第2章 事件の始まり
夏の日差しが照りつける中、奈々たちはいつものように学校から帰っていた。突然、村の広場で何かが燃えているのに気づいた。焦げ臭い匂いと共に、黒い煙が空に立ち上っていた。
「何が起こったの?」美優が驚いて叫ぶ。
奈々たちは急いで広場に駆けつけると、小さな祠が燃えているのを見つけた。村人たちが水をかけて火を消そうとしていたが、火の勢いは強く、なかなか収まらなかった。
「こんなことが起こるなんて…」楓が眉をひそめた。
祠の火はようやく消し止められたが、その後には不気味な静寂が訪れた。奈々たちはその場で何が起こったのかを考え始めた。
数日後、学校でいつも一緒にいるはずの凛が姿を消した。彼女の席は空っぽで、誰も彼女の行方を知らなかった。
「凛はどこに行ったのかな?」麻衣が心配そうに言った。
奈々たちは凛の家を訪ねたが、家族も彼女の行方を知らなかった。彼女は突然姿を消したようで、警察も捜索を始めたが、手がかりは見つからなかった。
「凛がいなくなるなんて、ただの偶然じゃない気がする…」咲が言った。「何か大きな力が働いているのかもしれない。」
凛がいなくなった後、村で奇妙な事件が続発するようになった。夜になると、どこからともなく女性の泣き声が聞こえたり、突然の停電が起きたりする。村人たちは不安に駆られ、何かが起こる予感を感じていた。
「私たちで何とかしなきゃ。」楓が言った。「凛を見つけ出し、この村で起こっていることの真相を探ろう。」
奈々たちは協力して、事件の手がかりを集め始めた。彼女たちは村の古い記録や伝承を調べ、次第に謎に近づいていった。
奈々たちは村の神社で見つけた古い文書を再度調べることにした。そこには、昔この村で起こった悲劇的な出来事や、封印された秘密について書かれていた。文書には、村を守るために犠牲となった少女たちの話が記されていた。
「もしかして、凛の失踪もこれに関係しているのかな?」奈々が疑問を口にした。
「かもしれない。でも、どうやってそれを確かめるの?」美優が心配そうに言った。
「とにかく、調べられることは全部調べよう。」楓が決意を新たにした。
奈々たちは村の古老や神職者に話を聞きに行き、さらに情報を集めた。彼らの話から、村には昔から「夏の祟り」と呼ばれる現象が存在し、それが原因で奇妙な事件が起こると言われていることがわかった。
「夏の祟りを鎮める方法がどこかに書かれているはずだ。」咲が言った。「私たちでそれを見つけて、凛を救おう。」
奈々たちは決意を固め、村の隠された秘密を解き明かすための冒険を再び始めることにした。彼女たちは友情と勇気を胸に、次々と襲いかかる困難に立ち向かっていく。