ツバァイ・ドラゴン
戸松視点
「待て!!」
「香!!」
「「おとなしくつかまれー!!」」
「誰が素直に捕まることをするっすかー!!」
あの悪魔達が襲ってくるっす……………。
さてさて、あのおっかない悪魔達のことを紹介しておくっす。
あの悪魔達の名前は、使間 竜火と使間 竜氷。一卵性の双子っす。
ちなみに、竜火の方が姉で、基本的に話すのが先っす。
竜火の後に竜氷が話しているっていうのがおきまりのパターンっす。
二人の身長は大体小学六年生レベルっすけど、その分手癖が悪いっす。
竜火は赤い髪で、竜氷は薄い水色っす。胸は私よりもあるのがムカつくっす………。
髪型は両方ツインテールっすね。
このぐらいで、紹介は終了っすよ。
「この悪魔がー!!」
私が叫びながら逃げると、あの二人は、
「悪魔じゃ!!」
「ない!!」
「「私たちは」」
「ドラゴン!!」
「なんだよ!!」
「「二つ名!!ツバァイ・ドラゴン!!」」
と毎回のようにやるコントみたいな喋り方で反論してきたっす。
「悪魔で十分っすよ………毎回弁当からメインのおかずばっかり強奪するじゃないっすか!!」
そう、私がコイツ等を悪魔と呼ぶわけ………それは、私の弁当のおかずからおかずを抜き取るのが原因っす!!
あれは、魅恩ちゃんが弁当を作ってくれるようになってからしばらくたった時の話っす……。
ほとんどのクラスメイトは当然のように購買か無料学食に向かっていたんすけど、私だけ弁当を食べるから残ったんす。その日のメインはハンバーグだったす………。デミグラスに、適度なクリームソースがつけられ、女であってもすぐに食べたくなる逸品す……。それが、三つに切り分けられて、肉汁が少しずつ垂れていて……。
「あ、戸松の!!」
「それ!!」
「「おいしそう!!」」
「ねぇ。」
「その。」
「「ハンバーグ!!」」
「食べて。」
「いいよね?」
と、刹那の早さでハンバーグの三切れの内二切れが消えてたっす…………。
魅恩ちゃんは基本的にメインのおかずとなる物は三つに分けていたりするっす。だからメインのおかずだけ食べられないということはないんすけど……。
でも、その時食べたいメインのおかず……。
鳥皮の天ぷら、コロッケ、春巻きなどなど、犠牲になっていく物は多いんすよ!!
極めつけは……。
「返せっす!!私のデザートのシュークリーム返すっすー!!」
たまに作ってくれるデザートをあの二人がぺろりと平らげたんっす……。
あぁ、チョコクリームのシュークリームが………。
あの二人の逃げ足は速く、捕まえられず……。
弁当の前は軽いからかいぐらいの記憶っすけど、
あれからだんだんひどくなったすね……。
まぁ、あいつらも私並に頭悪いっすから補修仲間なんすけどね。
あの悪魔のクロスする行動パターンから逃げていても拉致があかないんで速度を少し上げようとしたとき……。
「ま、マジっすかぁ!!グキッていったっすよ!!」
そして、
「よし!!」
「これで!!」
「「戸松確保!!」」
「じゃあ。」
「私達は!!」
「「完全勝利のために!!」」
「次の!!」
「ケイを!!」
「「つかまえるのだ!!」」
「他の人は逃げられたんすかね~?はぁ………最近あまり良いことがないっす………。」
今、刑務所ゾーンに向かっているっす。
「はぁ~。最近榊にも会ってないから憂鬱っす……。」
意外かと思われそうっすけど、私には彼氏がいるっす。
一応相思相愛っすよ?むこうから真剣に告白してきたし。
彼氏の名前は飯島 榊といって、幼なじみっす。小学校までは坊ちゃん刈の牛乳瓶メガネだったくせに、中二から大胆なイメチェンして、それなりにかっこよくなってたんす。都市島から帰ってきたときに一瞬誰か分からなかったすよ?そしていきなり告白してくるんす。
まぁ、もとから恋愛感情らしいものはあったんすけど。
現在遠愛中っす。
その話をあの二人にすると、
「戸松だけ。」
「このクラスで。」
「「彼氏ができた!!」」
「もー、」
「羨ましい。」
「「だけど!!」」
「私たちは!!」
「いつか!!」
「「玉の輿に乗ってやる!!」」
と文句を言ってきた。
「にしても、刑務所ゾーンって、暇っすね………。」
何もないんすよ………。
「あぁ、彼氏がいるのと魅恩ちゃんの料理以外不幸なことが多すぎるっすーーーー!!」
本土。
「香?香が僕を呼んでいる気がする!!しかしあそこには男では入れない………。」
「おーい、飯島ー。立ったついでにこの問題をとけー。」
「分かりましたー。」
伊「ようやく一人って………。」
海「ようやく一人捕まったが………。」
伊「この先捕まる人いるんでしょうか………?」
海「さぁな。ネタバレ禁止だし。」
伊「エー、次回!!人口最下位ガール。」
海「作者の独断と偏見が次の話につまっている!!」
伊「…………とゆーか、人口最下位ってどの県でしたか?」
海「鳥取県だ。一番多いのは知らん。」
伊「一番多いのは?」
海「都会だと普通に大人数だからな………。」