質問タイムは波乱の香り
僕は教卓の前に立たされ、先生が僕の席に移動した。どうやら記者会見的に質問タイムを行うらしい。
「じゃあ、先生から最初の質問ね。あ、私の名前は佐原すみれです。担当は数学で、宝荘の寮母もやっています。年齢は………え~っと、その……そろそろ婚活がピンチです………。」
年齢のことを言ったとき、佐原先生はかなり落ち込んでいた。おさげの髪はまだみずみずしい黒で、顔にもしわ一つ無く、これまでに告白されたことがないと言う言葉が嘘のような顔立ちだ。それでもどよ~んとオノマトペがでそうな雰囲気だ。
落ち込んだまま先生は
「染宮さんは彼氏さんとかっていたんですかね………?それだけ美少女なら一人二人いたんでしょうね~。あぁ、私には慕ってくれる妹たちしかいないんですよ………。これまで話しかけられたことはあっても告白どころか顔を赤くされたことすら無いですよ……。」と声を段々低くしながら言った。
どんどん落ち込んでいく佐原先生。
もうこの空気だけで「リア充なんて滅んでしまえばいいんだ……。」と訴えているような気がする。
爆発しろ!!じゃないのか余計に落ち込んでいて負のオーラが禍々しく漂った。
僕は数ヶ月前まで完全に男の子だったので当然彼氏はいない。勿論男に告白されたこともない。なので、
「あ、あの、先生?私も彼氏いませんでしたよ……。」
と答えた。
その言葉から佐原先生は一気に明るくなり、目の錯覚からか天使のような羽がでた気がした。
「そうなんですか?この人でも彼氏さんがいないなら……私も頑張れば彼氏さんもできて結婚まで……えへへ……。」
そのまま佐原先生はばったりと倒れてしまった。
「あー、せんせーが倒れたのでいつも通り司会は委員長の私、忍鳥 疾風がやらせてもらいます。」
このクラスの委員長の忍鳥さんの髪は黒のストレートで、おしどりの書かれたカチューシャをしている。
「じゃあ、質問を受け付ける前に、必須っぽいことを聞くね。染宮さん。」
そして、連続でその人に質問された。
「中学校ではどこに通ってたの?」
「○○中学で………。部活は料理研究部でした。」
兄様と相談して、これまでの設定を色々考えた。まぁ、嘘をつかないといけないような設定は少ないから良いんだけど。
「はーい、じゃ、趣味は何かな?」
「お菓子づくりです。最近は寮の設備がいいのでいろいろ作れてます。」
これも事実だ。この前からはケーキ類を多く作っている。
「そういえば金髪ですけど何でですか?染めてるんですか?それとも地毛ですか?」
「生まれつきで……。え~っと、祖母がイギリス人何ですよ。」
ごめんなさい、祖母は亡くなっているけど正真正銘日本人です。勝手に兄様に金髪にされただけです。地毛なのは合っているけど。後生まれたときは一般的な黒でした。
「生徒会長と苗字が同じなんですが、妹さんですか?」
「はい。僕の姉です。」
正直いって、姉様は外面は良い人なんだよな………。
「お姉さんはクォーターなのに黒なので、血が濃くならなかったんですね。」
「隔世遺伝って以外と無いらしいですから……。」
ほんと、そういう風に納得してもらいたい。
だってそもそもクォーターじゃないし。
ありがたいことにそれ以上の追求は無かったのでほっと一息ついた。
「好きな男性のタイプは?」
この質問は予想外だった。なので、ゆっくりと考えてそれなりにいなさそうな人のタイプにする。
「え~っと、背が自分より高くて万能だけどどこか抜けている………という人かな……。僕はあんまり男の子を見ていないでいることが多かったので……そこまでは……。」
正直に言ってしまうとその頃の僕は男だったので好きな男性のタイプは言えないよな……と思ってしまう。それに、今言った万能でもどこか抜けているという人は近くに2人いるのだけど、その人のことが好きだと言えばそうではないのだ。
他にも体はどこから洗うかとか、好きなアーティストや芸能人などの質問をされたが割愛させてもらう。
質問タイムが終わり、倒れている佐原先生を次の授業の先生が保健室に運んでから二時間目が始まった。
それから、あっという間に昼休憩になったのだった。
「授業にはついて行けそうだな~。編入試験は満点近くだったらしいけど、ちょっと不安だったからなぁ~。」
「編入試験合格したならだいたい平気になるらしいんだ。」
『そもそも編入試験は私達の期末テストの内容と同じだから。』
「でもここのテストでほぼ満点って魅恩ちゃんはすごいよ~。」
そういって、フォルテちゃんが抱きついてきた。
そんなとき、ピンポンパンポーンと校内アナウンスがなった。
「高等部1年2組、染宮魅恩。食事が終わり次第学園長室まできなさい。」
多分、編入生に関係することなんだろうなぁ~と、そう思った。
疾「え~っと、次回予告ですか………。相手は?」
佐「三十路一歩手前の私ですぅ~。」
疾「………本編で明かさなかった年齢が明らかになってますよ……。」
佐「いいんですよ………どうせ私とあなたは名前あった方がいいんじゃない?って作者が作ったようなキャラ何ですよ……その内使われ方がひどくなって名前だけになって徐々に本編から消え去るんですよ……。」
疾「………相変わらずのネガティブっぷりだなこの人……。」
佐「そう、私の恋愛と同じように消え去るんです……。私達の出番なんて………。」
疾「さり気なく達つけないで!!不安になるから!!」
「次回!!学園長は恋する乙女。」
佐「せめて最初くらいは多く出番が欲しいですよ……。」
?「番外編で出てから何話も出てない人のことも考えてもらいたい………。」