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5-4

 翌日。

 デニスは、世話係のグレイテルと共に、ノルンに昨夜の事を聞いた。

 両親は魔女・リューミエルに殺されてしまった事。

 そして、自分は人に愛されては死んでしまうという呪いをかけられ、自分を奪いに来ると言っていた事。

 ノルンは泣いてはいなかったが、二人に頼んだ。


「誰にも、言わないで。……お願い」


 二人はノルンの頼みを引き受けた。

 成人もしていない、十歳の少女にかけられた呪いを解く術はなく。

 ノルンにしてあげられる事は、彼女の願いをただ受け入れる事だけ。

 デニスはノルンに仕える騎士として、彼女の傍にいて、グレイテルは専属の世話係として、彼女の傍にいた。

 泣く事はなかった。

 しかし、少しずつ、ノルンは心を閉ざしていく。

 やがて、城の中の人間たちから、外の人間の人たちも、虚ろで陰った瞳のノルンを〝黄昏姫〟と呼ぶようになった。


 ――私は、いつか呪いで死ぬんだ。


 それがいつなのか、定かではない。

 けれど、その運命を抱えて生きなければいけない。

 密かに胸に閉じ込めながら、毎日を過ごしていた。


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