再会
この話は、森田sideと葉山sideで進行します。
初めての執筆なので構成がぐちゃぐちゃになるかもしれませんがそれでも読んでいただけると幸いです。
私はなんて弱い人間なんだろう。
一人で強く生きたいと願うのに、あなたに出会ったせいで毎日涙を流す。目が覚めると何故か泣いている。
2015年春 森田side
「おめでとうございます。妊娠3ヶ月です。」
診察室で新たな命の存在を伝える。
涙を流す患者さんに笑顔で今後の生活について指導する。
「ありがとうございました。」
患者さんは診察室を軽い足取りで去った。
医師になって6年。産婦人科に配属されてそんなに経つか。
(皮肉だな)
子供が産めない人間が産婦人科医なんて。
私は目を閉じて軽く鼻でため息を吐く。
「森田先生大丈夫ですか?」
看護師kに心配される。
気が付かなかった。疲れてるのか私は。
「何がですか?」
咄嗟に笑顔で鈍感なふりをする。
大丈夫と言うより何がと言った方が気をつかわれなくて済む。私の経験だ。
「なら良かったです。お時間大丈夫ですか?あのーこの患者さんについてなんですけど。」
「はいはい。なるほど」
話をすること5分。
「先生。ありがとうございました。聞けて良かったです。」
さっきまで暗かった顔が嘘のように明るくなる。
「それは良かったです。またなんかあったら聞いてくださいね。」
「はい。」
医師に話すことが怖かったんだろうな。多分。
「先生。次の患者さん呼んでも大丈夫ですか?」
「はい。お願いします。」
看護師sから渡されたカルテを見通す。
思わず目を見開く。
「葉山…昭吾…」
幼馴染の名前だった。
男性のみが相談するのもこの病院は可能で、実際男性のみの利用者も少なくない。
私が驚いたのは、女性が苦手な葉山が結婚したということだった…