嫁と姑
多々良視点
「さてと……もう朝が来てしまった訳なんだが………」
「そうだね………」
昨日母さんがここに来るというメールが来たのでかなりそわそわしているのだ。まぁ、半分は恐怖だが。
「あのいたずらがなければ俺はヘタレだから告白が出来なかったわけだが、竜火…………。まさかあれで母さんが来ることになるなんてな………」
「そういえば、多々良のお母さんってどんな人なの?」
「…………すんげー厳しい。母さんが誰かに優しくしているところ一回も見た事ねぇ。むしろ父さんがどやされまくっていたり俺もだいぶしごかれてた。剣道やりたいって言ったときは最低でも初段になるまではやめてはいけないって言われた。やりたいと言ったからにはそこそこのレベルになってからじゃないとやめさせないって言われてたからな………。」
「け、結構厳しいんだね………。」
「まぁ、付き合う相手については特に何も言われてないけどな…………。んーでも同じ学校の女子はなんか嫌なんだよな………。自分は頭がいいとか優秀だ~って。成績トップの飯島が一番謙虚だからな………それに比べて竜火はなんつーか、自分が優秀だ~って鼻にかけないから惚れるんだけどな。」
「そ、そうかな………?私の場合本当に馬鹿なんだけどね………」
成績はいつも補修を受けないといけなくなるほどらしい。
「………まぁ、それは良いとして、母さんがどんな風に来るかだな………」
基本的にものすごい威圧感を放ちながら扉を開けてくる。
ほとんどの人はこの威圧感に気付くのだが親父は全然気づかないほど鈍い。うん。それは言える。あの威圧感はもはや竹刀持って対峙したとしてもすぐに竹刀落とすな、うん。
「ほぅ、多々良は私がいつもそうやつて威圧感バリバリで来ると思っていたわけですか。はぁ………。」
「か、母さん!?いつの間に…………」
いつの間にか後ろに立っていたのは俺の母、祠木 楽その人だった。
「それよりも多々良、彼女をいつ作ったのかしら?」
「昨日だよ………一目惚れと両思いで………」
こんな少女マンガでも中々無いシチュエーションではありますが事実です。ちなみに俺から告白しました。
「かなり出来過ぎてますが………あそこの布団の塊の中に彼女がいるのね?」
ふと後ろを振り向くと敷いてあった布団が少し膨らんでいる。どうやら竜火が逃げ隠れたらしい。逃げ足早いなと感心するも、今はただ、「は、はい………そうですよ……」と答えることしかできなかった。
「さてと………じゃあご対面ということで……よいしょっと。」
母さんは布団をすっと抜くのが達人の域だ。どれだけしがみついてもするっと抜けてしまう。はっきり言ってどんな力の使い方をすればいいのだろうかと考えてしまう。しかも、これのせいで冬の朝の布団の温もりの恋しさをあまり感じたことがない。
…………まぁ、布団をはがされてビクビクと震えている状態の竜火と母さんの対面だった。
「多々良、この子が、彼女なのね?」
「あ、はい、そうです。俺の彼女です。」
どうやっても母さんの前では敬語になってしまう。
「使間 竜火さん?顔をこちらに向けてくれないかしら?怯えないでいいから、ね?」
すると竜火は少し潤んだ顔で俺達から見ると上目づかいになるような形でこちらを見た。
どうしよう。この竜火マジで可愛い今すぐ抱きしめたいつーか撫で回したいってかやっぱり合法ロリはいいなっていうか涎はバレてないよなおいおいこれ母さんがいなけりゃいますぐにでもそばに寄ってるのに………と思いながら母さんの方を見ると………。
「彼女は何歳?多々良?」
「俺と同い年です。」
その瞬間、母さんの放つピリピリとした正直言ってかなりキツいオーラが消えたかと思うと、母さんの口からとんでもない言葉が出た。
「………合法ロリ………じゅるり。」
………………あれ?母さんってこんな人だったっけ?と思うと母さんは竜火に抱きついていた。
「あぁ、やっぱり幼女はいいですねぇ本当にこの涙目+上目づかいは反則ですよしかもこれで高校一年生とかマジで神ですか天使ですか息子が最高な嫁連れてきましたよというかもう私の娘確定ですね結婚前提の彼女だしこの子一途そうだし多々良は厳しくしつけてるから浮気とかしないだろうから………」
「ひ、ひぅぅぅぅぅ。多々良ぁ~。」
竜火は急に抱きしめられて困惑しているのか俺に助けを求めている。………まぁ、気持ちは分からなくもない。母さんについてものすごく怖い人と俺は説明していてその人が急に自分に抱きついてきたのだから。ていうか助けたいのだけど母さん格闘技とかかなり使えるから竹刀無しじゃあ相手にできないんですが………」
「母さん…………」
「なんですか?多々良。私はあなたの嫁を見に来た母親なのですよ?そんな困惑した目で見ないでください。」
「あのなぁ、母さん。いっつも厳しく当たってきた人が急に人を愛でている姿見たら困惑するわ!!ってか竜火を離せ!!」
衝撃的な場面を見たからか俺は敬語を使っていなかった。
「このいい匂いのするリュカたんをどうして多々良に渡さないといけないんですか?いや、ホントに。あなたの嫁である前にこの子は私の娘です。」
「いや、俺達はまだ結婚してないから俺の彼女(嫁予定)なだけでまだ………」
「はぁ………リュカたんがこんな子だと最初から分かっていれば最初から婚約をすませましたが………」
「てゆうか人が変わりすぎだけど母さんってもしかして………」
「ロリコンでありますが、なにか?」
…………知りたくなかったよ。母子揃ってロリコンとか。あんなに厳しかった母さんが竜火みたいなこの前では骨抜き状態に近い感じになる人だったなんて。
しかし、やっぱり俺もこの人の息子だな。ロリコンだし。あそこまでアグレッシブじゃないけど。
「あぁ、頭の撫で心地も最高ですね……。ほっぺのフニフニ感も最高ですね……はぁはぁ。」
「って母さんそろそろ竜火返せ!!俺の嫁だ!!」
「いやです。これは私の娘なんだからぁぁぁぁぁ!!」
それから落ち着くまでに一時間ほど掛かりました。
桧「なんであの人がここにいるんだよ………?」
氷「誰が来てるの?」
桧「とてつもなく怖い人………な?」
氷「………次回、ロリコン姑とロリコン彼氏とロリ彼女。」
桧「あの人は昔っから厳しかったからなぁ………」




