第11話 旅の道中にて(挿絵あり)
エミリアはセレスティアを目指し、ひとり孤独な旅を続けていた。
広がる荒野には風が吹き荒れ、時折、何かの気配が草むらから忍び寄ってくるのが感じられた。
ある夜、エミリアは鬱蒼とした森の中で休息を取ることにした。
辺りは静まり返り、ただ風の音だけが響いていた。
彼女は小さな焚き火を起こし、疲れ切った体を温めていた。
しかし、火の明かりが周囲の闇をわずかに照らすと、森の中から不気味な視線を感じ取った。
突然、茂みが揺れ、低い唸り声が響き渡った。エミリアは素早く立ち上がり、武器に手をかけた。彼女の目の前に現れたのは、影のような体躯を持つ魔物だった。
その鋭い牙が光を反射し、獲物を狙うように彼女を見つめていた。
「またか…」エミリアはつぶやき、戦闘態勢を整えた。
不思議な力を星の輝と名付けたが、
この力は3つぐらいの能力分かれていることが
わかった。
1つ目は癒しの力で自分の怪我や相手の怪我を治せる。
2つ目は身体を光で包み込み防御力を高める。
3つ目は光弾を飛ばせる。
こうして魔物はある程度、迎撃できていた。
ただ力を使う時、光ってしまうので他の魔物を呼ぶことにもなった。
そして数匹の魔物が次々と現れ、その数はあっという間に増えていった。
彼女は直感的に、この場で戦い続けるのは得策ではないと判断し、すぐに退路を考えた。
エミリアは焚き火を蹴り飛ばし、暗闇の中へと走り出した。
魔物たちがすぐに追いかけてくる。
彼女の足音が森の中に響き、息が切れそうになるのを感じながらも、エミリアは懸命に逃げ続けた。
彼女の頭の中では、目的地に辿り着くための道筋が必死に描かれていた。
木々が彼女の前を過ぎ去り、暗い森がまるで永遠に続くかのように感じられた。
何度も転びそうになりながらも、エミリアは立ち止まることなく走り続けた。
魔物たちの足音が近づいてくるのを感じ、彼女はさらにスピードを上げた。
やがて、森の中に開けた場所が現れ、そこから遠くに光が見えた。
エミリアはその光に向かって必死に走った。
彼女の体力は限界に近づいていたが、決して諦めることはなかった。
ようやく、目の前に小さな村が現れた。
エミリアは村の入口に飛び込むと、魔物たちは村の境界線で急に止まり、怯んだように森の中へと消えていった。
息を切らしながらも、エミリアは周囲を見渡した。
村は静かで、人の気配がない。
しかし、そこには彼女を待っているかのような不思議な安らぎが漂っていた。
「ここは…」エミリアは息を整え、彼女は再び歩き出し、村の奥へと進んでいった。
エミリアは村の静けさに安堵しつつも、どこか落ち着かない気持ちを抱えながら奥へと進んでいた。
村にはほとんど人影がなく、まるで忘れられた場所のようだった。
しかし、彼女の直感は、この場所がただの村ではないことを告げていた。
しばらく進むと、小さな広場に出た。
そこには一人の女性が立っていた。綺麗な民族衣装に身を包み、長いピンク色の髪が風になびく姿は、どこか神秘的でありながらも親しみを感じさせた。
エミリアがその女性に近づくと、彼女は穏やかな微笑みを浮かべた。
「こんばんは、旅人さん。ようこそ、セレスティアへの道へ」
エミリアは驚きつつも、礼儀正しく頭を下げた。
「こんばんは。私はエミリア。とある国を目指してここまで来ました。あなたは…?」
女性は微笑を深めながら名乗った。
「私はアリシア。あなたを見守っている者です」
エミリアは彼女の瞳に何かを感じ取ったが、それが何なのかはすぐには分からなかった。
彼女の中で、アリシアがただの村人ではないことは明らかだったが、その正体については曖昧なままだった。
「あなたが目指している天帝様の国、セレスティア共和国に行くには、もう少し道のりがあるけれど、きっと辿り着けるわ」
アリシアは、エミリアを励ますように言った。
「でも、その前に…謁見でまたお会いしましょう」
その言葉にエミリアは眉をひそめた。
「謁見?でも、私はまだ天帝様にお会いする準備ができていません」
彼女は軽く首を振った。
「大丈夫。時が来れば、すべてが整うでしょう。
それに、その時は私も一緒にいるわ」
エミリアは何か含みのある言葉に戸惑いを覚えたが、彼女の穏やかな表情がそれを和らげた。
アリシアが何か重要な役割を果たすのだと直感しながらも、エミリアはその謎を解くのは後回しにすることにした。
「分かりました。謁見でお会いしましょう」
エミリアは再び頭を下げた。
彼女は静かに頷き、軽やかにその場を去って行った。
彼女の姿が村の奥へと消えていく様子を見送ったエミリアは、再び旅を続ける決意を新たにした。
セレスティアへの道が、思った以上に複雑であることを理解しつつも、彼女はその道を歩み続けるのだった。




