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救世主物語  作者: アルドア
4章

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第61話 自然の中で生きる者達

翌朝、エミリア一行は村を旅立った。


虎の獣人ミドと豹の獣人エドの先導で天帝ギルガレットにの所までそう遠くないみたいだ。


頭の中で昨日の話を聞いて、ここでの人間の暮らしぶりは、どうなんだろうと気になっていた。

畑を禁止されたら森の近くで採取しながら狩りをする感じかなと色々、考えていた。


エミリアが考え込んでいると、豹の獣人エドが鋭く彼女の様子を見つめ、にやりと笑った。

「人間の生活が気になりますか?」


エミリアは少し驚きながらもうなずいた。

「ええ、畑を持てないとなると、どうやって暮らしているのか気になって…森で採取や狩りをしながら生活しているのかなって考えていました。」


豹の獣人エドは少し考え込み、答えた。

「そうですね。彼らは主に森での採取や、川での漁を頼りにして生きています。狩りもするけど、私たち獣人ほどの技術は持っていないから、大型の獲物を仕留めるのは難しい。だから彼らは、うまくやりくりして生きている。人間は器用で、時には道具を作ったり工夫して生き延びる力があるのも確かだ。」


エミリアはその言葉を聞き、さらに疑問が浮かんだ。

「でも、そんな生活はかなり厳しいですよね。病気になったり、年老いた人はどうしているんでしょう?」


豹の獣人エドはふっと息をついた。

「厳しいが、彼らも自分たちの方法でうまくやっている。年老いた者や病気の者も、支え合いながら生きているようだ。ただ、天帝の庇護を受けていない分、我々獣人のように豊かには暮らしていない。自然の厳しさを直接的に感じながら生きる…それが、彼らの現実だ。」


虎の獣人ミドが近くに人間の集落の匂いがすると教えてくれた。

「そんなに気になるなら、よって見てくればいい。」といってくれたの立ち寄ることにした。

あまり健康そうでなく、食事も満足にできてない者が多い。

ここでの環境はやはり厳しいだろうか、みな痩せこけている。

バモスカラ大陸ではあんなに活気があり、大陸縦断列車や色んな技術があったがここでは難しいだろうか。


エミリア一行が人間の集落に立ち寄ると、ミドの言った通り、住民たちはあまり健康そうではなく、痩せこけていた。

集落全体が薄暗く、活気を感じることができない。バモスカラ大陸で目にした賑やかで発展した光景とは大きく違い、この地での生活の厳しさがひしひしと伝わってきた。


エミリアは辺りを見回しながら、考え込んだ。「やはりここでは、技術や豊かな生活は難しいんでしょうか…」

彼女の脳裏には、バモスカラ大陸での大陸縦断列車や高度な技術が思い浮かんだ。

そこでは、人々は活気に満ち、生活は豊かだったが、ここアルドゼファーではそのような利便性や技術の導入は夢のように遠い現実に感じられた。


一人の集落の老人がエミリアに気づき、ゆっくりと近寄ってきた。

「あなた方、外から来た人間か?こんな場所までよく来たな。ここでは、私たちは自然の中で生きるだけだ。作物を作ることも許されず、獣人たちのような力もないから、どうにか生き延びるだけで精一杯なんだ。」


その言葉に、エミリアは胸が痛んだ。

「何か手助けできることはありますか?」と尋ねたが、老人は首を振った。「ありがたいが、この地の決まりを変えることは難しい。私たちはここでできる限りのことをしている。自然の摂理に逆らうことなく生きる…それが、この大陸で生きる者の宿命なんだ。」


エミリアは言葉を失い、ただその場に立ち尽くすしかなかった。


虎の獣人ミドの冗談めかした言葉に、エミリアはハッとさせられた。

「あんたたちに出来ることはないよ。早くギルガレット様の所へ行こう。お待たせしちゃ、頭から食われちゃうぜ!」

その軽い口調に、カレンもエミリアに同意するように言った。

「ここでの暮らしに私たちができることは限られているわ。先に進みましょう、エミリア様。」


エミリアはしばらく集落を見つめながら、心の中にもやもやとした思いが渦巻いていた。

人間たちが厳しい環境の中で生き延びようと必死に頑張っている姿を見て、自分に何かできることはないかと考えていたが、この大陸の掟と自然の厳しさを前にして、無力感を感じざるを得なかった。


しかし、エミリアはカレンの促しに従い、歩き出した。

もやもやとした気持ちを抱えたまま、彼女はギルガレットとの対面へと向かっていった。

天帝ギルガレットがどのような人物であり、彼の統治下でこの大陸の人々がどのように生きているのかを知ることが、今後の道を決めるための鍵になるかもしれない――そんな思いを抱きながら、彼女は次の目的地に向けて歩を進めた。



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