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〜第一話 芽生え〜

日常がつまらなかった。楽しみなんて何一つ無かった。

高校に入って、クラスに馴染めないまま2ヶ月が過ぎていた。

友達と話していても、何処となく遠慮してしまう。


そんな私の密やかな楽しみは部活だった。周りを気にせずスポーツに打ち込める。

ここでは、ちゃんと友達と呼べる友達もいたし楽しかった。

ただ、周りは女子ばっかりなだけに、いつも話題は恋の話。

私は正直それが苦手だった。

誰が誰を好きであろうと無かろうと、私には関係なかったし、

話に交ざれるほどの話題も持っていなかった。


「中学の頃とか彼氏いたの?」


そんなもの、私にはいなかったし、いたとしても貴女には関係ないでしょ?

心の中でそう呟きながら皆の話を聞き流していた。

話題に交ざれなくても寂しくは無かった。私に共感してくれる友達が隣にいてくれたからだ。


私達は、憧れという感情をもっても、それ以上の感情になることはなかった。

恋心ほど移ろいやすい感情はないことをちゃんと分かっていたから。

それに、片思いなんて・・・もう二度としたくなかったし。

憧れという感情だけで、十分だった。



ある日、親友が部活を辞めてしまった。

思えばあの時、私の中で何かが変わってしまったのかもしれない・・・。







いつの間にか、私の隣にはポッカリと穴が開いたように誰もいなくなっていた。

それをきっかけに、私は急に寂しいという感情に襲われるようになった。

気がつけば「仲間」から孤立していた。


―無理に仲間をつくろうとすることはない―


そう思うのは私の意地だったのだろうか?

何故か胸が痛かった。

笑っていても笑っていない。偽っていないのに偽っている。

真実なのに嘘。現実なのに虚無。

曖昧かつ、複雑な気持ちな気持ちの中を漂い続け

意地を張る一方では、心の中に寂しさが募っていった。    誰かに頼りたくて、誰かに寄り掛かっていたくて・・・


――でも、出来なくて。


憧れだった。そう、ただの憧れだったの。

優しい笑顔の貴方が、憧れで。

そう、ただの憧れで。違うの、憧れだけよ?

憧れで、憧れで、憧れで・・・・・・・・・・好きで。

          

憧れが恋心に変わってしまったのは何故?


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