし)と呼ばれる女性達が大好物のものばかりの店舗が立ち並ぶ通りがある。そこは池袋のとある一角なのだが、当然そこに集まるのは女性ばかり。たまに変わった趣向のカップルなどが一緒にいる事もあるらしいのだが、基本的に女の子だけが行く場所である。


「だって、そこに行けば女の子にとって叶わない夢はないと言われているんだもん。絶対行きたい。行きたい! 明日行きたい!」


 それは腐女子達にとって手に入らないものはない的な意味合いで叶わない夢はないと謳っているんだが、こいつは一体どこでそういう間違った情報を手に入れるのか。


「あのな、お前はさっぱりわかってないから教えてやるが、あそこはお前が行ってもなんにも楽しい事なんてないぞ。お前の夢がなんなのか知らんが、まず叶わない」

「そんなの行ってみなきゃわかんないでしょ。だいたいクズは行った事あるの?」

「あるわけねぇだろ」

「じゃあ決まりね。明日朝一番でしゅっぱーつ!」

「アホか。絶対に行かない」

「ダメ。絶対に行く」

「いやだ。行かん」

「行くの」

「行かん」

「行く」

「行かぶほぉっ!?」

「行くって言ってんでしょ!」


 最近あまり食らってなかったので忘れていたが、久々にどてっぱらにレオンの右足が飛んできた。テーブル下からの不意打ちはやめてもらいたい。俺は思わず口に含んでいたじゃがいもを全部噴出した。


「げほげっほ! おま、おま……ぐふ……、おまえ、飯食ってる時にケリはなしだろ!」

「あんたが頑固だから悪いんじゃない! 行くったら行くのよ!」

「い、いやだ……。行きたくないでござる! 絶対に行きたくないでござる!」

「あんた、それ、将来就活の時にも言うつもり?」


 なぜか知らんがこういうネタだけは通じるんだよなぁ、こいつ。


「っていうかなんでそんなに行きたくないのよ?」

「ちゃんと説明してやる。そこはな、いわゆるヲタク女子達が好んで行くところで、コスプレとかエロ漫画とかがあるだけなんだよ。そもそも男なんかを連れて行ったらお前が白い目で見られるんだぞ」

「え、エロ漫画……」

「そうだ。お前は清楚な育ちなんだろ。えっちぃのは嫌いですなんだろ。だったら尚更行かない方がいい」

「で、でも女の子がたくさん行ってるじゃない。別に、その……え、えっちなのはそういうのが好きな子もいるってだけでしょ。みんながみんな、そういうのを求めるとは限らないじゃない」


 そんな事は男の俺に言われてもわからんが、とにかく今回は譲れない。俺は行かない。断固拒否する。


「そんなに行きたいなら一人で行けって。本当に勘弁してくれ」

「むーっ」


 珍しく折れない俺の態度にレオンが膨れている。


「だいたいお前、なんで急にそんな場所の存在を知ったんだよ」

「淫乱売女から聞いたのよ」


 やっぱりな! 俺は九割九部九厘そうだと思っていた。あの人の趣向は短い付き合いだが、かなり把握してきていた。先日のラブリープラスの一件から徐々に露呈していたのだが、三上先輩はかなりの腐女子である事が判明した。ギャルゲーはもちろん、暇があればネットサーフィン、それからネトゲ、ラノベ、アニメ、同人誌など、かなり手広く触れている。たまに、会話の中でおもいっきり3ちゃん語(3ちゃんねるでよく使われるネット言葉)なども飛び出してくるくらいだからなあ。って、アレ? 俺も? ハハ、ないない。


「お前、三上先輩に何を言われたんだよ……」

「あの女、私を馬鹿にしたのよ! 乙女ロードの存在も知らないなんてやっぱり小学生なみの見聞しかないんですね、とか言って! で、私は知ってるわよって言い切っちゃったの。だから行っときたいの」


