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6.夢

 自由が欲しい。

 幾度か思った事だった。

 彼に出会って、それが日増しに大きくなっていく。

 それが叶わない事実を知っているのに、彼を愛する自由が欲しいと、ノルンはただ思った。

 彼の前では、いつものように接しよう。

 そう思えば思うほど、自分にかけられた呪いにがんじがらめにされる。

 彼には言いたくない。

 知られたくない。

 一人で孤独に生きて行くのは嫌だと、ノルンは思っていたからだ。

 普通に生きられたら、こんなに苦しむ事はなくなるのだろうか。

 徐々に、そう考えるようになった。


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