〜1〜
由紀と夏美。双子姉妹の甘い日常をどうぞ。
「ふんふんふーん♪」
シャワーが気持ちいい。体に付いてる汚れが全部何処かに流れ落ちて行ってるのが分かる。
「ふぅ……」
冬場のシャワーは体に染みる。学校で疲れた体には最高の薬だ。
チャプッ……
お風呂につかる。冬場は47度と温度は高め。これも私流の疲労回復。
「今日も疲れたぁ……」
体の疲労と一緒にふやけた声が外に流れ出て行く。
「由紀〜」
風呂場の外から声がする。
「ん〜?なぁに〜?」
「着替え置いとくよ〜」
「あ〜、ごめんありがとぉ〜」
我ながら気の抜けた声だと思う。
「はふぅ……」
天井を見る。このままだとまたお風呂入りながら寝ちゃうかな……。この前は沈みかけたしもう出なきゃ……。出な……
意識が遠退きかけようとした時。
ガラッ
ドアが開いた。
「ふへ?」
「よーっす」
夏美が全裸で入ってきた。
「ちょ、夏美。何入ってきてるのよ」
「まぁまぁ姉妹同士遠慮は無しでしょ」
「全く……」
そのまま髪を洗い出す。
夏美。私の双子の妹。顔はそっくり。顔は。なんでかしらないけど胸はあいつの方が育った。この前聞いたらCだって言ってた。私はA。高2でAだからもう期待はしてない。うん、してないよ。したところで意味がないから。
「きゃっ‼︎あっつ‼︎」
「ん?あー、ごめん。シャワーの温度高くしてた。」
「あんたこんなんでよくシャワー浴びれるね……おー、あちぃ」
「いいじゃない好きなんだから」
わしゃわしゃ髪を洗いながらぶーぶー文句を言ってくる。相変わらず偉そうな奴。
「ねーねー由紀〜」
「ん〜?」
「あんた今好きな人とかいないの?」
「ぶっ‼︎」
思わず吹き出した。
「は、はぁ⁉︎突然なに⁉︎」
「あー‼︎その反応はいるなー?」
ニヤニヤしながら聞いてくる。
「残念ながらいませーん」
「えー、嘘だー」
「ほんとよ‼︎」
そう、本当だ。私は学校ではいわゆるぼっち。休み時間とかは一人でずっと本を読んでるような学生だ。華のJK生活なんて私とは縁のない話だ。
「知ってるでしょ私が学校でぼっちなの」
「え?あ〜、まぁ……ねぇ。隣のクラスだから何となくは。」
「そんな私が好きな人でも出来るとでも?」
「で、出来るかもしんないじゃん?」
「残念ながらむりでーす」
「つまんないのー。JKだよ?JK。コイバナ一つ出来ないとかどうなのよ」
「彼氏とか友達とか居るだけ邪魔」
「う、うわぁ……私の姉ってこんな捻くれてたんだ……」
「なんでマジ引きなのよ」
なんなのよこいつは。もう。