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異常の二人の愛の告白 後編

仁視点


目黒の唐突な告白から数分たって、顔が少しずつ冷めてきた私は、多少動揺しながらも、目黒に問いかけた。

「………本当に私なんかで良いのかよ?こんな………こんな男の顔なのに。女の要素なんか一つも入ってねぇ私の顔でも!!こんな荒っぽい言葉話す私でも!!」

そう言って私は自分の髪を真上に顔が見えるようにバサリとあげた。私の顔がはっきりと目黒に見えただろう。

多分、これで私の事をさっさと失望して逃げて行くに違いないと私は思った。しかし、目黒はそうしなかった。というか、微笑んでいた。私がそうするのを分かっていたように。



「その顔なのは、少し前にこっそり見えちゃいましたから。それでも僕は貴女のことが好きですから。真名部 仁さん。」

……………私は目黒と会ってからコイツに顔を見せたことがあったか?と何回も思った。しかし、何も思い出せない。心当たりとなっている昨日は目黒はいなかったし。

「なぁ、いつ見たんだよ。私の素顔。お前に見せたことなんか無かったはずだ。昨日いなかったし。」

「………夕方に机で寝ていたところでこっそり見てしまいました。」

「あ、あ、あんときかぁ!!確かあの時は鳥につつかれる夢見たけども!!」

「ほっぺた、柔らかかったですよ?」

…………恥ずかしい………。

いや、自分の知らないところで寝顔見られたことに凄く恥ずかしくなっていた。

しかも目黒にだ。私があんな顔だから恋する資格は無いはずの目黒に見られてしまっていた事にかなり動揺した。


「僕は、貴女の顔と心、両方が僕にとっては綺麗です。他の人が何を言おうと変わりません。こんな歪んでしまった僕が付き合えるなら、これ以上の幸せは無いんです。どうか、付き合ってください。」

目黒がまた頭を下げた。



………………せめて私の心が落ち着くまでの余裕をくれ!!これだとテンパって何かとんでもないこといってしまいそうだし!!

「す、少し待ってくれ……そ、それお前の本心なんだよな!?罰ゲームとか、からかいとかじゃないよな?それに………ホモってわけでもないよな?」

「まずホモではありませんよ。それに、からかいでも使命感でも、ましてや罰ゲームでもありません。」

結局テンパってんじゃねーか私!!何て私も好きでしたーとかの言葉が出せない!!


「証拠があればいいんですよね?なら、手っ取り早い方法があります。こちらに来てください。」

「…………お前から来いよ、そのくらい。」

そんな事言っていると、目黒が私を抱きしめた。


「な、何を…………。」

「だってこうした方がやりやすいでしょう?」

そして、目黒は…………。



私の頬にキスをした。




…………………はい?

「好きでもない人の頬にキスすることは、まずないですよね?これで本気と信じてください。」

いやいやいやいや!!!

なんで頬なんだよ!!そのくらいの意気込みなら唇奪えばいーじゃねーか!!でも頬だけでもかなり嬉しいけどさ!!嬉しいけどさ!!ドックンドックンしてしまうんだけど!!脳味噌オーバーヒートするんだけど!!


「僕からの告白はこれで終わりです。」

「………こ、これにはどう返せばいいんだろうな?」

「もちろん、僕が嫌いなら、ここから立ち去るなり僕の頬ヲビンタするなりしてください。」

「お前ドMか?!」

「………その表現は言われても別に良いですけど………。」


そして、目黒は抱きしめていた手をそっと離した。



「もし、僕と付き合ってくれるなら……………ぼ、僕のファーストキスを奪ってください!!」



………………………ちょっと待ってくれ!!いや好きだけど!!好きなんだけど!!いきなりそれはできないかもしれないんだけど!!

………でも……な………。


いつまでも目黒を待たせるわけにもいかない。

私は何回も深呼吸してから、ゆっくり目黒に近づいた。

そして…………。

「私も一目惚れしてたんだよ、バーカ。」

そっと背伸びをして、目黒とキスをした。

男らしく生活した小学校、誰とも話さずにいた中学校、男女おとこおんなと言われ続け居場所の無かった高校生になってからの一ヶ月の間………。



私にとってもこれはファーストキスだ。

私と目黒は、ほんの数秒だが、何時間もの時間に感じた時間を感じた。

その時間から解放されるように唇を離すと、私の顔は途端に茹で上がった。


「い、いいいいきなりだったけどな!!てゆーかもし私が断ってたらどうしたんだよ?」

「もちろん、何回もアタックするに決まってましたよ。」

「まぁ、これからよろしくな、目黒。」

すると目黒はわざとらしくそっぽをむいた。

「仁、これからは呼び捨てで行きますからね。ほら、僕の下の名前は星也、ですよ。」

「じゃ、じゃあ言うぞ…………星也。……………やっぱり恥ずかしいな………。」

「僕だってそうですから。」


そう言いながら、朝礼まで後数分と言うことに気付き、急いで教室に戻った。手をつないで。


自信たっぷりな声で、星也が

「僕と仁は付き合うことになりました!!」

と、言ったときに照れくさくなったのはまた別のはなしだ。


 



希「さて、次回からは目黒と真名部のイチャコラがはじまりまーす。」(棒読み)

星「やだなぁ希留葉。次回は一応身内メインなんだからさ。」

希「なんだよな、身内って………。つーかリア充爆発しろ!!俺はもうやんねぇからな!!」

星「………はぁ………次回、好葉の家庭事情 ツン編!!」

伊「………なんだろう。準主役なのに陰がドンドン薄く………。」

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