表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レム  作者: Onisoh
蓮人編
14/25

暗闇の先で

ーーーん、ーーとさッーーさんっ!


誰かが、呼んでいる。聞き覚えのある、安心する声だ。あぁでも、もうどうでも良いやーーーー。

意識が、ゆっくりと薄れていく。


そんな時。


「蓮人さん!」


声が、はっきり聞こえた。


あぁぁいや!何してんだ僕は!起きろ!起きろ、、、!


「うぁぁ!」


「痛ッ!?」


飛び起きた僕の頭は、僕の体を揺さぶっていた御影のデコにクリーンヒット。痛みに呻いている。え?僕?・・・昔から石頭石頭言われてるような男でね。


「よぉ、蓮人。気分はどうだ?」


取り敢えず御影を起こそうと立ち上がった僕に、遥か上から馴れ馴れしい声がかけられる。


ーーー馴れ馴れしいっていうか、半分僕自身だもんなぁ、この餓鬼。


「さいっっっあくの気分だよ。なぁ、朱肚。」


声の主は、自ら倒したと思われる魄に腰かけている、見掛け5,6歳の、妖刀。


「そーかいそーかい。なら俺のしたことは大層なお節介だったとーーー」


いじけた様に足をぶらつかせる朱肚に、僕は顔を向ける。


「朱肚。」


「あぁ?」


年不相応なんてことも言ってたりしたけど、やっぱこいつの大半は子供だ。半分とは言え感情を共有できているのだから分かる。


「そんな拗ねんなって。なぁ、朱肚。」


だからこそ、伝えなきゃいけないと思う。


「・・・何だよ。」


こいつは、この小さな体でずっと背負ってきたんだ。


「ごめん。・・・そして、ありがとう。」


「・・・。」


許してくれたのかな。彼はぷいっと向こうを見ると、そのまま霧散していった。ーー霧状になった彼は、そのまま僕の影の中へ、吸い込まれていく。


「あ、あの~?一応オレらにも説明してくんないか?」


視界に入ったのは、頭を抱えたまま呻く御影と、そと隣に立ったまま困ったように笑う先輩。

あ、忘れてた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