 三上先輩、余計な事を。


「大丈夫だレオン。大丈夫だから。三上先輩の見聞は偏ってるだけだから。お前はお前の信ずる道を行けばいいんだ。だから乙女ロードなんて行かなくていいんだ。な?」

「ダメ。行く。別に淫乱売女に張り合う為だけじゃない。興味があるもん」


 これはもうダメかもわからんね。


 コイツは一度興味を持つと、それにとことんだ。納得するまで諦めないだろう。どうしたもんか。


「じゃあこうしよう。俺は途中まで付き合ってやる。乙女ロードに着いたら、その先はお前一人で進んできてくれ。それくらいなら妥協してやる」

「ダメ。あんたも来るの」

「だからさっきも言ったけど、男の俺には行き辛いんだって」

「明日一回きりだから我慢しなさい」

「できません」

「むーっ、むーうっ!」


 レオンが顔を真っ赤にしながら更に膨れた。そんなフグみたいに膨れてもなあ……。


 と、その時レオンが何かいやらしい妙案にでも閃いたのか、突然表情を明るくして、立ち上がり歩き出した。


「……?」


 俺は不思議そうにその行動を見ていると、レオンのやつは俺のTSを持ってきて、勝ち誇った表情で言った。


「着いてきてくんなきゃ、あんたのコレ、データ消しちゃうから!」

「な、なに!?」


 レオンはTSに挿入されているラブリープラスを起動して、ゲーム画面のトップメニューからデータ削除の蘭にカーソルを合わせた。


「よ、よせ! はやまるな!」

「ふふん、ほらほら! いいの? 消えちゃうわよ、あんたの総プレイ180時間が」

「や、やめてぇ! それだけはやめてぇ!」


 畜生、とんだ弱点を握られてしまった。


 先日の一件からもまだレオンに隠れて俺がちくちくとプレイし続けていた事、こいつは知ってやがったのか。


 そういえば、あの一件(マヨネーズを買ってきたら、レオンがラ○ウになっていた日)のあと、ゲームについて特にこいつはなんとも言ってこなかった。翌日にはまるで会話の端にも出してこなかったので、俺もまたあえて触れなかった。しかしそれでもまだゲームにハマッていた為、一応あまり目立たないようにはプレイしていたのだ。


「取引よ! あんたが明日着いてきてくんなきゃ、これを消す!」

「だああああ! もう、わかった、わかったよ! 着いてく。着いてきゃいいんだろ」

「よろしい。じゃあ明日までこれは私が預かるわ」

「っぐ……」


 こいつの場合、本気でデータ消しかねないので俺は渋々承知した。クソ……今晩はマナミちゃんを落とすところまで進む予定だったのに。


「じゃあ明日は七時起きね。目覚ましセットしておかなくっちゃ!」


 レオンはご機嫌な表情で目覚まし時計の針をセットした。なんでそんな朝早くから、と思ったが今は弱みを握られてしまったので、俺は黙って頷くだけにした。

 そういうわけで俺達は明日、二人仲良く乙女ロードにお出かけとなった。



        ●○●○●



 で、翌日。


 電車を数本乗り継ぐ事含め、およそ二時間ほどで目的地である池袋に到着した。


 電車の乗り方に始まって、電車内での痴漢騒ぎや駅構内に履き捨ててあるガムを踏んでしまったりやレオンが迷子になったりなどこれまでの道中には、また色々と語れば長くなるエピソードもあったが、とにかく無事に到着できた。すでに俺は満身創痍だ。


「はぁ……やっと着いた」


 駅を出てタクシープールを目の前にし、ようやく安堵の溜め息をつく。


「ここが池袋かあ。なんだかビルがたくさんあるわね」


 レオンは田舎者丸出しのように、きょろきょろと辺りを見回している。


「んじゃ、さっさと例の場所に向かうぞ」

「うん、楽しみ!」


 なんかこいつ、いつになく上機嫌だし素直だな。相変わらずようわからんやっちゃなあ。


 ルンルン顔で歩くレオンとは正反対に、俺は知り合いとかが間違ってもいませんようにと心で深く祈りながら目的の乙女ロードを目指す。


 街の景色がそれまで単調だったビル街から、少しずつアニメキャラなどの看板が増え始めてくるのがわかった頃、そこらを歩く人々の変化にも俺は気づいた。


 ド派手なコスプレ衣装に身を纏った女性や、大きな手さげ紙袋をたくさん担いだ女性が増えている。これは目的地である乙女ロードが迫ってきているのだとわかった。


 本当に女の子が多いな。っていうか、結構可愛い子もいるなあ。あのゴスロリの子なんか、人形みたいだ。俺は思わず見とれてしまう。


「……ちょっとクズ。あんたさっきからどこ見てんのよ」


 レオンがじと目で俺を睨む。いかん、表情が少し緩んでいたようだ。


「い、いや。しかし本当に女ばっかりだな……」

「そうね。ほらクズあれ見て! なんかすごい看板があるわ」


 興奮気味にレオンが指差したのは、電光掲示板っぽいもので、カラフルな電飾が次々とアニメキャラクターに変化しているものだ。俺はアニメとかに特別詳しくはないが、それでもやはり感心して見てしまった。よく出来てるなぁ。


「あ、ちょっとクズ、ここ寄るわよ!」


 レオンが急に立ち止まって指示したそこは、A‐BOOKSと書かれたちょっと普通ではない書店だ。入り口にはデカデカと美男子キャラクターが二人、なまめかしく抱き合っているポスターが貼られている。出来れば入りたくない。


