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お嬢様の事情

心視点

「はぁ………また、こんな風な格好しないといけないのかぁ………。」

今日は私の誕生日だ。

だから、実家の天布家に戻ってきた。

普段は天野で書いているけど、天布財閥だと思われないようにするためだからだ。

「お父様もお母様も、ましてやお爺さまも私のいつも通りの格好は認めているんだけどなぁ………。」

どうやら他の家に見せるときにいつもの格好だとイメージが悪いらしい。

はぁ……。とため息をつく。

それに、勝手に結婚相手決められそうになるし………。

「あいつが18になるまで後二週間って………。お父様もお母様も、お爺さまも反対したけど、あの叔父さんの不祥事のせいで無理矢理………なんて……。」


アイツというのは、谷似崎やにさき 大輔だいすけという世でいう大企業の部類に入る車のメーカー………らしい所の息子だ。物好きに高性能でデザイン某漫画のちっこい術師の悪趣味のような車を売るっていう所だ。

まぁ、その部品作っているところをこき使っているっていう噂がある。というから多分事実だ。多分昔の植民地レベルでやらせてんだろうなぁ……。

「絶対にアイツと結婚する奴は物好きか政略結婚だよぉ………。嫌だなぁ………あんなのと結婚なんて………。」

アイツは、結構太っていて、かつ、格好良くもないキザリスト。正直アイツと一つ屋根の下で暮らすこと自体想像したくない。

「アイツもパーティに参加するって言ってたよなぁ………。はぁ……絶対に我妻よ!!とか呼んでくるよ………。」

もう鬱になりそうだ。



私の家は日本五大財閥と呼ばれる内の一つらしく、昔から色々な人と関わってきた。

小学校の時は、ただただ奥手みたいに気が弱くて、友達が一人もできなかった。それに、けっこうなお嬢様小学校だったから、礼儀やしぐさまで窮屈になっていたから、当然友達も作りにくかった。家ではかなり明るいと言われるぐらい笑っていたのに小学校では礼儀を教える先生達が厳しいので、ずっと清楚な感じを貫かないといけなかった。そんなギスギスした小学校は全く楽しくなく、疲れが溜まった。帰ったときに来客があればそれもしないといけないから辛い。しかし、周りからのイメージを言われると、財閥の娘というのは肩身の狭い思いしかしないのだった。

だってお嬢様があんなにサバサバしていたらいけないじゃない?と思われるからだ。


それに、小学校の頃は王子様を信じていたぐらい夢見がちな少女だったと思う。


そんな時、お父様がこの都市島学園に行ってみないか?と言ってきた。ここなら名字の字を少し変えても問題ないし、男は入ってこないから猫かぶっていなくてもいいって言われてたしね。それでも一応ということで護衛として、私が猫かぶっていることを知っている闇裂やみさき ひかりも着いてきた。まぁ、あまり会わないようにすると彼女本人も言っていたけど。彼女はスナイパーだからあまり近くにいることが少ないし。



それから儚と出会って、フォーとも仲良くなって、幸せだった。でも、それが変化することが訪れたのだ。



叔父さんの不祥事で、アイツの会社に汚名がついたとレッテルをはられたのだ。叔父さんは財閥の力を使わないで一から企業を育てていこうとしていて、それでアイツの会社と関わっていた。

その時は確か、叔父さんの注意不足のせいで、アイツの会社の優秀な技術者が亡くなったとされて、それで叔父さんが土下座して、自分が臓器を売るとまで言ったらしい。

しかしアイツの親父は叔父さんの身元を調べ、そして政略結婚として私を差し出すことを条件にしたのだ。

それが私が13歳の頃の話だ。



私には姉が何人かいるが、当時は姉全員に許婚というか婚約者がいたので、何もなくて一番年上の私がその役になったのだ。

多分アイツらは、叔父さんの臓器を買った金よりも私の家の身内になった方が儲かると踏んだんだろう。


アイツに初めて会った時、鳥肌がたった。

「この子がボクチンのハーレムの一人?デュフフフフ。」

これが第一声だ。

それに、コイツは金持ちであることを当たり前に思い、自分を中心に世界は回っていて、なにもかも上手く言って、自分はモテていて、脳内バラ色の無力そうな男だった。 

多分毎日味の濃い物ばかり食べているためか、そいつは小学生の頃から糖尿病だった。それに、メタボでもあり、運動能力は皆無。何もかも周りに世話されていそうな奴だった。おそらく自分で洗濯物を干したりとかしていないんだろう。

ブン殴ってやろうかとも思ったけれど、アイツの前では私は本当の自分でなく、清楚な自分を貫くことを決めていた。


アイツには一応メイドもいるが、無理矢理働いている感じだ。アイツの事を相当嫌っているのだろう。アイツはセクハラばっかりしてるし………。こっそり筆談すると、彼女も親の責任を取らされる形だったらしい………濡れ衣なのだが、それを証明できなかったらしい。お互いアイツに不幸にされていくのだと思うと同士と思えた。話を聞くと彼女には好きな人がいるといっていた。アイツのことではないが。どうやら彼女の幼なじみらしい。しかし今会うことができていないという。


「はぁ………どうやったらアイツから離れられるんだろ……。」

そう思いながら、私は会場に行く。

猫かぶっているという事で、猫のぬいぐるみを頭に乗せて。



………………会場にでると、ここにいないで欲しかったアイツの姿が目に入る。またあのメイドはセクハラのように肩を両手で捕まれていた。



そして、もう一つ、ここにいるとは思わなかった人物………。


な、なんでここにフォーと儚とミオが………………。


私の頭の中は、混乱するばかりだった。

谷「デュフフフフフフ。次回はボクチンが大活躍するのだぁ!!」

闇(今すぐぶち撃ちたい今すぐお嬢様の許婚から消してやりたい………。)※スナイパーライフルで狙っている。

谷「なんかぶつかったでしゅね、まぁ、ボクチンに当たる方が悪いでしゅからね~。」

闇(あぁ、こいつ殺したい!!お嬢様も嫌がってるんだ!!)

谷「デュフッ。次回、ボクチンのハーレム。デュフフフフフフ。」

闇(あんのやろう………次回のタイトルすら変えやがって………。本当の予告やらせてもらう。次回、親バカの怒りは神に等しき。)



闇(ちなみに、あの時のうざったらしい鋼谷の頭を掠めたのも私だ。あぁ、お嬢様に悪い虫などつけたくないのに!!私が納得する相手ならば諦めるのに!!アイツは認めん!!断固拒否だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!)

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