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かわいいお兄ちゃんと私

「男になってから初めてのお風呂かぁ………。」

あの事故まで女だったのになぁ………。

「あぁ、シャンプーはこれでボディソープはこれな。洗面器に入れて入れよ。ここは風呂の中に置いておけるほどのスペースはねぇからな………。」

「あれ?スポンジじゃあないんですね………。」

「まぁ、そうだろ………。女性の肌が弱いからってことでスポンジだが男はゴシゴシ洗うタイプだからな。」

「あれ?これどう使うんですか?」

渡された物で使い方がわからない物があった。

プッシュしてだすような突起がついていない。

「それは上のを回してから頭皮に直接つけるやつだ。まぁ、そのうち慣れるだろ。むしろリンスインとかは一回で終われるから楽なんだよ………。」

「そーゆーものなんですね……。」

「あぁ、入浴剤はこれな。バ○のオレンジのやつ。お得だからな……。」

「前まではバ○クリン派立ったんですが……。」

「バ○の方は使いすぎとかいれすぎることがないからな。」

「そういえば風呂ってどのくらいの大きさなんでしょうか………。」 

「大人二人が入れる設計だからな………そこそこ広い。あんのバカップルが………。変な所で金使うからな……。」

「うちの家もそうなので馬鹿にできませんね……。」

「俺の親父はその関係でめちゃくちゃ禿げた。」

「何があったんですか……。」

海覇さんはため息をつきながら

「知らない方が、お前には幸せだと思うぞ………。」

と暗い顔で言ったので追求はしないことにして、風呂に向かった。



「広いな……。うちのと同じくらい………。でも洗う方のスペースは少し余裕が無いなぁ………。」

とりあえず髪を洗う。一回でもいいと言われているのだけど、不安な気持ちになる。

「泡がそこまで出ないんだなぁ………。」

まぁ、シャンプーハットをしなくてもいいのは……って、しみるしみる!!目に入ったら悶えるほどしみるんだけど!!

シャワーでなんとか洗い流してから次に体を洗う。

………肩がこらないし腕もたるくならないのは………それなりにあったから言えるのだけど、やはり寂しい。

まぁ、毎日豊胸のために自分の胸を揉むことはいっさい無い。それに、胸がまったいらで、ふくらみがないのは違和感を感じる。

体を洗っているときにふと股の間を見ると、アレがあるのだが、なぜか顔が赤くならなかった。

「さて、湯船につかりますかぁ~。」

バ○の性能を試すときが来たのである。



湯船につかりながら、女として歩んできた人生を振り返ってみる。

風呂の中のことでは、去年までシャンプーハットがないと髪が洗えなかったことや、シャンプーをどれにするか真剣に悩んだり、妹たちが風呂の中に入ってきたり…………。

それが今ではひとりでのんびりつかっているのだ。

つい鼻歌を歌ってしまう。高い声を出そうかと思ったら普通に前まで自分が出せていたキーまで出せたのだ。

声域が広がっているのは素直に嬉しい。



風呂から上がると、少しだけ抵抗の無くなったトランクスをはいてからパジャマに着替える。

「とりあえず使ってない新品だ。俺のはサイズあわねぇし、魅恩のもな。あ、魅恩は俺のいとこでお前と同じ血液型だった。今は全寮制の寮に入っているからな。」

女っぽい名前だな……。この部屋をみると多分魅恩というのは男の子だろう。



まぁ、元女だから男の子の寝ていたベッドで寝るのには多少抵抗もあったのだが、海覇さんがシーツなどを変えていたので大丈夫と言っていたので普通にベッドに寝転がった。

枕が無いからと座布団を何枚か重ねた物で代用したので、とりあえず枕を明日買ってもらうことになった。海覇さんは私がどんな枕を使うのか知らなかったからと言っていたからだ。

私は低反発枕を使う派です。

「にしても、驚きしかない目覚めだったなぁ………。」

あの事故では三途の川は見ていなかったのだけど、父さんと母さんの両親はまだ生きているので、三途の川では私は顔も知らない曾お爺さんなどに手招きされるんだろうと思うのだ。



「それにしても………。なんでこんなにも寝れないんだろ………。」

月曜から城九の坂高校に通うのに、寝坊したら色々な意味で悲しいと思うし………。初日遅刻はやりたくない。おまけに海覇さんのコネ男になったことも気にせずに通えるのだから、遅刻しないように早起きできるようにしておかないと………。

でも、ここまで寝れないのはいつ以来なのだろうか?

「男になるとここまで寝れない物なのかなぁ……。」

とりあえず何か音楽を聞こうかなぁと愛用の音楽プレイヤーを取り出そうと思ったけど、あの時に壊してしまったことを思い出した。あの事故の時アスファルトと私の間には入り、液晶が割れて、ボタンがバラバラになってしまったのだ。


しばらくして、なぜか一気にすやすやと寝れるようになったのだけど、その理由がなんなのかが分からなかった。



そうだ、あのぬいぐるみ達がいないからか。

私の前の家の部屋にはぬいぐるみが12個あった。

まぁ、干支に合わせたんだけどね……。

それを日替わりで抱いて寝ていたから多分それに影響されたんだと思う。と考えた私だった。

ツ「ふっふっふっ…………お兄ちゃんの部屋に侵入したのですよ………。抱き枕になりに!!」

 「前の家では抱き枕をやらせてもらえなかったのですけど………。だってぬいぐるみばかりで寝ぼけて頭を撫でられるのはぬいぐるみ………。なので、今侵入することができたのはハッピーなのですよ!!」

龍「…………お兄ちゃんに抱き枕として可愛がられるのは私だから………。」

ツ「龍水いつからそこに!!」

龍「おにぃ………ちゃんとは一緒に寝たいの………。」

ネ「そーゆーこと。抜け駆けはさせないからね。」

龍「次回、花火な命。」

ツ「また私たちは出してもらえないのですよ。」





海「次回はケイドロに戻ります。」

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