「レ、レオン。なんでここに寄る?」

「ここ、あの淫乱売女がよく来るところなんだって。ここには豊富な知識を得れる書物がたくさんあるって言ってたから気になるの」

「お、俺はここで待ってるよ」

「ダメ。一緒に行くの!」

「お、おい!」


 そう言うとレオンは、無理やり俺の手を引っ張って書店へと強引に連れ去る。抵抗むなしく俺は店内へと導かれてしまった。


「うっわ……」

「うわぁ!」


 俺は若干引き気味に、レオンは子供みたいに興味しんしんに、言葉をもらす。


「ねね、これすごくない? こんなに薄い本なのに千円もするわ!」


 レオンは店内で一番目立つところに置いてあった平積みの同人誌を手に取って、ほらほらと見せ付けてくる。表紙はまだギリギリセーフな、上半身裸の男キャラだ。しかしよく見ると『R18指定』と注意書きが促されている。


「あ、ああ。とりあえず元に戻しとけ」


 端から見たら、「あ、あの本あったぁ。これ買いましょう♪」みたいな感じに見えてしまうのが恥ずかしかった俺は、周囲をやたら気にしながらレオンから同人誌を取り上げ、そっと元の場所に戻した。


 店内にはやはり女性客しかいない。だがかなりの人数がいる。しかもみんな、普通にさっきレオンが手に取った同人誌を何冊も抱えて買っている。こいつら一体、こういうのにいくらつぎ込んでいるんだ……。


 と、俺が少しだけ周囲に気を取られていると、レオンの姿が見当たらない。どこへ行ったんだあいつ。


 BL系同人誌がメインのお店で男一人になってしまった俺は、途端にいたたまれなくなり店内を早歩きで回ってレオンを探したがなかなか見つからない。


「クズー。こっち、こっちぃ!」


 取り残されて若干涙目の俺を呼ぶ声が聞こえる。随分奥の方から人ごみに紛れてレオンが手を振っていた。


「クズ! ほらこれ見てよ! これぇ!」


 離れたところでレオンが何かを手に、俺へと見せつけている。


「すごいわこのオモチャ! 七千円だって!」


 あんまりにもレオンが馬鹿でかい声ではしゃぐもんだから、周囲の視線が痛い。それだけに留まらず、レオンが手にもっているものは多分色々とアブナイものだ。俺はこれ以上騒がれるのを少しでも防ぐ為に、急ぎレオンのもとへと駆け寄った。


「レオン、静かにしろ! 一体どうした?」

「ほらコレよ!」


 レオンが俺に見せつけてきたものは、いわゆる女性向け大人のオモチャというやつで、パッケージにはそのオモチャのイメージキャラクターである美男子が「キミのスキマをすべて埋めてあげるよ」というなんだかムカつくセリフが書かれている。


