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ゴールデンウィーク前の呪詛の囁き

「さて、みなさん、明日から待ちに待ったであろうゴールデンウィークですね~。先生も少しだけ楽しみにしてました~。」

佐原先生はそんな明るい言葉を笑っていない目で言った。


「ボソッ…………ココ、何かあったのかな?佐原先生………。」

「え~っと、確か佐原先生はこのゴールデンウィークの前半で、テレビ局の企画してるお見合いパーティに出るんだって。」

『…………確か、友人が皆既婚で家庭で旅行行っちゃうから友人と旅行に行くっていう選択肢もないんだって。』

………頑張ってください、佐原先生………。

「……………はぁ…………友人が彼氏持ちじゃなくて気楽に遊園地とかでハメを外しまくったあの日が懐かしいですよ………。一人、また一人と彼氏ができ、疎遠になっていって………。皆さんも同じような経験をしますよぉ~だ。後休み明けに英語のテストをしま~す。範囲は中学一年から今日までやった範囲まで…………ふふふ、彼氏とうつつを抜かすなんてことはさせませんよ………。課題もしっかり出させてもらいます………ふふふ、フフフハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!」

佐原先生が卑屈になったり暴走したりでホームルームが滅茶苦茶になっているときに、お約束の我らが委員長である忍鳥 疾風が颯爽と前に出た。


「………先生が暴走したので私が代わりに司会をやらさせてもらいますね……後テストの範囲は高校で習ったところだけ、課題は先生が用意していないのに言った嘘っぱちです。まぁ、それでもあまりハメを外さないように!!」

しかし、まだ佐原先生の暴走は収まらなかった。

「何言ってるんですかぁぁぁぁ!!!彼氏持ちの貴女には言われたくありません!!委員長!!」

「あ、あいつは彼氏じゃなくて………ただの幼なじみで………特に何もない……ですから………あんな私の作る料理が一番だ!!とか言ってるやつとは……………!!!」

「顔赤くするところがたまらなく怪しいんですよ!!幼なじみって!!私にはいないも同然なんですよぉぉぉ!!」

 

「……………いつまで続くんだろこれ。」

『魅恩……あの二人、怖い……。』

「ふぇぇ~、頭がガンガンしてるよぉ~。」

なぜか儚とフォルテちゃんが抱きついてきている。



「幼なじみだけで、実際にそれだけで付き合う人とかいませんから!!それだったら親の都合で結婚相手決まっちゃうじゃないですか!!」 

「むしろそんなのあったら私も婚活で苦労しなくても済んだんですよ!!今時英語教師なんたモテませんよぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

「私とあいつとじゃあ釣り合わないですよ………。」



………それから十分後、なんとか収まった。

「じゃあ私はお見合いパーティの企画に行ってくるので絶対に問題を起こさないように!!」

そう言って佐原先生は去っていった……………。


「それにしても、委員長怪しいよね…………。中学の頃からだけど。」

「そうなの?ココ?」

「長期休暇が開けてから何かしらのイベントがあるまでずっとにやけっぱなしだし………。」

すると委員長が急にこちらに寄ってきた。顔がかなり赤い。

「あ、あ、あれはお婆ちゃんの特製炊き込みご飯がおいしかっただけで、決してあいつにあえて安心したぁ~とかまだ彼女できてないんだぁ~って思っただけよ!!」

『ところであいつって誰?』

「く、倉橋さん?急にそれを突き出されると少し驚くんだけど………。」

『?前は普通に対応してたよね?』

儚のアンテナが段々と鋭くなり委員長に向けられる。

「………あいつってのは幼なじみの野町のまち 大河たいが。歳は私たちより一つ上で、味音痴なやつよ!!たびたび私の家に来てはお婆ちゃんの料理と私の作った少あんまりおいしくない料理食べてって、両方とも同じぐらいおいしいって言うの!!」

…………。

「もうあいつ脳味噌や舌まで筋肉なのかしら?って疑うわよ………。」


深く詮索するのはやめておこう。

自覚していないだけだね………。

委員長はあいつといっている人の事が大好きなのだろう。顔の赤みが引く気配がなかったので断言できる。


「あいつに良い女なんてくっつくのかしらね………はぁ………。」

…………。

まぁ、とりあえず観察していたら面白いだろうなぁ………。



「で、明日から別府温泉に行くんだけど、委員長、これって付き添いの先生とかいないとだめなのかな?」

「まぁ、いなくても大丈夫だけど………。犯罪に巻き込まれないようにね。」

そう言って委員長も教室から出た。



「行くメンバーはこの四人で、だったよね?」

『先輩達は行けないって言ってたし、戸松は彼氏とだしね。』

「神々先輩や蝶歩先輩とも行きたかったなぁ~。」

すると、教室の扉がガラッと開いた。

「なら私も連れてっ………ぐふ………。」


姉様…………またなんか言ってるよ…………。

涼さんが素早く姉様にエルボーを喰らわせていたので数秒間悶絶する。


「魅恩、奏の事は気にせず旅行に行っておけ。私と奏は生徒会の仕事が山ほどある。この馬鹿な奏が仕事をしばらくしていなかったからそれの埋め合わせをしないといけないんだ。私も副会長だから行けない。後、神々から伝言だ。桜々乃も家族旅行で同じ所に行くらしい。じゃあ奏、さっさとスポーツ祭とかの書類作りをやってしまうぞ。」

「それくらいノートパソコンでできるでしょ!!私も温泉!!魅恩の裸体を堂々とーーー!!!!」

「うるさいな………ったく、どこぞのお嬢様並だな………。あいつは多分別の所だろうし、大丈夫か。」

そう言って涼さんは姉様を引きずりながら生徒会室方面へ向かっていったのだった。


「魅恩の水着魅恩の浴衣魅恩のバスタオル姿…………。」

最後に聞こえた姉様のつぶやきが異常に怖かった。

 


雀「もしもし、あ、ちょっと言いたいことがあってさ。」

?「なに~、チュチュ姉?」

雀「次回、長電話での恋愛相談。」

?「…………温泉旅行関係ないよ、チュチュ姉………。」

雀「まぁ、伏線は速めにっというわけなんだよ。」


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