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アナザーストーリー 涼×恋  夕焼け子焼けの逃避行

「はぁ………何年たっても、こんなパーティなんかは退屈だ………。」

私は、もはや何回目になるのかも覚えていないパーティ会場にいた。

「中にいてもたいして変わらないし、外にいてもこんなやつらの護衛ということで気が滅入るからな………。」

そう、何回もため息をついていると、

「まぁまぁ、たまにはそんなのもいいじゃありませんか。」

と、朝焼が、私の前に来る。


今、私は中学三年生でさっき話しかけてきた朝焼恋とも同い年だ。

ついでに、自分の主とその専属メイドとも同い年だし。

私は専属のSP、朝焼は専属の執事だ。



小学校六年生の時の事故?

なんだそれは?あのわがままなお嬢様が車以外で行動するわけがないのだ。それに、一回でも庶民らしいことをやっているなら別なのだが、そんなことは一切しない。恥ずかしげもなくリムジンで毎日登校するのだ。



まぁ、あれだけ暇なパーティの中だったから、こんなこと

振り返っていた。が、それが少しの隙を産んでしまっていた。



「おらおらぁ!!テロリストのおでましや!!」

弱そうなテロリストが、私の愚主である鋼谷銀姫に銃を向けた。その時私は、仕事だからと、咄嗟にそいつの前にたった。しかし、銃の引き金をあのテロリストは引いていた。

あぁ、私はここで死んでしまうのか………と思った。



タァンと、サイレンサー付きの銃声が響いた。



しかし、撃たれていたのは、私の前に出ていた朝焼だった。

私はあの後のことを曖昧にしか覚えていない。

多分、朝焼をただ抱きしめたんだろう。

確か、テロリストは父さん達が抑えたんだろう。


結果的に、朝焼の命は助かったが、長い期間の入院をすることになった。

私はSPとして働くことをせず、毎日朝焼の病室にいった。

最初は専属の執事がいないのに何か感情を動かすかと思ったが、それを馬鹿にし、なおかつすぐに新しい執事を雇う………。



あぁ、このお嬢様は、ただ、力のない物を馬鹿にするだけなんだな。力もないくせに。ずっと何かに守られてばかりのくせに。

だから、私はSPであることをやめた。

そして、この家を出て行くとも決めた。

どうせ私が出ていっても、成金のような金で、誰かを雇うだろうしな。





朝焼が回復し、家に戻った頃、私は家を出ることにした。

荷物は、必要最低限に抑えたが。

キャリーバッグ(お嬢様が無節操に買っていって早々に使わなくなったもの)には親に休日用に支給されていたあまり使っていない服と下着類。後空きスペースに愛用していた拳銃と催眠スプレーを入れておいた。

そして、背負っているリュックには、財布、貯金通帳(とりあえずの給料が入っている。その額は一応10億。どうせ家を出なかったら死んだときに自然に鋼谷家に吸収されていっただろう。)と判子。後は寝癖を直すためのブラシ、筆記用具等だ。


これだけあれば、普通に暮らせるようになるだろう。

さぁ、そろそろ行こうか………と、思っていると、

「待ってよ~。涼~。」と、朝焼が走ってきた。

旅行鞄を肩に下げて、腰にポーチを巻いているが。

「家をでるなら、私も連れて行ってよ~。うん、二人の愛の逃避行だね!!」

「………私たちは女同士だが………。そういえば、紙と服がいつもと違うんだな。」


まぁ、朝焼は元々執事だったわけで、今までは燕尾服で髪はオールバックにしてワックスで固めているときもあったのだが………。

今はストレートの長い髪で、服も女の子が着るような、淡いピンクのワンピースだった。

まあ、私もスーツではなく白シャツにジーパンなんだけれど。


「私もお金はあるし、それに、涼も忘れ物してたし~。はい。生理用品!!無かったら困るでしょ?」

「まぁ、私も女だからな………。」

「それで、どこに行くの?」

「国内でなるべく遠いところだな。」

「空気のきれいなところがいいなぁ~。」

そう言いながら、朝焼は私の腕に抱きついてきた。

「そういえば、朝焼…………。性格変わってないか?」

「そうかな?家のしがらみもないし、ストレートに気持ちを伝えられるようになったのが嬉しいんだぁ~。」

おかしい………。

朝焼はもう少し性格の悪い人だと思っていたのだがな………。こんな甘えん坊な性格では無かったはずだ。


今、こんなに甘えられることが変に感じる。


「う~ん、でも、高校には通いたいよね~。」

すりすりと私の腕にすりよりながら、朝焼は言う。

「だって、涼と一緒の教室で、自由にしたいもん!!」

まぁ、あのわがままなお嬢様と一緒にいて、良い高校生活を送れるとは思えないしな………。

「じゃあ、行こうか………。」



そして、バスや電車に揺られ、適当な町に来た。

「ここが、私たちの………ど、同棲生活の始まりだね。」

「まぁ、一つ屋根の下なのは変わらないと思うんだが。」

「2人っきりだもん!!気にしない方がおかしいもん………。好きな人と一緒なんて………。」

「何か言ったか?朝焼?」

「な、なんでもないよ!!涼の鈍感!!」

「?とりあえずアパートかマンション探すぞ。」


そして、適当な高校も見つけ、そこに願書を出しに行き、高校生活が始まる……。まぁ、それは別の話だ。

今はまだ、語らなくても良いだろう。

涼「さて、アナザーストーリーの初めてが私目線とはな。」

恋「次回は私だからね!!タイトルは………私の気持ち」



涼「とりあえず誰×誰のやつをつけたりする。え~っと、魅恩は、色々と書く予定があるらしいが、奏と、鋼谷とは確実に無し。私もなさそうだがな………恋愛面では。」

恋「誰×姉のルートの方も本編そっちのけて書くことがあるかもしれません!!」

涼「まぁ、アナザーストーリーは終わってなくても本編に戻ることもある。まぁ、その後に誰×誰とかの表記があるものが出てくるので、気にしないでください。本当なら別シリーズとしてまとめておいた方が早いと思われるが。」

恋「次回はまだアナザーストーリーです…………なお、アナザーストーリーは気まぐれで長さが一話完結だったり十話いってしまうかもしれません。まぁ、連続では三話までで、本編はさむことが普通になりますので。」


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