もう一人の自分
ごめんね。
もっと早くに気づけば良かったよ。
……
泣きながら自分の手についた血を見る安崎美月はとても後悔している、そんな感じがした。
美月は目の前に倒れている死体をどうやって隠すか、事件を隠ぺいするかを考えながら行動に移す。
美月はひたすらごめんね。とつぶやきながら死体を自殺に見せかけるために屋上へ連れて行きそこから突き落とした。
怖い そんな事を思いながら一目散に家に逃げ込む。
帰って時計を見たら明け方の4時。
やっぱりそうなのかもしれない。美月は自分を夢遊病ではないかと疑った。
その日から美月は部屋に監視カメラをおき、自分を見張ることにした。
翌日、学校に着いたら先生から大事な話があると言われ呼びだされた。そこにいるのは警察だと思われる。
「昨日の明け方、君はどこにいたんだ?それと証明してくれる人を連れてきて。」
確かに美月は殺害現場にいたがそれに至るまでの経緯は全く覚えていない。だから、
「家で寝ていました。証明できる人はどこにもいません。」
そんな嘘をついてしまった。
それから数日は特に何も起こらない。
そんなある朝、監視カメラを確認してみた。そこに写っていたのは見たくない、知りたくない。そんな悪夢のような物だ。
「あぁ。今日は何しようかな~。さすがにもう殺人はまずいよね。」
独り言を言いながら服を着替える美月。
そっか。美月はその時初めて真実に気付く。記憶が無いのも当たり前。
美月は二重人格だった。