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クラスターコクピット
朝霧がただの直感だけをたよりに、艦内の道をすすんでいき、最後に到達したのがまさに──
「あの……」
「朝霧くん……!? なぜここが……」
激しく動揺する艦、朝霧は不意のことで転び、そしてさらに何度も激震する。
床をはい、なんとか振動の隙を見て壁の取っ手をたよりに立ち上がる。
「またあの存在が……?」
「そうだ」
「なんなんですか、あれは。いったいどうなってるんですか」
「落ち着け、いまは緊急事態だ。とりあえず……」
「リスマくん!」
とつぜんの聞き覚えのある、ご指名の声。
「キミが乗るときがついにきた」
「乗るって……もうすでに乗ってますけど」
「いや、クラスターミュートとして乗るのだ」
「……なんですか、それは」
「説明はあとだ、艦の中央部の……」
ふたたび、またあの激しい動揺。
「防御フィールド出力18%! もう持ちません!」
「誰かリスマをクラスターコクピットへ!」