アナザーストーリー 涼×恋 二人きりならば
今回も恋視点です。
「さてと、とりあえずここを買うか。」
そう言ったのは、中くらいのマンションだった。買い取り価格は少し安いので大丈夫だろう。
「そうだね……。高校に歩いて10分ほど、スーパーやコンビニ、商店街も近いしね。」
一応炊事は執事時代に仕込まれたのでできるだろうけど、涼はどうなんだろうか?
「私は高校の手続きを終わらせておくから、お前はマンションを購入しておいてくれ。」
「分かった。じゃあ行ってくるね。」
そして、私はマンションの管理をやっている人の所に行った。
このマンションの管理人は意外にも若い女性だった。
話を聞くと、元々はその女性の父親がやっていたそうなのだが、一昨年その父親が肺ガンで亡くなってしまい、それをそのまま引き継いだのだという。
「あ、はいはい……振り込みで………。で、ここを買い取りで………。お若いのに………ビジネスですか?」
「い、いえ…………ここに住むためです………。好きな人と一緒に………。」
「ほう?それはどんな人ですか?」
「カッコよくて…………優しい、私が死にかけたとき、泣いてくれた人です……。」
「へぇ………その人と二人きりかぁ………。あんなことやこんなこと、起きるといいね!!」
あんなことやこんなこと…………。
ぼふっ。
い、いや、涼からやってきてくれる訳ないし、私もやる勇気ないし………。で、でも起きるならやりたいかなぁ………なんて………。
多分私の顔はトマトのように赤くなっているだろう。
「な、な、何言ってるんですか!!確かにやれればやりたいですけど……。うぅ…………。」
「あらあら。ウブなのねぇ。」
「……………だって普通の恋愛じゃないもん。逃避行だもん…………。」
「じゃあ、あなた達に薦めるのはここね。この部屋で、買い取り価格はそうね………400万くらいで、家賃制にしたら月5万だけど………。」
「400万で買います。え~っと、振り込むところお願いします………。あ、ちなみにそれ以上請求したら、多分あなたは社会的に死にますから。」
「ジョークが得意ねあなたは。400万以上は請求しないわ。買い取られた後にグチグチと追加するわけにもいかないし。それに、逃避行ならこのぐらい蒔けないとね。」
「ありがとうございます………。」
私は契約書にサインをする。今日からある部屋が私達の家だ。
エレベーターで上に上がる。階段もあるにはあるが、今はこちらの方が早いからだ。
「じゃあ、この部屋ね。6階の角部屋。で、部屋の説明をするから、付いてきて。」
この部屋は、玄関に入ると、トイレへの入り口が右にある。
そして左にはリビングがあった。リビングにはさすがにまだ何もなかった。
「家具は備え付けてない物もあるからね………。とりあえずタオルケットと毛布があるから、ベッドとか買う前は床で寝ないといけなくなるわ。」
「そうですか………。」
ちなみに壁紙は白だった。
次は風呂場に案内してもらった。
脱衣所は微妙に狭いけど、風呂は大きく、私と涼なら二人同時に入れそうな大きさだ。
「風呂場はふたと洗濯機と乾燥機は備え付けてあるわ。父さんが一山当てて全部の空き部屋に備え付けたらしいわ。」
「へぇ~。」
「まぁ、洗剤は自分で買ってね。さすがにそこまではサービスしてないから。」
そして、クスリと笑うと、その人は、
「ここで二人きりで体の流しっこでもするのかしら?いやぁ~、青春って良いわねぇ~。」
「………せ、背中……。胸……。生肌……。」
どうしよう。涼の柔らかそうな肌を思う存分さわれるイベントが!!今日早速誘おうかなぁ……。
これまではどちらかが監視としてお嬢様と入る、又入り口での見張りで一緒にはいれなかったから、いいだろう。
次はキッチンだった。
「キッチンはIHのだから。それ対応のを買えば問題ないわ。」
「結構良い造りですね………。」
「まぁ、食器は置いてないからまた買わないといけないわよ。」
「食器棚ってあるんですか?」
「あぁ~。実はキッチンの調理道具用の棚しかないんだよね…。だから冷蔵庫も買わないといけないけど……………お金、本当に大丈夫?」
「まぁ、これでも貯金まとめて持ってきてますし、逃避行って金持ちがやることですから、準備できれば大金になりますから。」
「まぁ、大丈夫ならいいわ。そういえば、年齢的に高校生になる年だけど………。」
「通いますよ。今、私の好きな人が高校に手続きしているところです。」
「じゃあ安心ね………。とりあえず言うけど、危ない人に着いていったりしたらだめよ?下手したら襲われるだろうし……。まぁ、ここら辺、ホモしか襲う人いないけどね。」
「一瞬寒気がしたんですが………。」
「だけど、一応油断はしないでね。」
そして、鍵を貰い、私は一旦下まで降りる。
すると、涼が帰ってきていた。
「4月8日に入学式だから、それまで色々準備するぞ。」
「今日が3日だから………。うん、大丈夫だと思う!!」
「まぁ、まずベッド買いに行くぞ。」
「………ベッドは一つで………。一緒似寝たいし……。」
「何か言ったか?」
「い、いやなにも!!」
「………空耳か……。まぁいいか。」
涼って、変なところで鈍感何だよね………。
恋「次回は私が死んでいる方の?本編に戻る………だって?」
涼「アナザーストーリーは三話やったら三話本編に戻る方式だ。アナザーストーリーと本編がごちゃ混ぜになり頭が混乱するのを防ぐため、話タイトル、次回予告をしっかりと見るようにお願いします。」
恋「え~っと、次回、ディナーに嫌いな物が入らない。」
涼「色々引っ張ったか、次もケイドロの後日談だからな………。」