祭りの中の出来事 タクト編
「これって毎年やってるのかな?」
「まぁ、去年よりは屋台増えてますし………あ?本当の熱海ではこーゆーことはしていないと思います。作者があんまり調べないでやってるので。」
「今誰に向かって話してたんだ?目黒?」
「………あれ?僕は………何を……?」
「何に取り付かれてたんでしょうね………?」
それでは本編どうぞ。
タクト視点
「お兄ちゃん!!リンゴ飴!!リンゴ飴食べたい!!」
ネオンが袖を引っ張ってくる。
ちなみに今、私達の姿は女子は浴衣、男子も着物だ。まぁ、貸し出されている物だけど。
ネオンは黒にピンクと黄色の波紋的な柄の浴衣だ。
「お兄ちゃん、私は金魚すくいをしたいのですよ。」
ツァルトはやりたいことと一致した水色に金魚の柄の浴衣で私の腕を掴んで放してくれないのである。
龍水は夏音と留守番をしている。明日は二人とこの出店の出る約束なのだ。まぁ、正直一人で相手するのは無理だと思う。
ちなみに希留葉は蒼空ちゃんと好葉ちゃんと一緒に回っているし、目黒と仁はデート中である。まぁ、希留葉の場合はダブルデートといってもいいかもしれないけど本人は自覚していないんだろうなぁと思ってしまう。
「お兄ちゃん~、あの出目金にポイ破られてしまったのですよ!!敵討って欲しいのですよ!!」
ネオンにリンゴ飴を買おうとしているとツァルトが泣きながらこちらに来た。
「分かったって…………ちょっとしたら討ってあげるから。」
ネオンにリンゴ飴を買ってから私は金魚すくいの屋台に向かった。
「あれなのですよ、ポイを破られたのは!!」
ツァルトが指さしたのはとんでもない大きさの出目金だった。もはやポイの直径の大きさを軽く越えていた。
「おっ、にいちゃんもこの出目金と勝負すんのかい?コイツはここ数年、誰にも取られずに力を蓄えてきた無敵の出目金だ。そこら辺の小さい金魚とは比べものにならんぐらい強いがなぁ。」
金魚屋のおっちゃんは不敵に笑った。
「そーいやぁ去年は相棒がいたんだが年でなぁ。死んじまって、コイツと勝負できんのも時期的に最後だ。やるならそれなりに覚悟しとかねぇと小遣いなくなるぜ?」
…………………なんか、勝てる気しない………。
昔金魚すくいで1000円持って行かれた事がある私に勝てるはずがない。
「………とりあえず、一回分………、この出目金と………。」
「コイツだけを狙うってんなら同じ300円で五枚のポイをやるぜ?回数に分けるか強度をあげるかは自由だがな。」
そして、私は…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………一回に全てを賭け、そして玉砕した。呆気なくポイの真ん中は五枚とも大穴が空いたのだ。
「にいちゃん、まだ紙は残ってるぜ?」
「いや、これでどう立ち向かっていけと!?」
おっさんに抗議すると、後ろから、
「お兄ちゃん!負けないで!!」
とネオンとツァルトの声援が聞こえた。まぁ、後からうだうだ言われるのも嫌なのでとりあえずこのポイでもう一回あいつと戦うことにした。
「とりあえず隙を…………」
そして、ルートを確認し、そして、前の見えない後ろから…………。
紙の部分で出目金をまるで切り裂くように襲った。しかし、私の力不足のためか、油断していて金属製の椀を持って行くことを忘れていた。そのため、出目金には負けた………。
「………惜しかったな………にいちゃん。ほれっ、出目金では無いが特典の金魚をやろう。」
そして少し元気な金魚を頂いた。
「でも家で買うスペース無いんですが……それに旅行中なので………。」
「そんなら旅館にでもおいておいてもらえばいい。」
そういうことで旅館に戻ることになった。
女将さんは、「あら、あの出目金を追いつめるほどのおひとが来るなんてねぇ。」と笑っていた。
「もう眠いのです…………。」
「私も~。」
ネオンとツァルトはいつもなら寝てるだろうし、私は電車で移動中に寝ていたからね………
「タクト、まだ屋台全部回ってなさそう。私と龍水は明日一緒だから今日はもう少しタクトだけで回ってみたら?」
と、いう夏音の一言で私はもう一回屋台に向かった。
まぁ、軍資金稼ぎのために型抜きをすることにした。
そして数百円稼いだ後に、私は屋台を回ることにしたのだ。
とりあえず自分が食べたかったかき氷を食べることにした。シロップは当然イチゴだ。
食べながら屋台を回っていると、なにやら声が聞こえた。
「おぉ~、そこの嬢ちゃん、かわいいねぇ。ちょっと俺らと良いコトしない?」
「や、やめてください!!」
…………なんでこんなことに巻き込まれることが多いんだろう?と思ってしまった。あの時の事故の時もあんな風に巻き込まれたんじゃないっけなぁ…………。
しかし、私はそれでもその偶然に足を踏み込んでしまうのだった。
「あの、その人嫌がっていると思うんですけど………?」
「あぁん?なんや兄ちゃん、俺らは遊びに誘ってただけやないかい!!」
そう言って殴ってきたナンパAの拳を少しだけ後ろに飛んで私は軽々と避けていた。
「えーっと、ここをこうして………。」
魅恩ちゃんの部屋にあった古いノートに書いてあった技のような物をナンパAにぶつけた。
「くっそ!!覚えてやがれーーーー」
と、ナンパBがナンパAを連れて逃げていった。
「…………大丈夫ですか?」
「は、はい!!ありがとうございました!!」
「良かった。じゃあ、私はこれで…………。」
…………それから私はその子と別れた後に出店をまわりながら、色々と賑やかな音を聞く。賑やかなBGMを聞きながら食べるタイヤキはかなり美味しいのだ。
「……………はぁ…………あのちびっ子部長はどこに行ったのやら………?」
「うっわ!!またポイ破れたーーー!!」
「よっしゃ!!ゲーム当たった!!」
「あの人格好いいけど………」
「綿飴早食い勝負でもしようか?」
「ペタペタにすんの禁止な!!味わいながら食え!!佐藤潰しているみたいになるから!!」
「佐藤…………お前の胸と同じように綿飴も潰されるんだよ。」
そして宿に戻った。
「おんやまぁ、あのナンパで毎年白けさせる二人が出禁になったとはねぇ~。」
どのナンパなんだろう?とそう思った。
?「次回は私視点のお話だそうです………」
根「新キャラばっかり出てるから本格的にフェードアウトしそうだなぁ…………」
?「そういえば、あなた誰ですか?」
根「次回予告時空の被害者よ。まぁ、その内出れるとは思うんだけど………」
?「次回、祭りの中の出来事 紫苑編。」
?「これってネタバレじゃないですかね………?」