親バカの怒りとブラコンの怒りは雷である。
「?何を言っている。もう婚約もすませている。結婚することに変わりは……。」
「はぁ………これだから欲豚は………。婚約は当然破棄できるし、実際に破棄しますよ。ねぇ、そうでしょう?会長さん。」
すると、その人はとんでもない程の赤いオーラを纏い(イメージです。)、アイツの父親の所に歩いていた。
「そうだなぁ。もう引き入れる価値も理由も無い。元々可愛い弟のために仕方なくだったからな。当然、今すぐ破棄しよう。」
「あ、これ証拠のデータとボイスレコーダーです。これで弟さんは解放されますね。天布 純さん。」
「そうだなぁ。心も結婚したくないそうだし、破棄は当然のことだなぁ。ははっ。」
そして、アイツの親父の胸ぐらを掴んで、
「俺の弟を騙したあげく俺の娘にも手を出しすとはな………。良い度胸だったな…………。知り合いに生コン作っているやつがいるんだが………それ、使ってしまおうかぁ?」
怒り狂い、財閥のトップとして言ってはいけなそうなことを耳元で言い、そのまま放してから、意味深に笑うのだった。
とゆーか、この人ブラコンなのかと思った。
ちなみに、あの二人は唖然としている。
そんな中、兄様がさらに追い打ちをかける。
「他の奴らに無謀な量の残業やらせていたからな………。今頃実力のある奴はスカウトされてるだろうし、コネとか置物課長は路頭にさまよう事になってるし、ぐ・う・ぜ・ん脱税の証拠もあったから、その違法分、あなた達の貯金から引くように手引きしました。」
あいっかわらずえげつないなぁ………。
「ちなみにメイドの人も解放して貰いますよ。つーか社長用ってことで安心しているのかは分かりませんが同じ所にデータあったし………。やっぱ欲豚はバカしかいないんですね。」
親バカとブラコン最強だな……。
「待て、私たちを引き入れれば……。」
「天布財閥に泥が塗られることはない?いや、もう証拠あるからあんたらはほら吹き野郎と罵られるぐらいだと思うよ?」
親父さんの方は完全に黙ってしまった。
後から「いや、本当にあんたの弟が悪い。」「それに、今頃結婚を取り消すことこそが法律的に違法である。」「せめて慰謝料をよこせ。」などの言葉を吐きながら暴れ回った。
近くにある料理をただただ投げまくっていた。
ちょうどアレが投げたものが僕の顔に当たった。それはドロドロになっているエビチリだ。制服は汚れる、髪が変で気持ち悪い………と、かなりイライラしてきた。(フォルテちゃんと儚は神々さんに連れられて別のテーブルの方に行っていたので被害は無い。)
そんなときだった。
「デュフフフ。親父殿、ボクチンと心タンの既成事実を作ってしまえばいいんでしゅよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
と、アイツが心のいるステージまで走り出した。
途中、ズボンのベルトを外し、チャックを開いていく。
見ていると、今さっきコイツの親が投げてきたエビチリのドロドロ感のイライラが増幅した。
あれで懲りないのなら、あの親子に明日を見せる価値も無いだろう。
僕は心の前に立ち、アイツを殺さないように出きる技を選び、実行した。
「花忍流、魔蘭斬」
この技は左肘を曲げ、相手の頭上に飛び、左肘を振り下ろす。アイツは完全に頭を強打し、気絶した。
「………大丈夫?ココ?」
「うぅ………ミオちゃん、ミオちゃん~。」
ココは何かが切れたのか、大泣きしてしまった。アイツのことが好きだったわけではなく、さっきの恐怖からの解放されたからのだったらしい。
「ほほぅ。この子は百合ですかな?」
「いえいえ、レズビアンでしょう。」
と、この光景を見てたどこかのお偉いさんがそう言っていたのは聞こえなかった。
「とりあえず警察呼んでおいたから、この二人連れてくか。あ~、でも、一応付き添いで来てるんだがな~。」
そんな兄様ののんきな声は、ココの泣き声で上手く聞こえなかった。
涼「はぁ………金持ち業界はいいやつと悪い奴の差が極端だからな………。」
雀「それが嫌で逃げてきたんだったっけ?」
涼「まぁ、そうだな………。」
雀「それにしても、鋼谷と同じくらいゲスいのがいるとはね……。」
涼「あぁ、全くだ。次回、初めて着るドレスは………。」
雀「涼は白無垢の方がいいのかな?」
涼「べ、別にそんな夢持ってたわけじゃあ…………。」
雀「まぁ、私は着れないけどね………どっちも。」




