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神様のお使い  作者: 花香
弐ノ話
13/46

伍、わたしと精霊使いになる条件?


「こうして、僕はこいつと出会ったわけさ。」


<そして、その場で契約をしたんですよ。あの方の立会いのもと。>


そうでもしないと、この人とは契約は無理でしたね~とのほほんと笑っている水の精霊に、赤茶髪の男は少しだけ不機嫌そうにしていたけど、反論はしなかった。

なんでかな?って思ってたら、答えが返ってきた。


「僕は、もともと精霊使いに向いてたわけじゃないんだよね……

 “目”が悪かったからね。」


「目?」


けど、返ってきた言葉の意味が分からない。

何を言ってるの?って顔をしてたら、あ~分かんないか?って聞かれたから少しだけ顎を下げた。


なんか、素直になるのも癪なのよね。


「あんた、精霊姫って呼ばれてたんだろ?」


「ええ、まぁ」


過去のこととして言われたことに、ちょっと悲しくなりながら頷く。

でも、男は気付かずに話を続けた。


「だったら、わかると思うけど、精霊って誰にでも“視える”相手じゃないだろ?」


そりゃ~そうね。

わたしは守護精霊様と水の精霊を見て、こくりと頷いた。

守護精霊様を最初に会った時、その話をしたらおばばが変な顔してた気がする。

次の日には族長がやってきて、その日を境にわたしの周りは大人ばっかりになったんだった。

そして、「精霊姫」と言われるようになっていた。

みんなが見えてたら、そんなことにはきっとならない。


「精霊使いってさ、精霊を見る“目”がいるんだよね。

 それがないと精霊は見えないわけ。そんで、僕はその“目”がなかった。」


「じゃ~、なんで?」


「その“目”を、あいつがくれたんだよね。」


「どうやって?」


目をくれる?

なに、それ?

さっきの話のどこにそれが入ってるっていうの?

あの人がやった事って、眉間を小突いただけでしょ?

それ以外に何かあったの?

混乱しているわたしに、


<正確にいうと、あの方に“視界”を広げて頂いたんです。>


静かで涼やかな声が聞こえたけど、ますます意味が分からなかった。

そんなわたしに、赤茶髪の男はガシガシと頭をかいて苦笑いした。


「まぁ、分からないっていうのも分かるよ。僕もいまだにわかんないし。

 人の“目”をどうにかするなんてこと、あいつ以外に見たことないしね。」


<あの方のように、精霊を見る“目”を開眼できる人間はおりませんよ。>


「ほんとに、変な奴だよな~。あいつは。」


はははっと笑う男と、自分のことのようにあの人を誇っている精霊。

何だかよくわからないけど、あの人が凄い人っていうことをわたしよりも先に知っている人だっていうことだけはよくわかった。

そして、やっぱりあの人は、反則的に凄い人なんだと思って、カウンターにいるあの人をちらりと見た。

そこでは、カウンターに並んでいる人に書類を書かせている姿が目に入った。

その書類を書いている人は如何にも強そうな戦士で、あの人がとっても貧弱に映る。

そんな風に視線をそらせていたわたしの横から、


<“目”のこと、すごく気になるわ。でも、もっと気になることがあるのだけど>


守護精霊様の声に振り返った。


<あなた、“声”を聞くことは元からできたの?それともそれも?>


その質問に、赤茶髪の男は首を傾げ、水の精霊はふふっと笑った。

二人を見た守護精霊様は、やっぱりねと一人訳知り顔。

一体何がわかったっていうのかしら?

わかんないことだらけで、段々いらいらしてきたんだけど。


口を尖らせてぶすっとしてたら、ふわっと髪をなでられた。

見れば守護精霊様がにこりと艶やかに笑って、ついっと水の精霊の方へ向くように促された。

いらいらしてて、面白くない気分だけど……


守護精霊様には逆らえない


わたしはしょうがなくそっちを向いた。

そこには、にこやかに笑いながら、ちょっとだけ困ったよう顔をしている水の精霊がいた。

その微妙な表情を男も訝しげに見ているのが、少し変な感じがした。


<これを言ってしまうと、哀れなんですが……>


<いいじゃない。真実を知ることは大切なことよ>


<また、風の方は気軽に仰いますね>


<なあに? 気まぐれとでも言いたいの? 流されやすい水の方が。>


<言いますね~。風の方。お気に入りと契約も出来ていないというのに>


<それとこれとは別よ。契約に関して言えば、人に取り持ってもらった方には言われたくないわ。>


守護精霊様と水の精霊が、ふふふふふって見つめあって笑ってるんだけど………

笑ってる?

笑ってるんだよね?

でも、ふふふっって口元は笑ってるんだけど、目が恐いんですけど。。。


ぶるって寒気が走って両腕をさすっていたわたしと、同じように腕をさすっていた赤茶髪の男の目が場パチッと合った。

なんとなく、シンパシーみたいなものを感じて、次の瞬間には気まずくなって視線を外した。


斜め上で笑い続けながら、バチバチと火花を散らしている守護精霊様と水の精霊は、下にいるわたしたちのことなんて気にしてないみたいに、言い争っている。


「なんでこんなことになってるのか、さっぱりわからないわ。」


ほぅっと、わたしがため息を吐くのもしょうがないってものじゃない?


わたしが愚痴っている斜め上では、ますます守護精霊様と水の精霊がヒートアップして、風が渦巻き湿気がすごいことになってきてて、止めた方がいいっぽいけど……


「…………」


ヒートアップし過ぎて、声かけらんないし。

今、声かけたらなんかすっごいヤバそう。


わたし、し~らない。


わたしは、そっと守護精霊様と水の精霊、ついでに赤茶髪の男が視界に入らないように、あさっての方に目を向けた。




今回、短めでした。結局精霊使いになるためには……?って中途半端になってしまい、すみません!!最終的に弐章の中できちんと条件を明らかにする予定です。


ちなみに、次は俺の視点になります。


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