壱、緊急指令! 奪還任務?
お気に入り、ありがとうございます!!
そして、遅くなってすいません。。。。。
新しい幕、楽しんでいただけると幸いです。
それでは、どうぞ!!
「どうして、俺が……」
毎度毎度のことではあるが、俺は悲嘆に暮れている。
最近は途方もない、それ、さすがに無理あるだろう的な“お願い”もなく、平和な時を過ごしていただけに、ショックは大きい。
「俺は、“普通”の人だよな……」
空にため息を吐いたところで、虚しいだけだ。
そして、誰も聞いていないのに言う必要は全くないし、無駄なだけだが……
やはり俺は声を大にして主張しまくりたい!
俺は、“一般人”だ!!!
眷属でも、聖人でも、神子でも、魔法師でも、魔術師でも、魔道師でもない!
無力なそこら辺にいる、普通の、ふつ~~の人間だ!
そう主張しまくっているというのに、彼の御仁方は意に介さないばかりか、無理難題をにっこり麗しの笑顔でごり押ししてくるのだ。
非力で、矮小な人間である、この俺に。
なぜ俺にごり押ししてまでさせたいのか、未だにさっぱりわからない。
「どうしたらいいんだよ……」
途方に暮れた声は、存外一人部屋に反響したが、あっさりと消えていく。
残ったのは、表情筋がぴくりとも反応しない、抜け殻のような俺の間抜けな顔と、
<早期回収>
彼の御仁方の第一の従者にして、忠実なる部下である無常なる大天使……に仕えているという、ミニミニサイズですっごいちっちゃい天使?らしきモノ。
今回はことがことだけに、助っ人として連れて行けと押しつけられた奴だ。
<早く、早く>
すいすいと眼前で飛び回るのはやめてもらいたい。
思わずぺしりと叩きつぶしたくなる。
……とか思ってても実際には何もしないよ。
どんなにちっちゃかろうが、虫っぽかろうが、俺が逆立ちしたって叶わないし。
人外、しかも次元が遥か彼方の相手に、そんな恐ろしいことができるわけがない。
なんせ、こんなあんたは親指姫ですか?と言いたくなるような姿をしてても、天使であることには変わりはない。
ってことは、人間なんか目じゃないのだ。
だから、逆らっちゃいけないってのは十分すぎるほど理解している。
けどさ~
「俺は、一般人なんですけど……」
とりあえず主張だけはしておく!
なんで、こんなに普通な俺が行かないといけないんだよ!
今回ばかりは、そっちでなんとかしてくれてもってか、そっちサイドで何とかしろよ!
ただの人間ごときが関わっちゃいけないレベルの話なんじゃないか? 今回は!!
そっちの管理問題なんだから、そっちがなんとかしてくれよ!
恨みがましい視線を向けて、滔々と俺は言ってやったさ!
見事、一般人代表として、正面から立ち向かってな。
拳を握りしめ、訥々と。
普段はしない、熱意を込めて。
言葉に魂を込めて!!
俺は、俺のために!!
<早くいきますよ! そして、即座に回収を!>
しかし、敵は全く俺の主張を聞いてはくれなかったけどね……
とほほ、だよ。まったく。
俺にも予定があるんだぜ。
この調子じゃ今日にでも向かえって感じだけどさ~
「せめて、明日の朝に手続きしてからでお願いします。」
全く聞き耳を持たない相手に頭を下げるのも、なんかイヤだけどさ。
ついでに、頭を下げたところでそれも無視されてるっぽいけど。
「……何て言おうかな」
とりあえず明日の朝にマージナルに行ったら、なんて言って何日かかるかわからない“お願いごと”のための日数を獲得するか?
それを考えるとしますか。
なんか、ミニミニサイズの天使様が横でうるさくって考え事の邪魔で……
ほんと、こいつ叩き落としてやろかな~なんて思いながら、夜は更けていくのだった。