表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説・吸血鬼の村  作者: iris Gabe
出題編
9/23

9.まぶたに浮かびし美女(二日目、夜)

 こうして二日目の日中は過ぎ、生き残り九人による運命の投票が行われた。しかし、結果は大方の予想に反して、鈴代に六票、葵子に三票――が投じられていた!

 この日の空は、それはため息がこぼれるほどの鮮やかな茜色の夕焼けであった。霊媒師鈴代の胸に聖なる杭が打ち込まれ、二日目の処刑は滞りなく執行された。


 時は、そろそろ亥の刻(午後九時から午後十一時まで)になるだろうか? 僕は七竈亭の客間で一人寝転んで、広々とした天井の木目を数えていた。小さなテーブルの上にポツンと置かれた蝋燭の炎が、ゆらゆらとくすぶっている。徐々に、僕は思考にふけっていった。今宵、僕はここで、招かざる訪問者によって殺されてしまうかもしれない。僕は北側の障子に目をやった。鍵がかかる部屋ではなし。逃げる場所はどこにもない……。

 くよくよ悩むのは止めよう。僕はもう一度、これまでのゲームのやり取りを再検討することにした。まず気になるのは、いまだに天文家が名乗り出ないことである。天文家の情報は、ゲームが進行すればするほど、信憑しんぴょう性が薄くなる。なぜ黙っているのだろう? ひょっとして、すでに天文家は死んでしまっているのだろうか? もし、そうだとすると、村側の勝利は限りなく厳しい。

 都夜子さんの優しい笑顔がまぶたの裏に浮かんでくる。彼女だけは何が起こっても信頼したい。失った亭主とは、どのような人物だったのだろう? まだ彼女はそいつに未練を残しているのであろうか?


 夜が明けた。あろうことか、僕は生きている! 裏を返せば、どこかに別の犠牲者が? 都夜子さんは無事なのだろうか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