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休みボケ

魅恩視点


諸々あったGWが終わってから初めての授業で教室に入ると委員長が頬杖をついてぼんやりとしていた。

「えへへ……………」

ココ、儚、フォルテちゃんはまたか………的な感じで委員長を見ていた。あの、何が起こってるんですかね?委員長っていつもは誰かが来たらきっちりと挨拶するような人なのに………。

「あ、あの~、委員長?」

「やっぱり大河は格好良かったなぁ…………それに、また綺麗になったなぁって…………誉めても何も出ないのに、もう!!えへへ…………それに炊き込みご飯も誉めて貰ったし…………………。」

「委員長!?」

今度はさっきよりも大きい声で呼びかけてみたけど、反応は無い。

「はぁ…………、にしても大河はまだ彼女作んないでバイトと部活ばっかして…………まぁ、大河には付き合ってくださいなんて女なんていないだろうしね、私が妻になってあけまないとね、そうしないと大河のバカは一生独身だろうしね………」

もう、委員長に返事して貰わなくてもいいかな………と思って僕は自分の席に戻った。

『委員長は多分スポーツ祭まであんな感じ。』

「それってまずくないの?委員長がいないとこのクラスって少しまずい状態になるんじゃあ…………」

「そんな時に活躍してくれるヒーローがいるんだよ~。」

『このクラスの副委員長の人。委員長とは正反対なリーダー。』

そう言われてから思い出した。そういえば副委員長の人もいたんだった。


クラス全員が揃ってから佐原先生が入ってきた。物凄い黒いオーラを纏いながら。

「みなさん……………おはようございます。」

この一言から、また黒いオーラの勢いは増した。

「未来がまだ明るいあなた達に、人生の先輩からのアドバイスを…………」

やばい、なんかやばいと思っていると、救世主のような光が見えた。その光の先にいた彼女の名前は、事部ことのべ 理那りなだった。



「せんせーい!!それって、最初の自己紹介でかんであざとさを見せないことですよねーー!」

黒いオーラは勢いを止められたのが原因なのか少し弱まった。

「そういえば見てましたよ~、お見合い大作戦in社海クルーザー!!いや~、あの番組って自分がフられたりした人達と他の女達のラブロマンスを延々と見せられるんですよね!!あ~、それを何回も体験して、なおかつ番組側からもこの人の失恋模様はネタになるって言われてますもんね、しかもそれでギャラ貰ってますからね~。」

時に侮辱も入ってないかな?と思うけれど段々黒いオーラが消えてゆく。

「それに先生の失恋の時の名台詞集、買っちゃいました!!いや~、印税生活いいですね!!でも先生にはやっぱり家族を育てて貰いたいですから、今度のお見合いも伝手で頼んどきますよ!!」

先生は喋れてない。黒いオーラを放つ事すらとうとうできなくなり、先生はその場で体育座りになっていた。

「じゃあ先生の婚活失敗オーラも無くなったわけだし、英語の時間潰してさっそく来週のスポーツ祭の選手決め、はっじめるよーーーー!!」

すると、委員長の目が変わったというか、GW前にもどった。

「では、今年のスポーツ祭について説明します。今年は団体種目はサッカー、個人種目はソフトテニスになりました。なお、ソフトテニスには、2Dの折紙先輩、錦先輩ペアが出ることになっています。なので個人種目のソフトテニスの、我ら1Aの代表は私と、テニス部に所属してる西谷さんに出ることになります。これについて、異論はありませんか?」

全員がうなずいた。あぁ…………神々さんって同じ寮だけどスポーツ面では当たりたくないのだろうってのがビシビシ伝わってくる。そりゃあ誰だって圧倒的に負けるのが分かってる試合をやりに行きたいとは思わないだろう。

「はい、それでは次にサッカーのメンバーを選んだので発表します。なお、今年は染宮さんがいるので、誰か応援に回りたい人はいませんか?」

「じゃあ魅恩には私がやってたキーパーをやって貰おうかな……格好良さそうだし………」

ココがそこで手を挙げた。

「じゃあ染宮さんはキーパーに変更で、後の人は去年と同じでいいですね。では、次に応援時の衣装について選手側からリクエストはありませんか?無いならば去年と同じチアガールとなりますが………」

するとクラスの誰かが、

「私はマネージャー風に応援して貰いたいなぁ……と思ってるからジャージにメガホンでどうかな?」

この意見には全員が楽だからという理由で採用された。

「では、これで選手決めは終了です。」


スポーツ祭の選手決めが終わると、副委員長の事部さんが委員長に話しかけていた。

「そういえば疾風、大河君とイチャラブだったらしいですねぇ~、やっぱ幼なじみだとあーゆー感じなのは何回もするんですかな?料理の味見やら。」

「な、なんで知ってんのよ!?」

「寝言で言ってたんだよ~、ほら、同室じゃん、私と疾風。まぁ、地元でいえば根雨川の方が近いかもだけど、疾風の地元に結構親戚いるんだよね~、そこで、いくつか大河君の噂やらを仕入れるわけ。」

「で、何よ?」

「大河君、学校内の男子の会話で必ず出てくる美人三人集全員フったんだって。まぁ、その内一人は罰ゲームらしいけどさ。その時に言ったセリフが、『俺は疾風にしか振り向いて貰いたくない。』だってさ。付き合ってもないのにお熱いねぇ~。」

「な、なんであいつ………。私より美人ならそっちを選べば良いじゃん………。」

「ハハハ、予想通りのデレ方だねぇ。いやはや、いつ疾風から告白するのやら。」

「何言ってるの?私はそんな………」

すると事部さんはICレコーダーを取り出した。

『結婚してほしいって、大河………うん、大河なら……。私、大河以外にお婿さんは考えられな……………………………………え、夢だったの?…………理那は…寝てるから聞かれてないよね?はぁ~、私から言わないといけないんだろうなぁ……大河は絶対にプロポーズとかしなさそうだし。』

寝言だけでなく、その後起きてから残念そうにするまでのセットだ。

「なんで録音されてるの!?というかそれ渡しなさい!!」

「え~、元々前に面白い夢見ても忘れちゃうからせめて寝言の部分だけでもってとっただけだよ?」

すると委員長はカァァァァと、顔を真っ赤にした。

「そ、それを渡しなさい!!」

こうして数分間委員長と事部さんの追いかけっこは続いた。

……………ちなみに、佐原先生は次の授業が始まる前に職員室に西谷さんが運んでいた。




根「え~っと、次回は私達1Bの話です。え~っと………」

竜火「次回!!」

竜氷「惚気話は延々と!!」




根「………………なんかもの凄く振り回されそうなんだけど…………」

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