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救世主物語  作者: アルドア
1章

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第15話 この世界について

何もない広がる平原の中、ミネアは静かに立ち、エミリアに向かって語り始めた。


その遠くで気だるそうにアリーシャが見ている。


その声にはどこか哀愁と懐古の響きがあり、遥か昔の記憶を辿るように語る言葉は、風に乗って遠くまで届いていった。


「かつて、イシュアメール文明という偉大なる時代が存在していた。


人族は神々と共に栄え、その力と知恵を分け与えられながら繁栄していたのだ。


神々の恩恵を受けた人々は、知識と技術、そして神秘的な力をもって世界を築き上げた。

だが、その栄華も長くは続かなかった。

神と悪魔の戦い――大戦が始まると、人々の運命は大きく狂わされることになる」


ミネアの目は遠くを見つめるように細められ、その光景を思い出しているかのようだった。


エミリアは彼女の声に耳を傾け、彼女の話に引き込まれていく。


「大戦は、神々と悪魔たちの間で起こった壮絶な戦争だった。


神々は天界より地上に降り立ち、悪魔たちの侵略を阻止するために戦い続けた。


だが、その戦争は決して神々だけのものではなかった。


神々の側についた人族の英雄たちもまた、運命を共にすることになったのだ。


戦いで命を落とした英雄たちは死後、英霊となり、神の尖兵として再び戦場に送り出された。


彼らは死してなお、戦いの繰り返しに縛られることとなったのだ」


ミネアの声には悲哀が漂い、その響きは重く、心に残る。


彼女はふとエミリアの顔を見つめ、その瞳の奥に何かを探るような視線を向けた。


「エミリア、英雄たちは、誇り高き存在であったが、その誇りが、やがて彼らを永遠の戦いへと駆り立てる鎖となってしまった。


勝利のため、神の名のもとに戦い続けることこそが彼らの宿命とされ、彼らの魂は戦場で消耗し続けた。


その後、神も悪魔も忽然と消えた。

なぜ消えたか、余もわからんが厄災だけが、残ってしまったのだ」


エミリアはミネアの言葉に耳を傾けながら、その時代の悲劇を思い浮かべた。


神々と共に栄えた人々が、戦いの運命に囚われたことの悲しみを感じ取る。


彼女の語る言葉が、エミリアの心に深く刻み込まれていった。


ミネアは厄災の支配するこの世界に現れた時、神々と魔が忽然と消え去った後に残された、人類にとっての最後の希望であった。


かつて神と共に栄えた人々は、神々の加護を失った後、ただ絶望の中で生き残ることを強いられた。


光の巨人、終焉の獣たち、魔族を率いる魔王、そして最凶六魔。どれもが人類に終末をもたらす脅威として襲いかかった。


「厄災の時代…すべての希望が絶たれたかに見えたが、予は星と契約を交わし、世界の救済を約束した。

その条件として、神々の一部の権能を譲り受けることになったのだ」


ミネアはそう語りながら、かつての星との契約を思い出す。


星は彼女の意志を見定め、その決意の強さに応えた。


神威の権能を得た彼女は、人類を救うために自らの力を振るい始める。


最初に目覚めた神威の権能は「アンスターオリジン」だった。


この能力は自身か他者の神威が目覚めると、

そのたびに新たな神威を獲得するというもので、

重複して発動することはないが、絶えず新たな力を手に入れることができるという特性を持っていた。


この能力の選択には慎重さが求められた。


神威にはそれぞれ容量があり、強力なものほど容量を使うため、ミネアはその神威がどれだけの価値を持ち、どのように利用できるかを見極める必要があった。


もう一つの神威、「ヴォイドフィールド」も同時に目覚めた。この神威は虚空属性の結界を形成し、敵を封じ込めたり、結界そのものを剣のような形に変えて投射することができる。


