長電話での恋愛相談
花火視点
初めまして。
私、紅 花火といいます。
高校一年生で……………現在付き合っている人はいません。好きな人はいるんですけどその人とは違う高校になったみたいです…………。
「ったく、花火も彼氏とか作っちゃえば幸せなのにねぇ~。私にもできる気配は無いけど。あ、やっぱあの子の事が忘れられないんでしょ~。」
「や、やめてよ真鈴ちゃん………。」
この子は、私の親友の清花 真鈴ちゃん。出会ったのは小学校一年生の頃かな。きっかけは私がクラスの全員に話しかけていたことかな。
「ほれほれ~。好きな人の名前言っちゃいなよ~。減るもんじゃ無いしさ!!」
「ここ教室だよ!!もう下校しかけてるけど………。」
「そういえば雀子さん帰ってくるのかな?私あの世を拗ねた雰囲気に憧れてるんだぁ~。」
「チュチュ姉は今年は蝶歩さんの家に行くから一応は帰ってくるけど…………。」
チュチュ姉というのは、私の姉の紅 雀子の事だ。
都市島学園に通っているから中々会えないのだ。
それに、なんでかは知らないけどやくざなお姉さんの蝶歩さんと親友だから、その家に入りづらいし………。
「まぁ、染宮君の家を訪ねるのは不可能なわけだしね。住所知らないだろうし。」
「言わないでよ………………ずっと好きなのに、伝える前に転校されたんだよ?いや、そこまで親しい関係じゃなかったけど………。」
「まぁ憧れっていう気持ちは分からないでもないけどさ、そろそろ現実的に、告ってくる子と付き合えばいいんじゃない?」
「私告られた事無いんだけど……………。」
「あぁ~、まぁ、色々あるからね…………。雀子さんに電話してみたら?男紹介してもらえるかもよ~。」
「チュチュ姉のいるのは女子校だよ。周りに男いないらしいし。」
「まったまた~。本当は誰でもいいんじゃ…………うん、分かった。フられてからじゃないと諦められない………と。だからやめて。お願いだからシャーペンの先こちらに向けないで私が先端恐怖症なの知ってるでしょ!!ったく………私に怒るときはいつもこうじゃない。」
「冗談でもそんなことは言わないでよ!!次やったら今度はシャーペンじゃなくてコンパスの針だからね!!」
クラスの皆はいつもの事かと笑っていた。
とりあえず帰ってからチュチュ姉に電話をかける。
私の携帯だと都市島まで電波が届かないので仕方なく家の電話を使う。
六回ほどコールした後、ようやく出てくれた。
『もしもし、あ、花火か。久しぶり。』
「チュチュ姉、ちょっと相談なんだけど…………。」
『また恋愛相談?まぁ、別に良いけどさ。私は人を好きになったことが無いからあまり深くは受けられないよ?それでもいい?』
「またまたチュチュ姉は…………したことあると思うんだけどなぁ~。」
『冷やかしはいいから。今回はなんの相談?』
そうだった。
チュチュ姉を不機嫌にして切られたらいけないんだった。
「え~っとね、このゴールデンウィークでデートしようと思ったらどこがいいのかな?」
『まぁ、遊園地とか水族館とかいいんじゃない?まぁ、他の子にも言えるけどあそこの動物園はデートには不向き。ホワイトタイガーはカップルに向かって液体放つし猿園は臭いし…………家族旅行の面々が多いから。水族館はきれいなところだし子供もあんまりはしゃいでないからデートにはちょうどいい。遊園地なら三日後にジェットコースター、コーヒーカップ、バイキング、ゴーカート、ウォーターフォール、メリーゴーランド、観覧車の順で行くのが打倒かな………まぁ、いまだに花火はミオ…………染宮君のハートを射抜いていないわけですが。』
「い、射抜きたいけど…………それは………。後、何か言い間違えてたような………。」
『まぁ、それはそうと、花火、都市島来ない?ほら、最近会うことも少なかったしさ。編入試験受ければ入れるし。』
「う、うん……………。でも、チュチュ姉、私そこまで成績良くないよ?って、都市島って編入試験あるんだ…………。」
『一般的には知られてないけどね。大丈夫でしょ、花火なら。私よりも優れている面あるし。』
チュチュ姉は私をまたからかってるなぁ………。
そう思いながら夢中でおしゃべりしていた。
「お、花火、雀子と電話してるのか?用が終わったら変わってくれないか?」
「え?あ、お父さん、お帰りなさい…………って、もうこんな時間!?」
「もうって、いつから電話していたんだい?」
「お昼頃から………。」
「母さんもだがよくそこまで長電話できるなぁ………もう六時じゃないか。」
「ご、ごめんなさい…………。」
『花火~。父さんいるの?じゃあ変わって。』
「う、うん……………。」
『後、これから暗い話になるかもしれないから、一端席を外してくれないか?』
「チュチュ姉、またそういうの?」
『まぁ、聞いてて明るくなる話じゃないから。じゃ、父さんに変わってね。』
「じゃ、少し手短に話そうか。雀子。」
こうして、私が自分の部屋に戻った後、お父さんは5分ほどで、電話を切っていた。
「さてと、そういえば父さんはこのゴールデンウィークで母さんと旅行行くんだが…………。花火も来るか?」
お父さんはあまり連続で休みを取れることがない。それに、お母さんと一緒に行る時間もだ。
「ううん、私はいいよ。せっかくの夫婦水入らずの旅行なんだから。」
「そうか、じゃあ留守番………と言いたいんだが、最近物騒だしなぁ……………花火もお年頃だし、家に一人で4日ってのもな…………。」
「だ、大丈夫だよ…………。」
「そういえば、雀子が親友の実家に泊まるって言っていたな…………。その時に誰か護衛を………。」
「いや、いいから………そこまでしなくても…………。」
「でもな…………花火、とりあえず女の人の護衛だから、間違いは起こらない。なんならお泊まりでもいいんじゃないか?」
「そうだ!!真鈴ちゃんに相談しよう!!」
…………結果、護衛の人が来ることになりました。
真鈴ちゃんは家族でキャンプに行くそうです。
希「ようやく温泉旅行だな~。」
伊「そういえば何泊旅行なんだろう………?」
目「今年は六日休みがあってそのうちの後ろの三日が合宿なので二泊三日にしています。監督に頼んで僕と希留葉は直接合宿所の方に向かいますから。」
伊「次回、朝起きたときからが温泉旅行です。」
希「やっぱ覗きはロマンだよな~。な、二人とも!!」
伊・目「「それは違うから。」」