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別れ分かる話

作者: 葱間涼
掲載日:2013/11/25

衝動的に書いたものなので全く纏まっておりません。それでも宜しければ。

『別れよう』


「ん…?」


一度メールを閉じ、再度開く


『別れよう』


当たり前だが、文面に変化は見られず。つまりは、そういうことなのだろう…


「………」


暫く呆然としてみる。心にやんわりと何かが滲むかなと思ったが、結局、口が乾いて唾液が滲んだだけだった。


「…はぁ…」


《分かった》


そう返信するのがやっとだった。ネチネチ未練を押し付けるのも好きではないし、何より…こんなときに、これ以外に何て言ったら良いのか分からなかった。


「…を?」


返信してすぐに、返信が来た。来ないとばかり思っていたため、少し驚く。


『やけにあっさりしてるね?』


彼女からの返信は、何処か責めるような口調で再生された。じゃあなんだ、もっとネチネチ粘着して欲しかったのだろうか?それはないか。


《まぁ…あんまりネチネチするのも、ね》


返信ボタンを押してから気づいたが、別に返さなきゃ、終わったのではないか。まぁ、もう送っちゃったけど。


『理由とか気にならないの?』


ふむ…知りたい気もするが、あえて知る事で傷つくのも嫌だし、聞かなかったのだが…何なのだろう。聞いて欲しいのだろうか。


《教えてくれるなら聞きたいかな》


きっと教えてくれるだろうが。というか、きっと頼まずとも教えてくれる。彼女はそういう質だ。


『貴方が別に愛してる人が居たから』


何とも言えない、中途半端な解答に思えた。大体、何の確証があって、僕が二股などしていると断定したのか。僕にはそんな心当たりは全くない。


《二股なんかしてないよ?》


と、それだけ。まぁ、変に言葉を足すよりもいいだろう。言葉が多いと言い訳がましいし。


『うん。きっとそれは二股じゃないんだと思う。でも、私は、それでも貴方の1番が良かったから…きっと貴方は気付いてないんだろうけどね』


益々分からなかった。それどころか何処か腹立たしいモノも感じた。愛も冷めるというものか。


「はぁ…なんだんだよ全く」


昔から彼女は何処か仄めかしたがる所があった。言いたいことをハッキリと言わず、いつも遠回しなのだ。


「………」


言い訳がましいことは承知で、一つでも言ってやらないと気が済まない。弁解といえばいいのか分からないが、弁解の一つでもしてやりたかった…


「あ…」


と、そこで気づく。それはあまり知りたくなかったことで、でも、きっともう知っていたことだった。


なんで別れ話であっさりしてるのか。それは確かに彼女が僕には1番ではなかったからだ。僕は確かに、他に愛してる人が居た。


《何を言ってるのかわからない》


そう書かれたメールが送れない。僕は気づいてしまった。


僕は僕を愛している。自己保身に走ってしまっている。


彼女はそれに耐えきれなかったのだろう。僕を愛したが故に憎かったのか。僕に愛された僕が。ナルシストの気はないが、ついつい彼女を蔑ろにしがちだったのに耐えられなかったのだろうか。それを、相変わらずの遠回しな言い方で伝えたのだろうか。


何はどうあれ、彼女は僕から離れていってしまう。彼女が何を思っていたのかは結局分からないままだろう。


でも、その事実になんの感慨も動揺も衝動も浮かばないところを見るに、僕にとって彼女はそんなものだった事は明白だった・・・

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