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救世主物語  作者: アルドア
4章

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第62話 山の頂に

天帝ギルガレットが住まう場所は高山だった。高い頂にいるそうで1日かけて登るそうだった。


エミリアはすっかり豹の獣人エドと打ち解けたのか、気になることをそのまま口にした。

「なぜこんな場所に住むの?」と、険しい山道を見上げながら尋ねた。


エドは笑みを浮かべながら答えた。

「ギルガレット様は、天と地の間にいることを好むんだ。この山の頂は、獣人たちにとって聖なる場所でもある。天に近い場所に住むことで、天帝としての力を大地に示し、自然と一体になることを大切にしているんだ。」


「なるほど…」とエミリアは思わず感心した様子を見せたが、内心では

「そんな場所で暮らすなんて、ただ大変なだけじゃないか」とも感じていた。

山頂までの険しい道のりを前にして、ギルガレットという人物への興味がますます深まった。彼がどんな考えでこの地を治めているのか、そして彼が何を望んでいるのかを知るためにも、この登山は避けて通れない。


彼らは一行で山道を登り始め、険しい岩場や森の中を進むにつれて、エミリアは自然の力強さと、その中で獣人たちがいかにして共存しているかを改めて感じることになった。天帝ギルガレットとの対面は、彼女にとって新たな道を切り開く大きな転機となるかもしれない。

エミリアたちは険しい山道を登る途中、ようやく一息つくために休憩を取った。エミリアは深く息を吸い込み、周囲を見渡しながら「これ、案内人がいなかったら絶対迷ってたわね」と正直な感想を漏らした。


虎の獣人ミドが笑って答えた。「そうだな。ここは山の形も変わりやすいし、天気もすぐに悪くなる。俺たち獣人でも、慣れないと迷うことがあるくらいさ。」


豹の獣人エドも頷きながら、「山の頂まで行くには、ただ地形を知ってるだけじゃダメなんだ。山自体が生きているようなものだから、時折変わる風や木々のざわめき、岩の音を聞き分けることが必要なんだよ」と補足した。


エミリアは改めて、案内人である獣人たちの経験と知識に感謝しながらも、自然の力に対する畏敬の念を強く感じていた。自分一人でこの山を登ろうとしたら、きっと途中で行き止まりになったり、戻れなくなったりしていたかもしれない。


カレンもまた、険しい道を見上げつつ、「獣人族がこうして自然と共に生きていることに感心するわ。私たちとは全然違う生き方ね」とつぶやいた。エミリアは無言で頷き、休憩を終えたらまた旅を続ける決意を新たにした。


山の頂、天帝ギルガレットの居場所はもうすぐだ。それを思うと、エミリアの心に再び興奮が湧き上がってきた。


エミリアたちはようやく山頂にたどり着き、全員が疲れ切っていた。


しかし、振り返って見ると広がる夕日が壮大で、疲れた心を少しだけ癒してくれるようだった。


赤く染まる空が大陸全体を照らし、遠くまで続く景色が幻想的に広がっていた。


目の前にそびえる石造りの神殿は、頑丈でありながらも美しい造りで、所々にレンガのような装飾が施されている。


古代の工法を感じさせるその造りに、エミリアは思わず息を呑んだ。


豹の獣人エドは、神殿を見上げながら

「今日はここで休んで、明日、天帝ギルガレット様に会いましょう。それと、大浴場がこの神殿の中にあるので、ぜひ旅の疲れを癒し、汚れを落としてからお休みください」と案内してくれた。


疲労感が全身に残る一行だったが、大浴場という言葉を聞くと、少し元気を取り戻したようだった。エミリアは「それは助かるわ…山登りは思った以上にハードだったしね」と微笑みながら答えた。


皆で神殿の中に入ると、静寂と共に心地よい暖かさが漂っていた。


大浴場に向かう途中、石造りの回廊や壁に描かれた古代の彫刻が、神秘的な雰囲気を醸し出している。


エミリアは、明日天帝ギルガレットに会うという期待を胸にしつつ、今はただ旅の疲れを癒そうと決めた。




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