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騎士と指揮者と在校生

「タークトさん。ちょっとお話したいので、着いてきてください。あ、後え~っと、澪田さんもいいですか?来ないなら来ないでも問題ないのですけど……。」

「?まぁ、行くよ。転校生同士仲良くしたいし。」

「私も………気になるし………。」

そして、着いていくと………。


「さてと……あ、その椅子に座ってください。一応イスは木でできてますから少しミシミシ言ってますけど、大丈夫ですから。」

普通こういう話をするのは屋上かと思った。

「いや、なんで転校生のホワイトさんがここの事知ってるのさ?」

「こんな所………あったんだ……。」

今いるのは、第二放送室という三階にある防音された場所だ。扉が少し錆び付いているし、普通に開けようとしたら開けられない。まぁ、教室と同じスライドする物かと思ったらまさかの前に押すタイプだったのだ。

「あ、私のことはアーシュと呼んでください。まぁ、私は海覇先輩に頼まれただけですしね。」

人によって呼び方を変えてもらうというタイプらしい。



「ところで、この人はタクトと同姓同名だけど、タクトとどういう関係なの?」

夏音はいきなり核心的な事を聞いてきた。

「あ、このタクトさんはあなたの知っているタクトさんと同一人物です。」

まぁ、その通りなんだけれど……。

「なんでアーシュがその事を知ってるの?」

海覇さんの事を名前付きで先輩と呼んでいたけど。

私の男体化について知っているのは海覇さんと妹三人、後両親だけじゃなかったかな?

「まぁ、私、海覇先輩の後輩ですから。それに、こう見えても大学院出てますよ。飛び級使って。海覇先輩はめんどくさかったのか院行かなかったらしいですけど。」

「………で、結局アーシュは何しにここへ?」

「体験していない青春を謳歌するのと、命の恩人の先輩に頼まれたからです。適材適所ってことで。にしても研究室退屈だったのでありがたいです。」

「そういえば、私も一応命の恩人になるんだよね……。まぁ、そのせいで性別と血液型変わったけど。」



…………あ、夏音のこと放置してた。

「………つまり、タクトはタクトってこと?」

「うん、夏音。でも……この先どうしようかな……。」

「合唱部に入るんじゃなかったの?」

「入れなかった………。もう完成してるからって……。自分から辞退したよ……。」

昔から歌うのは好きなので、合唱部に入ろうかなぁと考えていたのにな………。ここは地元では強豪の部だし。

「残念でしたね……。」

「いつものように撫でる?ん?」

「あぁ、家に帰ってとららんの抱き枕モフモフしたい……。癒されたい……。」

「確か修学旅行で一人だけぬいぐるみ持ってきてたよね……。」

「だって何かに抱きついてないと寝られないし。」

「男になっても変わってないってことですか……。あぁ、ちなみに頼まれたのは、学校でのサポートとあなたの体が変になったときの緊急対応役ですね。まぁ、多分口実なんでしょうけど。」



「あ、さっきタクトさんのことである意味衝撃的な発言してしまいましたので、そのお詫びに私も自分の事をお話します。同じように障害があったものどうしですから。」

と、アーシュは話し始めた。

「そう……あれはオックスフォード大学にいた4年前の頃でした……。」

「もう話がぶっ飛んでるんだけど。」

とゆーか、今私をタクトと知った夏音はすり寄ってきている。

「あの時、私はアルビノで、なるべく屋外に出なかったのです。それに、出るときは外の景色が見えないほど暗いときだったり、完全武装で上手く動けなかったのです。」

アルビノ……確かメラニンなんかが少なくて直射日光に弱い……じゃなかったかな?

「しかし、流石に十年以上、このことに疑問を持たないということはできず、ついに部屋着と同じ姿で外に飛び出したのです。そして、私は後悔しました。皮膚が焼けるように熱く、そのまま私は気絶してしまいました。」

外に出た………それだけで死にかけたということが信じられなかった。

「気がつくと、私はベッドで寝ていました。やけどの痕が生々しく……叫んでしまいました。まぁ、小学生ぐらいの年齢ですし。」


「そして、私の診察をしてくれた医者の人はこんな事を言いました。もう、君の命は助からないだろう皮膚ガンが異様な速さで体中に転移して、手術はほぼ不可能。命はもって数日というところに、先輩は現れてこう言ったんです。」


「はぁ……。おい。お前は、どんなことになっても生きたいか?」

その言葉は私も聞いたことがあった。

そして、今の体になった。


「私の髪は銀色が混ざり、アルビノで足りてなかったメラニン色素も一般人並になって、癌も全て完治する………。まぁ、副作用で瞳が少し変になって、髪もさっき言ったようになって……。後身長が少し縮んだね。」

「………。」

軽々とそんなことを言うアーシュを私は少しの間直視する事ができなかった。



「あ、あと言っておきますけど、先輩に恋愛感情はありませんよ。憧れですね。あの頭脳ってなんなんだろうっていう。」

そして、少し間を開けてアーシュは言った。

「直美先輩の方がお似合いですから。」

誰なのかは知らないけど、お似合いの人がいるらしい。

「そろそろ……昼休憩……終わる……よ?」

夏音がそう言ったので教室に戻ることにした。


ア「ということで、私も海覇先輩の薬を使われていたわけです。」

伊「被害者が他にいることがびっくりだよ……。」

ア「まぁ、被害者は何人もいますしね。強化型ゴキブリなんか……ブルブル……。」

夏「ゴキブリ………怖い……。」

ア「強化型ゴキブリは飛ぶ速さは通常の三倍で、スプレーしたときに謎の液体をドロリドロリと………。しかも足が二本追加されてるんです………。」

伊「ひぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

夏「じ、次回、放課後シスターズ。」

ア「私には一応愚姉がいます。それも二人も。」

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