祭りの中の出来事 紫苑編
更新が遅くなりすみませんでした。
「………あの人、格好良かったなぁ………。」
私はさっき助けてもらった人の事を考えながらボ~ッとしていた。
自己紹介させてもらうと、私の名前は轟 紫苑といって城九乃坂高校一年生で今日は演劇部の交流合宿で来ていました。
「ほほぅ、紫苑ちゃん、いい雰囲気になっていたのに住所も聞けずさらにはお持ち帰りもされないなんて………。」
部長がニヤ~としながら私を慰めてきました。
「旅行の途中なので迷惑と思われそうですし………。」
この人は演劇部の部長で櫻木 胡桃さんだ。
私も身長は低い方だけどそれよりも低いのが部長だった。
「はぁ~。それにしても、さっきの人に私見覚えがあったから多分近所の高校にいるんじゃない?」
「部長………というかあの人は彼女とかもういそうですし、いなかったにしても私にはそんな魅力ないですよ………。仲良くする価値もないですよ……」
「………学校裏ランキング一年生部門第一位の紫苑ちゃんが可愛くないと自分で言うとは………、はぁ……。」
「何か言いましたか?部長?」
「いやぁ~。そういえば紫苑ちゃんは告白されてたけどまた振ってたんだなぁ~と思いつつ。」
「さ、流石にそこまで知らない人の彼女になるなんて…それにさっき王子様ができたから余計に………。」
そうやってからかわれているようなことになっていると……。
「ここにいたかちびっ子部長?結構楽しんだ後がありますけど………ねぇ?」
演劇部で副部長で不動明王というあだ名を持つ天城 薫さんがこちらに来ていた。
「そそそそそそれはこっちの台詞!!大体アンタ他の部員はどうしたのよ!!」
「事情説明してから顧問と二人でくじ作ってから遊びに行かせました。顧問のモコはたいそうお怒りでしばらくは高級猫缶おすそ分けしないといけなくなってんだ。」
「そう。ならもう私には関係ないよね。じゃ、三人で回ろっか!」
「どーゆーつもりですか?轟に説明してなかったからと追いかけに行った直後にかき氷などを購入してその身長からどこかに流れていったのはどちら様ですかねぇ?とりあえず今日は帰りますよ!!轟も連帯責任な!!」
「す、すいません………」
「ふぇ~ん、あんまりだぁ~。クレ~プ~、リンゴ飴~。」
部長は副部長に引きずれていった。
「五月蠅いな……はぁ……なんでコイツ部長なんだろ………?」
ちなみに副部長は大道具の担当なのだけど、正直あの迫力なら役者でもいいと思う。
後、演劇部には副部長を含めた男子部員が二人しかいなくて、もう一人はあまり男に見えない。本人は病弱だからと言っていたけど………。
「というか紫苑ちゃんはさっき怖い目にあってたらしいのに……」
「お前の管理の悪さだろ………ったく、面倒な事にはしないでくれよ。軽く作れる物は持ってきてるんだからさ。」
「旅行先で作る物なんですか?それ………」
「………この二年間、このちびっ子部長の気まぐれで寝る間と試験勉強の時間削ってたんだ。他の大道具担当は色塗りしかやらせられないからな………。役者希望だけどってやつもいるし。」
さて、そんなこんなで宿に戻ってきていた。
「あ、天城、二人の回収お疲れさま。いや~、悪いわね~、やっぱりこーゆー事は天城に任せたら正解ね~。ね~、モモ~。」
「にゃ~。」
私達の顧問の冬峰 温子先生と愛猫のモモだ。学校にも連れてきていて演劇部のマスコットにもなっている。基本的におおらかだけど怖いときは愛猫のモモと共にひっかいてくるほど厳しい人だ。
「つーかペット可のホテルなんてよくありましたね………モモのためと俺と梓を隔離するのにちょうどいいという感じで。」
そういえばホテルが違うんだったっけ、男子二人は。ペット可のホテルの個室はペット一匹以上で一部屋という感じなので女子と男子は分かれているのだった。まぁ携帯という便利な物があるためあまり心配はないのだけど。
「まぁそのおかげでモモと仲良くなってるんで良いんですけどね、俺も梓も。」
そういえば部活中によくモモを撫でたり抱き締めたりしてるよね…………。
「まぁ、男の僕が女子と一緒の部屋にいちゃ駄目ですよね………。けほっ、けほっ。」
この人は夕暮 梓さんで、台本担当の人だ。台本担当は役者などの掛け持ちもいるけど学年で一人ずつ出している。まぁ、部長があれもやるこれもやるってことで苦労してるらしいけど。
小さい頃から病弱らしくて、役者などができないと本人は言っている。でも、身長が平均の男子よりも少し低くて童顔な事もありぱっと見男の人には見えない。
「兄さんは私たちと同じ部屋ということにしても良いと思うんですけど………。兄妹なので間違いも起きそうにありませんし、薬の事もありますし。」
「そうだよ、にぃ。私と理水なら看病も普通にしてあげられるんだよ?」
「いや、いいんだよ。理水。柚。モモと仲良くなれるから。それに薫はこーゆう対処法は詳しいって信頼してるから。二人は他の子と仲良くお喋りを楽しんでおいで。」
「兄さん、くれぐれも強がらないように。」
「にぃ、無理はしないでね。にぃはにぃなんだから。」
この二人は梓さんの2つ下の双子の妹で、姉が理水ちゃん、妹が柚ちゃん。色々な事情があるらしく、お兄さんである梓さんにすごく懐いている。
「まぁ、事情って言ってもあまり大したことじゃないですからゴールデンウイークが終わったら話しますよ。って事です。じゃあ僕はホテルの方に戻りますから。ほら、行くよ、モモ。」
「にゃ~。」
「じゃ、明日はここに集合してから帰るということで。」
そんなこんなで、私達は宿に戻ったのだった。
「よくよく考えたら薫は祭り楽しめてないよね?」
「別にいい。夏休みとかならいくらでもやるだろうからな。」
………色々すみません、副部長…………。
私が連絡を聞いていなかったばっかりに………。
心「あ、あそこが温泉旅館だよー。」
魅「なんか大きくない?ココ?」
心「そうかな………予約とれたのここだけだから……。それにまだ小さい方だよ?」
魅「ココの感覚は当てにならない気がしてきたよ……。」
光「次回、温泉の中で。」
心「光も一緒に入らない?ほら、最近あまり休めてないでしょ?」
光「……………はい……。」




