アルコウル・パニック!!リターンズ
ココ視点
「ミオ………温泉入る前から顔が真っ赤だけど大丈夫なの?」
ミオの顔はかなり赤く、今にも倒れそうだった。
「ぅん……ひゃいひょうふ………」
まぁ、大丈夫だとミオが言うなら大丈夫だと思って魅恩と温泉に浸かった………その瞬間だった。
「ココのはだすべすべだぁ~。」
「み、ミオ!?え?いきなり抱きつい……って、ひゃあん……」
「むぎゅ~。」
ミオが私の胸をタオル越しに揉んでいた。
「み、魅恩様!!心お嬢様に何をしているんですか!!羨ましい!!!」
「え?なんで光そんな事言うの!?って、それよりも助け………」
すると光は顎に手を置きながらなにやらぶつぶつと呟いていた。
「くっ………心お嬢様のこんなショットが撮れるならば防水かつ高性能の一眼レフを今すぐもって来てもよいのですが………まさかこんなチャンスが初日があるならば持ち込んでいたのですが………ここはとにかく自分の頭のメモリーに………というか魅恩様!!いつまで揉んでいるんですか!!私も本当はやりたいんですよ!!」
どうしよう…………ミオに続いて光までおかしく………。
「魅恩様、もしかして、お酒でこんなことになっているんですか?」
『ケイドロ大会の後にもこんな風になった。あの時は色々大変だった。』
「ココ~。むにむに~。」
「ひゃあ、あっ、ミオ……そこは……」
「魅恩様いい加減離れてください!!私が変わりますから!!」
光が私の前まで涎を垂らしながらやってきていた。
「むにゃ……にょにひゃえ?ひゃあココ、ひゃいひょひひょひぇ~。」
そしてミオは私の頬にキスをした。
「え?み、ミオ………?」
私の顔は逆上せたわけでもないのに赤くなっていた。
「ひゃっひゃりふゅひひひゅひぃ~。」
「ま、待ってまだ心の準備が…………。」
「ひゃ~へ、ひひゃひゃひゃひゃいひょ~。」
ミオは今度は前から私に抱きついてきた。ミオの顔が近い。
それだけで私の顔は段々赤くなってゆく。
それに、ミオの大きい胸の感触なども感じられ流ので、私もいっそのこと揉んでしまおうかと思っていると、
「んむ~。」
ミオが私の唇を奪っていた。
そして、私とミオはそのままのぼせてしまい、バッシャーーンという音と共に温泉に沈み込んだ。
気がつくと旅館の部屋の布団に一人で寝ていた。
すぐ横に光がいて、もう片方の布団ではミオがフォーを抱き枕のように抱きしめ、ミオの背中に儚が眠っている状態だった。
「心お嬢様のファーストキスがまさか魅恩様に………。でも百合というのも悪くありませんね………。まぁ、魅恩様は女なのに女たらしという感じになっていますけど………。というか、心お嬢様の唇が間接的に私の首に………。」
光もキスされたんだ………首にって、よくよく考えれば私ファーストキス女の子に奪われたの!?
そう思ってもなぜか悲しくないのはなぜだろうかと思うと、あのパーティの事を思い出す。
谷似崎から守ってくれたミオは私にとっての王子様なのだ。
女の子だけど。………私はレズビアンではないよね?と思いながら。
「あぁ、そういえば心お嬢様、やはり魅恩様は飲酒しておりました。本人は気づいていなかったのでしょうが………。錦グループの者に持って行かれる物だったそうです。幸いアルコール度数は低いものなので大事には至っていませんが…………。運んだものには一応注意しておきました。」
「そういえば光、私達を着替えさせたのは誰?」
すると光は顔を赤らめた。
「…………私です……。」
「二人とも?」
「はい。なんというか、あの男に汚されなくて良かったと思いました。あれから主様は心お嬢様の婿選びはより慎重に、かつ心お嬢様の意見を尊重すると言っておりました。」
それから数分間、私は考えていて、なぜかこんな言葉を言っていた。
「ねぇ、光、結婚相手って…………。」
私はミオを見つめながら自分でも顔が赤くなっていると思いながら言っていた。
「女の子でもいいのかな?」
「こ、心お嬢様………………?」
光がやや引いている気がする。
「い、いや、こんなこともできるかなぁ………って思っただけだから!!」
「まぁ、跡取りとかは関係ありませんけど…………。子供を作る方法が特殊になりますし、世間的な目も………」
「だ、だって……………ミオと結婚してもいいのかなって………。ミオとなら………。」
あぁ、私は何考えているんだろう。
私は掛け布団を深くかぶって目を閉じた。
しばらくして、部屋の中で話し声が聞こえた。
光と………ミオ?何の話をしてるんだろう………?
光視点
「心お嬢様……………。………あ、起きましたか。魅恩様。」
「頭痛い………あれ?僕は何を………?」
「お酒を飲んだらしいです。あんな風に心お嬢様の胸を揉みしだいていたのは羨ましく思いました。しかし、あなたに問いたいことがあるのです。」
「何………?」
私はある資料を取り出した。正直心お嬢様に聞かれぬようにするためにあの部屋を選んでいたのに………まぁ、いいでしょう。
私は心お嬢様の安全を守るため、心お嬢様と仲の良い者の身辺調査をする事があり、魅恩様もその一人だ。
そうすると、一年前には染宮魅恩という戸籍が二つ存在していた。
そして女性の戸籍は一年以内に作られたものだ。そして現在は男の染宮魅恩という戸籍は存在していない。
「これはいったいどういう事なのでしょうか?魅恩様の家族はそのままで残っているのにも関わらず、魅恩様の戸籍のみが変化している………。まぁ、両親が双子の兄妹なのに結婚しているのにも問題はあるかもしれませんが、今は魅恩様の口から真実を聞きたいのです。」
私は魅恩様に近付いた。
「魅恩様はほんの少し前まで男だったのでしょうか?真実を言ってください。言わないのなら…………」
「言わないなら、何?」
「…………わき腹をくすぐって、他の三人を起こし、私が弁明のないままカミングアウトします。」
正直、殺すことはできないだろう。心お嬢様の事情は別として、あの時の動きはただ者ではない。流れ弾を防ぐ方が難しいだろう。
「わかったよ…………。僕は去年は男で、今年に入ってから女になってしまった。………明日、みんなにも真実を言うよ。この三人にはね。だから今日は寝かせて………。また頭が痛くなったから。」
「では、また明日。朝食後に話してもらいます。まぁ、今の内にどんなことになっても良いという覚悟はしておいてくださいね。」
錦「久しぶりの登場が本編じゃなくてまさかの次回予告なんて………」
田「まぁ、いいんじゃないかな~。」
錦「せめて次の次には出させてもらいたいわ……」
田「次回、カミングアウトは突然に。」
錦「この中に入っていく勇気は無いわ………」