攻防一体のこの能力は、様々な戦況でミネアを助け、彼女の戦術をより多様にした。


500年もの間、ミネアはこの2つの神威を駆使して世界中の厄災と対峙してきた。


しかし、次から次へと押し寄せる脅威を全て倒しきるには至らなかった。



そして追い詰められた人類は生贄を厄災に捧げ始めた。


「厄災は終わりを知らない。光の巨人が倒れても、終焉の獣が現れ、終焉の獣が討たれてもまた最凶六魔が暴れる。敵はあまりにも多く、予一人では守りきれない。

そうしたなか、生贄を捧げることで鎮めようとする行為が出来た。

だからこそ、予は人類の文明を護るため、ヴォイドフィールドの権能と神器を用いて祭壇魔術使い、この世界に結界を張り7つに分けた」


ミネアの目には戦いの傷跡と疲労が浮かび上がる。


彼女はその戦いの長い年月を、孤独に耐え抜いてきた。


だが、その決意は今なお揺らぐことはない。


彼女は己の神威を最大限に活用し、希望の光を絶やさぬように戦い続けていた。


しかし、戦いの輪廻を断ち切るためには、新たな手立てが必要だった。


ミネアは新たな同盟者が必要であり、戦略を考え、これから先、どのようにしてこの世界を救うか、その道を探り始める。

星と契約し、神の権能を受け継いだ彼女には、まだ未知の可能性が残されているのだ。


ミネアが世界の厄災と孤独に戦い続ける中、

新たな天帝が目覚めた。白道天帝がその一柱である。彼の神威「白夜滅道」は、隠れた魔を見つけ出し、日の下に晒し浄滅させる権能であった。白道天帝の目覚めにより、ミネアはアンスターオリジンの力を発動し、新たな神威「エンドオブカタストロフィ」を獲得することとなる。


「エンドオブカタストロフィ…この神威は破滅の運命を導く者として、万物は滅びの運命にある為、この神威を発動すれば触れた相手は塵のように滅びていく」


その後、地獣天帝、風雷天帝、幻夢天帝エリシアが次々と目覚め、それぞれが強大な神威を得ていった。


さらに幻夢天帝アリーシャがその力を示した。


彼女の神威「幻創真理ファンタクレアティオ」によって、

虚構と現実の境を超えた存在を生み出し操る能力は、

厄災との戦いにおいて新たな戦術的可能性を開いた。

幻想世界から魔獣達を現実世界に呼び出し、

大規模な厄災から多数の攻撃する手段として

有効だった。


こうして四天帝が揃ったことで、


ミネアと共に各地に封じられていた一面の世界を次々に攻略していった。


天帝たちは自らの力を駆使し、各大陸を浄化し、再び人々が住める世界に戻していった。


その後、ミネアはそれぞれの大陸の統治を天帝たちに任せることを決意する。


彼らの力を信じ、互いに協力し合い、世界の秩


序を守るためにその為に不可侵の契りを交わす。

これは互いを信じて厄災には協力し合って打破する。


そうしてその世界の1面には秩序が保つ事が出来ていれば干渉しない。

という約束事であった。


こうして、「五大天帝」がこの世界に新たな秩序を築くこととなった。


「予は、そなたたちにこの世界の未来を託す。それぞれの大陸を統治し、厄災の再来を防ぎ、人々が平穏を取り戻すために。

その使命を全うせよ、天帝たちよ。」


ミネアの言葉に応え、

五大天帝はそれぞれの大陸でその力を発揮し、

新たな時代を切り開き始めた。





エミリアは全てを聴き終え、今日の平和には多大な犠牲と時間がかかったのを知った。


私も母や父も失い、友も師も失ってしまったがそうならない世界を築くにはどうしたらいいのかミネアに率直に聞いてみた。



ミネアはエミリアの問いに、少しの間、空を見上げてから答えた。


「予もまた、かつて同じように感じていた。神冥大戦の後、愛する者たちを失い、世界がただ破壊と混沌に覆われた時、予は何度も考えた。なぜこんなことが起きたのか、と。なぜ、この世界は苦しみと悲しみに満ちているのか、と。」


彼女は静かに目を閉じ、続ける。


「しかし、悲しみと喪失だけが世界の全てではない。予たちは、その先に新たな希望と秩序を築くことができる。父母や友、師を失ったことを無駄にはしないためにも、未来を変えるために戦わねばならぬのだ」


エミリアはミネアの言葉を聞きながら、瞳に涙を浮かべる。その胸の奥で湧き上がる感情は、悲しみだけではなく、怒りでもなく、希望の光であった。


「でも、どうすればいいのですか?私たちが失ったものを取り戻すことはできない。けれど、失わない未来を作ることはできるのですか?」


ミネアはエミリアの目を見据え、優しく微笑んだ。


「過去を変えることはできぬが、未来はまだ書き換えられる。そなたが信じる道を進み、失った者たちのために戦い続けることができれば、きっと、より良き世界を築くことができる。五大天帝の力を合わせ、そなたの思い描く未来を創り上げるのだ」


エミリアはその言葉に力を得たように、強く頷いた。


「わかりました。私も戦います。母や父、友や師を失った悲しみを背負いながら、それでも失わない未来を築くために」


ミネアはその決意を見て、満足そうに微笑んだ。


「その意志こそが、この世界を変える力となる。共に進もう、エミリアよ。厄災に抗い、平和と希望の未来を築くために」


エミリアは深呼吸をし、胸に手を当てて覚悟を決めた。そして、彼女の心には新たな光が宿り、未来への道を照らし始めた。

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