「オモチャコーナーって書いてあったから見にきたら、なんかすっごい高いオモチャがあったから、気になっちゃって」

「そうか、よしわかった。さぁ帰ろう!」


 俺は一秒でも早くここから脱出したかった。


「これ、買うわ! 今夜これで遊んでみたい!」


 やめて。あなたは完全に勘違いをしている。本当にやめて。みんな見てる。激しく見てるから。みんな絶対勘違いしてるから。


「あんたも遊んでみたいでしょ? これ。気になるでしょ?」


 確かに気にはなる。そして出来る事なら遊んでみたい。しかしこいつは完全に大きく勘違いしている。


「ち、違うんだレオン。いいからそれは買わない。それはオモチャじゃない。だいたいどうやって遊ぶかわかってないだろ」

「わからないからやってみたいんじゃない」

「ダメだ! もう出るぞ!」

「あ、ちょっと!?」


 耐え切れなくなった俺は来店時とは逆にレオンの手を掴んで、無理やり店内から引っ張りだしたのだった。


 店から出ると、俺は顔がのぼせるほどに熱を帯びているのがわかった。恥ずかしさのあまり死んでしまいそうだ。


「もう! なんなのよ。せっかくアレ買おうと思ってたのに」

「あれはな、その……なんていうか、オモチャじゃなくて、エッチな道具なんだよ」

「エ、エッチな道具?」


 レオンが少しだけ頬を染めた。


「お前が最初に手に取った本も、男同士でその、エロい事をしてる内容の本で、とにかくエロいもんばっかりだったんだよ!」

「そ、そんなはずないわよ! あのオモチャだって何がエッチなのよ」

「何がって、そりゃお前……」


 しかし説明に困る。なんて言えばいいんだ。


「ほら、あんただってよくわかってないんじゃない。勝手に決めつけてるだけじゃない。やっぱり買うわ。説明書見てどういう風に遊ぶのか気になる!」

「ダメだ!」

「なんでよ!」


 こうなったら引かないレオンを納得させる為に、俺は仕方なくレオンに耳打ちで説明する事にした。


「ア、アレはな、お、女の大事なとこに入れたり出したりして、遊ぶもんなんだよ……」


 説明を聞いたレオンが案の定顔を真っ赤にして怒り出した。


「あ、あ、あんた、本気で言ってんの!?」

「声がでかいって! だから普通のオモチャじゃないんだよ」

「ば、ばっかじゃないの! あんなの入るわけないじゃない!」

「し、知るか! とにかくもういいだろ? もうメシでも食って帰ろう。な?」

「まだダメ! あの淫乱売女が言ってたコスプレ店ってところにも行きたい!」

「なんでだよ。お前コスプレとか興味あるのか?」

「っていうか、コスプレってなんなの?」


 こいつは何も知らないくせに、どうしてそんなに好奇心旺盛なんだ。


「さっきからこの辺を通ってる人がなんか普通じゃない格好をしてるだろ? ああいうのをコスプレって言うんだ」

「じゃあ行ってみたい!」

「なんで!?」

「さっき私も見たの! なんだかお姫様みたいにキラキラした可愛いドレスを着てた女の子がいたわ。ああいうの着てみたいもん!」


 くそ。まさかこいつがそっち系に惹かれるとは想定外だった。


「ほら、早く行きましょ!」

「おい! 引っ張んなって!」


 そして今度はコスプレ店へと引きずりまわされるハメとなった。


 もういやだ。帰りたい……。



        ●○●○●



 振り回されること、およそ半日。


 それからようやくの思いでボロアパートに帰宅できたのは、夜の八時であった。


 あのあと立ち寄ったコスプレ店でレオンは、何着も試着しては俺に意見を求めを繰り返し、最終的にワンセットの衣装を買ってしまった。


「これ、いいなあ……えへへ」


 で、早速帰宅後、購入してきたコスプレ衣装に着替えて鏡の前で嬉しそうにしていた。


 レオンのやつが選んだのは、メイドスタイル。頭に可愛らしいホワイトブリムをつけ、真っ白な薄手の手袋に、足は黒と白のシマシマニーソックスを装備したほぼ完璧なメイドさんだ。


「ふふーん」


 語尾に音符マークでもついていそうなくらい、超ご機嫌にその衣装を何度も何度も鏡に写しては色々とポーズを取っている。よく似合ってるし、悔しいが可愛い。


 結局それを買ったのは俺だ。全部合わせて三万くらいしたが現金で出した。


 最初、レオンのやつはカードで支払おうとしていたのだが、カードでなんでも買えてしまう癖がつくのはよくないなと前々から思っていたので、俺が現金で支払って帰りの道中にお金の大事さを教えてやった。


「ね、これってメイドさんよね?」

「ああ、そうだな」

「じゃあ、言葉使いもメイドさんっぽい方がいいかな?」

「好きにするといい」

「じゃあ今日はそうする!」


 よくわからないが、ものすごく気に入ってしまったようだ。


 それからレオンはその日だけ、俺の事をご主人様と呼んだ。


「ご主人様、おなかが空きました。早くご飯を用意して下さいませ!」


 言葉使いはいいけど、内容が逆じゃね?


 とか思ったけど、ちょっといい気分だから放っておいた。


 今日も色々あったが終始、レオンのやつは上機嫌だったな。結局一体何がしたかったのかはよくわからないが、これで三上先輩と張り合えると思っているのだろうか。


 俺には相変わらずレオンの考えがさっぱりわからないが、こいつもなんだか楽しそうだったし、まあいいか。



        ●○●○●



 後日。


 俺はレオンに人質として囚われていたTSイン・ラブリープラスを無事返してもらったのだが、ゲームを開始したら、それまで積み上げていた色んな女の子達とのフラグが全てボロボロ破壊されていた。どうやらレオンが勝手にプレイしてことごとく女の子達に嫌われるように進めていたようだった。


 何の嫌がらせだ! と俺が問い詰めたら、書店での俺の態度が気に入らなかったからそのお返しだとの事。どうやらもうちょっとあのエロ書店に居たかったらしい。おまけにあのオモチャを買わせなかったのも気に入らなかったそうだ。


 どうも俺のあの説明はいまだに嘘だと思っているらしい。ムカついたので、俺は今度相原や新井の前でレオンが欲しがっているオモチャの話でもしてやろうと思った。









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