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真実の名前

竜火視点


私はバカでただ明るいだけの小さい子供…………そんな認識で世間に通っている思う。いたずら好きで、人に迷惑を掛けまくるような自分勝手で、自分のやった事に全く責任を感じない…………。そんな子供だ。


双子の竜氷は私と違って静かで、でもそれがなぜかを私は知っていたから、自分だけが子供と思われないように、竜氷を巻き込んだ。そして私は子供の様な幻想の生き物…………名前からドラゴンとなった。ただ、自分が子供と思われないようにするにはどうすればいいかということで思いついたのが、強い存在になることだったのだけど、バカだったから方向性を間違えた。


竜氷も自分の臆病さを克服しようと努力していたからこの事には当然乗ってきた。そして、私達は小学校でいたずら好きのツヴァイ・ドラゴンというあだなになった。



…………今まではいたずらの度がすぎることは無かったのだけど、私の今日のいたずらというかいじわるは人を倒れさせてしまった。私がこんなことをしなければこんなことにはならなかったのかもしれないのに。


何かで償わないといけないかな………。



多々良視点


俺はとりあえず抗議のため親父である祠木 多々ほこらぎ たたきに電話をかけた。

『もしもし………』

「おい、親父………なんで全部カップル部屋なんだよ………。」

『お前なぁ…………そろそろ彼女とか将来の伴侶とか作ってくれないと困るんだよ。ほら、父ちゃんいかがわしいようなイメージも持つホテルや旅館もやってるじゃん?だからお見合いとか申し込むの結構辛いんだよ~。まっとうなビジネスホテルも何個かやってるのにさぁ~。』

「…………だからって、もし嫌がられたりしたら………。」

『あっれ~。多々良って高校でもモテてるんじゃないの~?』

「ねぇよ。つーかこちらから告白したい子とかあの学校にはいねぇーし。」

『………………父ちゃん、息子がホモになってしまって悲しいよ。桧キュンと仲良くね。』

「なんでホモと成り立つんだよ!!後なんで桧なんだよ!!つかキュン付けすんな!!」

『親の勘?かな?小さい頃から一緒だし~。』

「…………………………………。はぁ~。それにしてもなんでカップル部屋………しかも露天付きのなんだよ。」

『さ・ぁ・び・す。だよ~ん。』

「……………親父、そこまでふざけると母さんにどやされるぞ。」

『まっさかぁ、そんなことあるわけ…………。って、らっちゃん…………。って、いやいや、この電話は多々良にであって決して取引先とかでは………って、かえ……。』

らっちゃんというのは俺の母親の祠木ほこらぎ らくの事だ。正直なんでこの人の方が社長じゃないのかと感じてしまうほど優秀なのだが、その分厳しい。

『多々良?大丈夫かしら?全くあの人は…………。まぁ、こんな風にふざけることがなかったらいい人だから結婚したんだけどね………。』

「母さん…………。」

『まぁあなたもこんな風にたまに浮気とギャンブルとドラッグ以外で突拍子の無いことをする人と結婚してみなさい。ドラマっぽくて面白いから。』

「なに言ってるんだよ…………母さん………。」

『じゃあ同室になったことはどういう関係なのかを………。』

「同室の子とどういう関係かってなぁ………。」

級友の彼女の友人と答えようとすると、いきなり竜火が俺のスマホを取り、こう言った。


「今後からお世話になります、使間 竜火です。今は彼氏彼女の関係ですが、年がたてば夫婦という関係になる予定になります。」

その後、唐突に電話が切れた。

…………………なにやってんだ竜火ぁぁぁぁぁぁ!!!



