少年達
大分間を開けてしまいました…
「そう言えば。」
蓮人クンは、オレ達の事は聞かないのかい?と、振り向き様に僕に問いかける瞬火先輩。返り血を浴びたその笑顔には、やっぱり何が隠されているかわかったもんじゃない。
「聞いてみたい気持ちもあるんですけど・・・。」
「けど?」
「皆僕と同様か・・・それ以上の経験をしてるとなると・・・正直怖いです。」
「へっ?」
縮こまるように言う僕を、瞬火さんはきょとんとした顔で見やり、直後笑いだす。
「?・・・なにか変なことでも言いました?」
「いやぁ!正直者で結構!しかし、これ傑作・・・ククッ」
流石に訳も解らず笑い飛ばされ続けても苛々してくるのだけれど、そんな僕の心情を察した様に瞬火さんが口を開く。
「やぁ!ね。今までに、正直キミほど壊れてる人間は見たことがなかったんだ。それなのに、言うことがかなり的を得てるとなればねぇ。」
「遠回しに嘲ってませんか?それ。」
僕が怪訝な顔で返すと、慌てたように瞬火さんが言葉を紡ぐ。
「いやぁ!そんな気は全然。寧ろオレは生きてる者全てを敬ってるよ。」
「...生きてる者?」
おかしな物言いをした瞬火さんに、思わず怪訝な視線を送る。瞬火さんはそれに察した様子だったけれど、あえて無視して話を続けた。
「素晴らしいね、生命っていうのは。生前はそんなもの、全く意識したことなんて無かったけれど...」
「ちょっと待ってください。何ですかその自分が既に死んでるみたいな言い方は。」
瞬火さんのおかしな物言いが加速し、無視しきれなくなったところで、思わず話を遮ってしまう。ーーー丁度それが、当初恐れていた話題に繋がるとは露知らず。
「そうだねぇ…その辺の事を話すとなれば、君の嫌いなオレの話にも関わってくるんだけど…やめておくかい?」
今更そんなことを言う瞬火さん。好奇心に苛まれた僕の意識が、返答を惑うなんてこと、あるはずがなかった。