竜火視点

多々良が電話を初めてから暇になってしまった。

う~ん、少しいたずらしてみようかなぁ………。いたずらっ子の手がうずうずしてしまう。

私は多々良のスマホをじ~っと見た。


そして、あの言葉に反応して少しの葛藤の後に、あの台詞を言ったのだ。


多々良視点

「………………なんであんなことを言ったんだ?竜火?」

俺は今かなりピンチです。

「え~っと………多々良が構ってくれないのと、ちょっとしたいたずら心かなぁ………。」

「………………本心じゃねーのかよ…………。」

「なんでそんな風に残念そうなの?」

「こんな俺みたいなやつでも結婚とかしてくれる人がいるのかなぁって思ってさ………竜火可愛いし……………………。」

「ふぇっ!!いきなり告白みたいなこと言わないでよね!!私だって正直お義母さんにこんな事言うの緊張したんだから!!」

「じゃあなんであの台詞にしたんだよ!!俺に襲われてますとか嫌いですとかで良かったじゃねーか!!」

「…………だって、嫌と思わなかったから…………。」



しばらく沈黙が続いた。


「あーもう!!正直に言っちまうとなぁ!!俺は竜火の事が好きだ!!一目惚れだよ!!悪いか!!」

そして、俺は恥ずかしくて顔を真っ赤に染めたが、これで口は止まってくれなかった。

「竜火…………結婚を前提に付き合ってください………。」

あー、すっげー顔が熱い。そう感じた。

すると竜火は、俺にそっと近付いてきた。

「…………私から言わせてよ、好きになったって。だから、最初のキスは私からするの。」

と、唇を重ねてきた。……………………。

そうされた時、俺の顔はオーバーヒートしたと思う。

「…………やっぱ恥ずかしいな………。」

「じゃあ、それを和らげるために私の秘密を話してもいいかな?」


竜火視点


都市島学園に進学を決めて、都市島に行く前日に、私はお父さんに話があると言われた。

「竜火、お前は男の子のように活発で元気な子だなぁ。元気に育ってくれて良かったよ。」

お父さんに頭をなでられた。

「えへへ~。」

「そうだよなぁ………紗良さらも生まれていたらこんな風に元気に育ってくれたのかなぁ…………。」

聞いたことない名前を言われ、お父さんは少しだけ泣いた。

親戚?お父さんの生まれなかった妹?と何回か頭の中で繰り返した。


「紗良は、竜火のお兄ちゃんになって産まれてくるはずのお父さんとお母さんの息子の名前だったんだ。流産になっちゃったけどなぁ………。お前は、生まれ変わりなのかもしれないしなぁ………そのぐらいの愛情を持ってお父さんとお母さんは育てて来たんだ………。」

「つまり、私はお父さんとお母さんに愛されてたってわけね。しつけ厳しいのに。」

「まぁ、しつけを厳しくしてるのはまぁ、親としてな………まぁ、竜火は軽々とかわしてるけどな………。」

「…………で、お父さん、話ってそれだけ?」

「いや、まだある。お前の本当の名前についてだ。これは竜氷にも内緒だぞ。お父さんと、竜火だけの………いや、ちょっと違うかな…………。」


そしてお父さんはこう言った。


「竜火が大好きで、自分から絶対に裏切らない人が出来たらその人にその名前を教えるといい。」



多々良視点


「私の本当の名前は竜火たつひ………。だから二人きりの時はこの名前で………ね?」

「…………分かったよ、竜火たつひ。」

そして、今度は俺から唇を重ねたのだった。




それからしばらくして………。

「なんかメール来てるな………めずらし。母さんからだ。」

「お義母さんから?なんだろ?」


『今からあなたの花嫁になるひとを見に行くために準備しています。明日の朝には着くでしょう。…………なお、駆け落ちは許していません。まだ多々良が結婚できない年齢のため色々と準備のために交流を持ちたいからです。では。なお、行きすぎたことはまだしないように。いいですね、多々良。ちなみに家に帰ったらあなたの叔父がお父さんを苦しめているという状況ができそうですが、気にせずにいましょう。』



………………………マジですか?

「はわわ………お義母さんに挨拶するために色々準備しないと~。」

竜火は慌ててるし、駆け落ち風に逃げても多分すぐに捕まるだろう。


……………………。まぁ、今日は温泉に入ってゆっくりしよう。

お見合いやデートじゃなく今日は温泉旅行に来ているのだから。

希「ようやく熱海に着いた………。」

目「とりあえず次回は入浴前のシーンから始まります。」

伊「眠い………う~ん。次回、のれんくぐる、なんかおきる。」


ア「このメンツだと色々ありそうですしね………。」

夏「アーシュは………問題……なさそう……。」

ア「楽しみですね。温泉。硫黄臭かったりするんですか?」

仁「熱海は硫黄温泉じゃないと思うけどな………。」



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